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Channel: オカルト評論家 山口敏太郎のUMA図鑑
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【179】深海の邪悪なサメ「ゴブリンシャーク」

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ゴブリンシャーク=ミツクリザメ

 ゴブリン——。それはファンタジーを題材にした小説や映画などに出てくる邪悪さを持った精霊で、悪い意味でのモンスターのような存在として描かれることが多い。見た目は醜い小人となっているものが主流で、いたずら好き、おふざけ好きの一面がある。その源流はヨーロッパの民間伝承であり、ノームやドワーフといった小人型の精霊の一種なのだろう。「指輪物語」シリーズ(映画化作品がロード・オブ・ザ・リング)に出てくるイメージがゴブリンを世界に影響を与えたのは間違いないが、実際には「指輪物語」以降はオークという名前に変更になっている。

 映画「ラビリンス/魔王の迷宮」では主人公の少女(ジェニファー・コネリー)に興味を持つゴブリンの魔王が彼女の弟をさらうのだが、その魔王は先日亡くなったデヴィッド・ボウイが演じ、金髪でスマートな容姿である。もちろん作中に出てくるゴブリンたちは一般的なゴブリンのイメージで描かれ、ほぼすべてがマペット(監督ジム・ヘンソンがつくり出した人形劇一団)が演じている。

 ヨーロッパだけでなく日本のゲームにもモンスターなどとして出てくることの多い精霊なので、なじみがある人も多いだろう。だいたい強くない敵として出現するだろうが。

 そんなゴブリンの名を冠した深海魚が話題になったことがある。「ゴブリンシャーク」だ。TOKIOのメンバーが「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本テレビ系列)で捕獲した、名前にも負けない禍々(まがまが)しい見た目をしたサメである。合成か作り物なんじゃないかと思われるような形状だが立派な魚である。

 日本での名前は「ミツクリザメ」。ネズミザメ目ミツクリザメ科に属している。見た目と英語名のインパクトがあるだけで実際には未確認生物ではないが、このゴブリンシャークは希少種でもある。日本の駿河湾や相模湾などで目撃されているほか、世界各地でも目撃報告がある。しかし、水深1300メートルほどの深海に生息しているのだ。

 サメの仲間には多いのだが、頭部、そしてアゴが大きく突き出ている。鼻にあたる部分が突出し、また口の付近が独立して突出している2段階での突出のため、一般的なサメのイメージよりも奇妙なデザインに感じるだろう。大きさは2メートルくらいのものが多いが、大きいもので5〜6メートルもあるため、容姿の奇妙さと合わせて、邪悪な精霊の名前をいただくのも理解できる。

 しかし、この名前も日本で一般的に「テングザメ」と呼ばれたものが英訳されて「ゴブリン」となったらしい。また鼻のように見える突起は柔らかいため、攻撃に向いておらず人間に危害を加えることもなかった。恐ろしい口の突出も、捕食の際にしか飛び出ない。深海は未知の領域が多く、解明が楽しみな世界である。

【関連動画】The Goblin Shark, Disturbing One of a Kind Footage

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【180】4メートルを超える「フロリダのジャイアントペンギン」

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絶滅したジャイアントペンギンの姿

 その容姿から世界中でかわいがられる動物園の人気者の鳥ペンギン。白と黒を基調にした色合いに、ポイントで入る黄色が特徴的で、足が短く、ずんぐりむっくりした体形のため、イラストなどでキャラクター化されることも多い。

 ペンギンは南半球に広く分布し、南極にも生息することで有名である。ヨチヨチと歩く氷上や浜辺での姿から想像もつかないが、水中で獲物を探す動きは精悍ですらある。その自由自在なサマからペンギンは泳ぐというよりも「水中を飛ぶ」などと形容されるのだ。

 そのペンギンだが、現在は6属18種が存在し、現世の最大種はコウテイペンギンの体長はだいたい100〜130センチメートルである。しかし、絶滅してしまったジャイアントペンギンはだいたい140〜160センチ、ノルデンショルトジャイアントペンギン(名前とは違ってジャイアントペンギン属ではない)は170センチもあったのではないかとされている。

 成人男子と同じくらいのペンギンを想像してみたら、それなりに怖いのではないだろうか。着ぐるみのようなかわいさもあるかもしれないが…。

 ところが、今回紹介するUMA「フロリダのジャイアントペンギン」はそんなものではない。未確認生物として紹介しがいがある大きさである。なんと身の丈4・5メートル! その体重は2トン程度ではないかと言われている。

 このフロリダのジャイアントペンギンは1948年に目撃され、翌年にも目撃情報があったが、その後はとんとなくなってしまった。しかし、足跡が残っているとも言われており、前述の体重はここから算出されているとのこと。

 ペンギンは南半球に生息しているため、米国フロリダ州に本当にいるのであれば大きさと合わせて新発見である。いったいどちらなのだろうか。

【関連動画】APTENODYTES FORSTERI, Le manchot empereur

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【181】ジャッカルとアリクイのような容姿…人を襲う犬「サラワ」

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アフリカン・ハンティング・ドッグ

「サラワ」はエジプトの首都カイロに出現すると言われている、ジャッカルとアリクイのような容姿をした未確認生物である。その名前は「墓荒らし」を意味し、人々に恐れられている存在のようだ。

 カイロといえばアフリカ、アラブ世界の中でも最も人口が多い都市で、アラブ文化圏の中心的都市のひとつである。経済だけでなく、文化、学術の面でも発展を見せ、近代的である半面、郊外にはギザの大ピラミッドがあり、古さと新しさの混在する場所でもある。

 古くからの伝承が残る都市に現れた未確認生物は、やはり伝承上の動物のような特徴を持っている。長いツノと長く四角い耳、鋭い牙や爪を持った犬とアリクイのような見た目で、悪魔のようであるとも言われている。性格が攻撃的で人間が襲われたという情報もあるのだ。

 エジプト神話に登場する「ヘリオポリス九柱神」のひとつ「セト神」は砂漠と異邦の神で、キャラバンを守る力と、砂嵐を起こす力がある。その険しい土地柄で、その原因となる砂漠を象徴しているため、「偉大なる強さ」というキャッチフレーズを持つ。荒々しさや戦争も象徴する、強さと悪を持ち合わせた存在なのだ。

 そのセト神がサラワと似た特徴を持っているため、何らかの関係があるかもしれない。

 エジプトで「犬」「神」ときたら、もう一つ有名なのは「アヌビス神」であろう。アヌビス神は犬の頭を持つ半獣半人の神で、冥界の神、死をつかさどるような存在である。これは墓場の周りをうろつく犬科の動物(犬やジャッカル)が、死者を守るように行動していると考えられたところからの連想だったのだろう。

 また、アヌビス神の異名は「ミイラを布で包む者」で、体が褐色なのも、ミイラづくりの際に腐敗を防止するためにタールを塗り込むので、黒くなるところからきていると考えられている。こちらも不吉な存在である点が共通している。

 ただ、現在ではサラワは、アフリカン・ハンティング・ドッグ(リカオン)の見間違いだった可能性も浮上してきた。犬としては大きい耳を持ち、黄色い身体には黒の斑点がある。害獣として駆除されてきた歴史がある。

【関連動画】Southern African Mammals: African Wild Dog (Lycaon pictus) Kill commandeered by vultures

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【182】正体はニホンザルか?「デビルモンキー」

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デビルモンキー

「デビルモンキー」はその名の通り、サルのような容姿をした未確認生物で、全身が長い体毛に覆われたヒヒのような体だと言われている。

 ヒヒというのは和名で、主にアフリカに生息するヒヒ属の動物である。ヒヒというのはそもそも「狒々」という伝説上の架空の生物だ。サルを大きくしたような怪物のことである。

 このデビルモンキーは米国中西部で目撃されているようだ。

 北米大陸で見られるサル型の未確認生物といえば、サルというよりは猿人、「ビッグフット」や「イエティ」のようなものを想像する人が多いだろう。しかし、このデビルモンキーは尾があることから他の猿人型UMAと一線を画する。

 デビルモンキーは体長が1・5〜1・8メートルほどで人間と大差なく、その点では猿人型UMAとの類似性を感じさせるが、フサフサの尾があるうえに後肢がカンガルーのような形をしており、ピョンピョンと跳びはねて移動すると言われている。

 そのほかには筋肉質で胸板が厚く、腕も足も太い。全身の毛は灰色とも赤みがかっているとも諸説ある。耳は大きく、猿のような顔とも犬のような顔とも言われている。足跡は細く27センチ程度、3本指に分かれている。

 性格はどちらかといえば、どう猛で家畜を襲うとの情報もある。また、状況によっては人間を襲うとの話もあるのだが、決定的な証拠がなく、都市伝説的に存在が広まっているのが現状だ。未確認生物というより都市伝説的なエピソードとしては、鳴き声が恐ろしく、聞いた人は「血も凍るような声だった」と話しているのだとか。

 容姿はサル的であるものの、遠くから見たイヌ科の動物の誤認説などもあるが、どうなのだろうか。イヌを非常に嫌うという俗説もあるのだが…。

 筆者は誤認説の中でもニホンザル説を有力視している。1970年代に輸入されたニホンザルが逃げ出して野生化したというものだ。そもそも北米大陸にはサルが分布していなかった。北米大陸は他の大陸とつながっていない時代が長く、アフリカ大陸から南米へとサルが渡ったと言われているが、北米まで届かなかった。サルは寒さに弱いため、ユーラシア大陸を北上し、ロシアからベーリング海峡を渡って米国に来ることもなかった。ニホンザルがサルの北限と言われている。

 サルにあまりなじみのない米国の人々が、ニホンザルを見て新たな動物だと認識してしまった可能性はある。鳴き声の伝説に関しても未知の生物に対する恐怖心が、そのように感じさせてしまったのかもしれない。

【関連動画】Social grooming behaviour of Yakushima Macaque (Macaca fuscata yakui)

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【183】ケニアのステゴサウルス!?「ムフル」

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ステゴサウルス(イメージ)

 ケニアにいると言われている恐竜型の未確認生物が、今回紹介する「ムフル」だ。

 ケニアはアフリカ大陸のインド洋に面した側、いわゆる東アフリカに位置する国で、日本ではケニア共和国というのが正式名称になっている。

 このケニアにはタンザニアとの国境近く、ビクトリア湖にムフル湾がある。その名を冠した未確認生物ということだ。

 ケニア共和国は国内に60以上の言語が存在しているが、古くからあるスワヒリ文明のスワヒリ語と、英国植民地時代があったため英語が公用語だ。アフリカの土着の文化とアラブ・イスラム文化が交じり、多民族が暮らす、交易が盛んな地である。

 日本では年齢層が高い人には山川惣治の絵物語「少年ケニヤ」で認知度が高い国だ。そうでない人でもマサイ族が一部住む国として、アフリカの象徴のような国のひとつとして名が知られているのではないだろうか。

 1963年、ケニアが英連邦王国として独立したその年、宣教師の夫婦が目撃したのが、ムフルの最初の報告である。ケニアにあるジャングルの中で、背中に剣のようなプレートが立ち、スパイクがついた尾を持った恐竜を見たというのだ。

 ステゴサウルスがメジャーな恐竜であるため、ステゴサウルスの生き残りのような扱いを受けるムフルだが、ステゴサウルスは北アメリカ大陸で発見された。アフリカでは、その近縁の種としてケントロサウルスが発見されている。ムフルはどちらかといえば、このケントロサウルスに関係が深いのではないかという意見もある。

 ただ、近縁といえど違いはあり、ステゴサウルスが体長7・4メートル程度なのに対して、ケントロサウルスは2・5〜5メートルほどで、かなり小型である。

 これを検証しようにもムフルは詳細な目撃情報が残っておらず、なんとも言えない状況なのだ。そのためか、古生物学の範ちゅうで語られる機会もほぼなく、存在の解明は進んでいない。

 同じアフリカ大陸のコンゴには「ムビエル・ムビエル・ムビエル」という未確認生物がいると言われ、こちらもステゴサウルスなどの剣竜類のような見た目である。偶然の一致かもしれないが、興味深い話である。

【関連動画】Allosaurus vs Stegosaurus!!!

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【184】カナダの巨大な両生類「シールキー」

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マストドンサウルスのイメージ図

 カナダの西海岸側、太平洋に面したブリティッシュコロンビア州に生息すると言われる“大きなトカゲのような、ワニのような、オオサンショウウオのような”未確認生物を紹介しよう。「シールキー」と呼ばれる未確認生物だ。

 先に挙げた3種の生物は、大ざっぱに言うと似たような見た目かもしれないが、爬虫類と両生類が混ざっている。現代の生物学が浸透する前から目撃されている存在のため、人間の主観によって、どちらともつかない特徴を持っているようだ。

 そもそも、このブリティッシュコロンビア州は、現在も数多くのネーティブカナディアンが住まう土地であり、そのネーティブカナディアンの間で伝わっている生物だった。それが1970年代に目撃報告が多発したために、今でも未確認な生物として、その存在がささやかれているのである。

 その目撃があった場所は、カルタス湖という湖だ。カナダ有数の大都市であるバンクーバーからハイウエー1号線で1時間半ほど行ったところにある観光地である。大きなキャンプ場で有名だが、ウオータースライダーや水上ボートなどのアトラクションが充実している。

 そこで大きく、暗い色合いをした、オオサンショウウオのような生物を見た人がいるというのだ。長い間、伝承上の生物だと考えられていたものが、実在する生物を基にしていた可能性が出てきた。それ以上の情報があまりないのだが、性格は非常にどう猛で、危険だとは伝わっている。

 このシールキーであるが、古生物であるマストドンサウルスの生き残り説も噂されている。このマストドンサウルスは全長がおよそ2〜4メートル、最大のものは6メートルもあったと言われ、頭部だけでも1・2〜1・4メートルあったのだとか。ワニのように頭部の比率が大きい生物と見間違いやすいかもしれない。

 そして、このマストドンサウルスは大型両生類で、北米大陸でも化石が発見されているのだ。近年の研究では尾が長いとも言われており、やはりオオサンショウウオ的でワニのような生物という特徴に当てはまるのである。

 特にカナダでは両生類の先祖となる生物の化石が発見されている。いまだに謎が多いとされている両生類であるが、サンショウウオとカエルの共通の祖先にあたるゲロバトラクスという生物が2008年に発表されたのだ。ひょっとしたらカナダという土地と両生類は密接な関係にあるのかもしれない。

【関連動画】Primitive Amphibians. Mastodonsaurus and Eryops.

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【185】巨大な川の巨大なヌシ「ホワイト・リバー・モンスター」

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「ホワイト・リバー・モンスター」とされる画像

 ミシシッピ川は米国を流れる河川としては最長のもので、ミネソタ州を源流として米国をほぼ縦断してメキシコ湾へと流れる。国内の重要な水路であり、米国の発展に貢献した、国を象徴する川である。

 ミシシッピ川は全長3779キロメートルもあるため、当然のようにたくさんの支流ができている。そのうちのひとつがアーカンソー州に流れるホワイト・リバーだ。

 ホワイト・リバーには古くから民間伝承で大きな怪物がすんでいると言われていた。自然と共存して生きるネーティブアメリカンたちは自然に精霊が宿ると考えていて、このホワイト・リバーにも“そういったもの”があったそうだ。それが現代になって、目撃例が多数報告されているのだ。

 名前は「ホワイト・リバー・モンスター」、または「ホワイティ」。まず、1937年に地元の農夫がホワイト・リバーの水面から、大きな生物が体の部位を出しているのを目撃した。それがどの部位なのかは分からないのだが、幅が1・5メートルはあり、3メートル以上の長さの灰色の何かだったという。

 その情報が広まると、他の住民たちも同様の大きな生物をホワイト・リバーで見たという報告が続いたのだ。その時に寄せられた最も古い情報は1915年にまでさかのぼったという。

 もちろん、この衝撃は米国全土を揺るがし、謎の生物を撮影・捕獲しようと人々が集まったが、捕獲計画は失敗したため、フェイクだと判断されたのだ。少なくとも34年の間は…。

 時は流れて1971年——。川でボートを楽しんでいた人が、ゆっくりと川の真ん中あたりを泳ぐ生物を見たというのだ。全長は分からないものの、水面に出ている部分だけでも9メートルはあり、背中にはトゲが生えていたそうだ。体の表面はツルツルと滑らかで、牛や馬のような大きないななきを上げたと言われている。

 実際にはゾウアザラシなのではないかとの噂もあるが、100年にもわたる目撃例(伝承の話も合わせればもっとだが)があるのならば、もはやゾウアザラシの生息が確認されていてもおかしくない。チョウザメが川に産卵に戻ってくるという説もある。しかし、まだ正体は分かっていないのである。

【関連動画】Most Amazing Facts About The Legendary White River Monster

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【186】2つの背びれを持つ「ジリョーリのクジラ」

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ジリョーリは詳細に姿を観察しイラストを描いた

 未確認生物には様々な発見経路がある。都市伝説のように生まれたものもあれば、妖怪のような伝承上の生物の中に実在をにおわせるようなもの、そして教訓から生まれたようなものもある。

 もちろん、新種の生物や実在の生物の誤認だってある。中にはきちんとした生物学者が目撃したにもかかわらず、目撃例も情報も続かなかったために未確認生物として語り継がれている存在もあるのだ。

 時は1867年、日本では11月に大政奉還が行われ、翌月には坂本龍馬が殺害された年である。そう、日本にも欧米の手が及んでいたころだ。

 前年の1866年にイタリアの軍艦マジェンダ号に乗って来日したエンリコ・ジリョーリという生物学者がいた。

 ジリョーリを乗せた船は翌67年9月4日にチリ沖、約1200マイルの付近を進んでいた。そこでジリョーリは今まで見たことのないクジラを目撃する。

 大きさは約18メートルで細長い体をしていたのだが、パッと見て他のクジラと違うのは…というか、そもそも海面に2メートルほどの大きな背びれのような突起が2つも顔をのぞかせていたのである。

 船の近くを泳ぐ、その物体は1時間半ほど目視できたため、ジリョーリは詳細に姿を観察し、イラストまで描いている。

 似たような報告は翌年にスコットランドで、さらに1983年にコルシカ島やフランスでもあったが、ジリョーリの報告のように明確な記録はされていない。

 この記録と、その後のあいまいな目撃情報の数から考えると、ひょっとしたらまだ発見されていないクジラの可能性もあれば、奇形などの個体の特徴にすぎないかもしれない。

 しかし「ジリョーリのクジラ」は存在したように思えるのだ。地球は広大で、人類が到達していない地点もあり、まだまだ謎が潜み、生まれ続けている。未確認生物が新たに発見されることがあれば、未確認だった生物がきちんと確認される日も訪れることがある。積み重ねられた知識による学術的な調査も必要であるし、常識にとらわれない柔軟な思考もまた大切なのだ。

【関連動画】Mysterious Giant Creature/Object In The Thames

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【187】ドラクエやモンストにも採用「ロック鳥」の正体

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ロック鳥の想像図

 今年は酉年ということで、まず最初は鳥に関するUMAというか、モンスターについて紹介したい。

「ロック鳥」はドラゴンやフェニックス、ペガサスほど有名ではないが、ファンタジーを題材にしたゲームなどには顔を出すので、ご存じの方も多いかと思われる。メジャーなゲーム、ドラゴンクエストやモンスターストライクにもキャラクターとして採用されている。

 そのロック鳥であるが、発祥は〝アラブ人が書いた記述だ〟と言われ、「千夜一夜物語」のシンドバッドの話に出てくるのがもっとも有名である。中東地域からヨーロッパ、中央アジアなどでは日本で考えるよりも有名な幻獣だと考えてもらって構わないだろう。イスラム文化圏におけるフェニックスのような存在である。

 それから再度、この名を有名にしたのはマルコ・ポーロの「東方見聞録」である。「東方見聞録」は言わずと知れた、マルコ・ポーロがアジア諸国について口述したものを編集した旅行記であり、我が日本も「黄金の国・ジパング」として紹介されていて、なじみがある。実際にはマルコ・ポーロは日本には訪れておらず、聞いた話をまとめただけなのだが。

 この「東方見聞録」でロック鳥はマダガスカルに関する項目の中に記されている。地元の人々は「ルク」あるいは「ルフ」と呼ぶ、大きな鳥がいるというのだ。マルコ・ポーロは実際に目撃したわけではないが、これを幻獣であるグリフォンではないかと考えたそうだ。

 このルク(ルフ)という鳥はゾウを持ち上げるくらいの力持ちで、空を飛ぶと太陽を隠してしまうほど大きかったと現地の人々は語ったという。ラフィアヤシの巨大な葉がルク(ルフ)の羽と似ているとも言われていた。伝承の存在というよりも、現地の人々にとっては畏怖の対象として目撃されていて、その想像が膨らんだ生物のようだ。

 実際にすでに絶滅してしまった大型の鳥類である可能性が高く、ヒゲワシの可能性なども指摘されている。その中でも有力なのが17世紀ごろまでマダガスカルに生息していたと言われている、巨大な鳥類「エピオルニス」だ。

 エピオルニスは地上性の鳥類で、巨大な上に翼が退化しており、飛行することはできなかった。しかし、頭頂までの高さは3メートルを超えるため、あまりに大きく、人々の間で想像が膨らんでいったとも考えられる。

 また、人間がマダガスカル島で生活するようになって環境が変化し、ヨーロッパ人が訪れたころには絶滅したか、または希少種になっていたようで、確認がされないまま想像が広がったのかもしれない。

 3メートルを超える鳥類。目の前に立っている姿を想像するだけで震えがくるが、同時にその姿に神々しさも見いだしてしまうだろう。

【関連動画】Roc – Giant Flying Creature

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【188】ネーティブアメリカン伝説の怪鳥「ピアサバード」

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ピアサらしき怪物の絵

 米国の先住民族であるネーティブアメリカン——。独自の伝承や神話を持ち、自然や動物たちと調和した、霊的存在が肉体や物質を支配しているという考えの精霊崇拝が色濃く残った民族でもある。キリスト教とは違った精霊や動物の伝説が残されている。

 米国中西部に位置するイリノイ州は、中西部では人口が最大の州である。ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ巨大都市のシカゴを擁し、人口だけでなく多くの人種を抱えている。いわゆる白人、黒人、ヒスパニックだけでなく、アジアやオセアニアからの移民も多い。

 ネーティブアメリカンは全体の0・3%ほどだが、もともとは多くの部族が暮らしていた。しかし、ヨーロッパ人との戦争や、彼らがもたらした伝染病によって壊滅し、イリノイ州は保留地のない州となっている。

 そもそも州の名前となっているイリノイは、ネーティブアメリカンのイリニ族から取られたもので、彼らもまたこの地域に住んでいた部族である。そのイリニ族に伝わり、ミシシッピ川一帯に伝承の残る「ピアサバード」について、今回は紹介していこう。

 英語読みをさらに日本語の発音で解釈して「ピアサ」と言われているが、ネーティブアメリカンの発音では「パイア・ソー」もしくは「ピー・ア・ソー」に近いと言われている。怪鳥、またはドラゴンのような容姿として伝わり、その奇妙な姿はミシシッピ川の高い崖に壁画として描かれている。

 ウロコに覆われた体からは4本の手足が生え、背中には大きな翼、人間のような顔の頭部には鹿のようなツノがあり、目は赤く光り、尾は体を2周するほど長く、その先端は魚の尾ビレのようになっている。人間が想像する恐ろしいものを集めたようなキメラ的なモンスターで、いかにも神話などに登場しそうである。壁画のオリジナルは破壊されてしまったが、大きさは牛くらいの絵だった。

 この壁画をヨーロッパ人の神父が発見したことから、1673年ごろに存在が広く知られるようになる。ピアサという名前は邪悪な意図が込められ、「悪霊の鳥」や「人を食らう鳥」のようなニュアンスらしい。その見た目の恐ろしさから考えても、未確認生物というよりも幻想生物のたぐいだと考えた方が妥当かもしれない。

 しかし、イリニ族の伝承の中には「村が襲撃された。ピアサを撃退しよう」と村人が戦ったような記録が残っているという。伝承として残っていくうちに尾ヒレがついて怪物のような存在になってしまったが、元は人間の生活を脅かすような、なんらかの強大な生物だった可能性がある。人間一人くらいは運べる大きさの鳥がいてもおかしくはない。

 今年は酉年であるが、不吉なことなど起きないよう願いたいものだ。

【関連動画】The Piasa Bird on the Bluffs near Alton IL – Folklore and Myths

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【189】世界最高身長の鳥「恐鳥モア」

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恐鳥モア(イメージ図)

「モア」は史上最も背の高い鳥として知られており、そのなかでも巨大な「ジャイアントモア」はダチョウよりもはるかに大きく、約3〜4メートルの身長があったとされる。

 モアはダチョウ目モア科に属し、今では絶滅してしまった。しかし、世界中の鳥類の中で最高身長であることには異論がないだろう。

 モア科の鳥は足には鋭い爪がついているものの人を襲うことはなかったとされ、強靭な足腰はもっぱら走るためだけに使われたという。哺乳類が生息していなかったニュージーランド島で独自の進化を遂げており、この島では繁栄していたことが想像できる。

 しかし、モアは空を飛べない鳥だということもあり、マオリ族の狩猟によって絶滅したと言われている。あまりの巨躯であったことが絶滅の理由だったのは少し悲しい。そもそもマオリ族がニュージーランドに上陸するまでは、ハルパゴルニスワシ(翼を広げた長さが3メートル以上にもなる巨大なワシ)以外に天敵はいないとされ、草食だった点から考えても性格はおとなしかったのではないだろうか。

 温和とはいっても強靭な脚を持つため、敵から攻撃を受けた時には強力な蹴りをお見舞いした。また、動きだしは鈍いものの、そんな脚で地面を蹴り上げるので、時速50キロメートルで走ることもできたのだ。

 残された骨の太さなどは鳥のものとは考えられないほどだったため、「恐竜」の名付け親でもある考古学者のリチャード・オーウェンはモアを「恐鳥」と名付けた。

 モアの狩猟方法は人を攻撃してこないため、近づいて脚に攻撃して地面に倒すやり方と、石を飲む習性を利用して焼け石を飲ませるやり方があった。

 ジャイアントモアは1500年代より前に絶滅したとされ、モア科の絶滅は1700年代末〜1800年代の中ごろとされており、学者がニュージーランドに行って詳細な資料を残すには時間が足りなかったと言われている。

 しかし、そんなモアには原住民と並んでいたり、狩りの様子を収めた写真が存在している。絶滅時期を考えると、これらの写真の信ぴょう性は低いと見られているが、モアは小さい個体も含めると現代に至るまで目撃証言が残っている。そのため、いまだ生存説が多く唱えられている動物の一種でもある。

【関連動画】 Monsters we met: NEW ZEALAND GIANT MOA

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【190】鳥類と爬虫類の特徴を持つ「始祖鳥」

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始祖鳥のイラスト

「始祖鳥」といえば、言わずと知れた“鳥類の元祖”であり、ダーウィンの進化論においても重要な役割を持つ、科学的にとても意義のある存在である。


「生物が環境への適応や生存競争を経て進化してきている」という説を支えるような鳥類と爬虫類、両方の特徴を持っているのだ。

 始祖鳥の化石が最初に発見されたのは1860年のこと。場所はドイツ・バイエルン州ゾルンホーフェン。特にジュラ紀の化石が多く発見され、この始祖鳥の化石もジュラ紀後期の地層から見つかった。

 始祖鳥は大きいものでも尾を含めて全長が50センチほどで、全体的な特徴はカササギに似ているらしい。あごには鋭い歯があり、前肢にあたる翼にはカギ爪のついた3本の指を持ち、尾には骨が確認されている。これらの点が現生の鳥類とは違う点なのだが、始祖鳥には何よりも羽毛があるのだ。

 始祖鳥が鳥類のように羽ばたきによって飛行することが可能だったのか、ムササビのように滑空するだけのものだったのかは、いまだにようとして分かってはいない。骨格から考えると、あまり羽ばたき飛行には向いていなかったのではないかと思われる。

 始祖鳥と恐竜を進化で結びつけるには「羽毛の生えた恐竜の存在が必要になる」と言われているようだ。実際のところ、すべての恐竜に羽毛が生えているわけではないのだが、羽毛の痕跡のある恐竜の化石がわずかながら発見されている。

 現在では始祖鳥は現在の鳥類の祖先ではなく、爬虫類が鳥類へと進化する可能性のうちのひとつだったと考えられている。この時代の他の“始祖鳥”が鳥のご先祖様なのかもしれない。始祖鳥もまだまだ確認できないことが多いのだ。

 科学というものは解明された事実があることによって、その先にさらに不明な領域が広がっていることもある。人間が自然を理解するための便利な学問であるうえに、知的探求の欲をかなえ続けてくれるものでもある。不明な領域を目にしてしまったとしても諦めて、“自分の知識が絶対だ”などとおごることなく、「知らない」「分からない」という現実を踏まえて先の知識へと進みたいものである。

【関連動画】始祖鳥

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【191】伝承上の存在「鬼」の正体は外国人?それともエイリアンアニマル?

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鳥山石燕の「鬼」

 2月の主なイベントといえば「節分」と「バレンタイン」だろう。本稿ではバレンタインではなく、節分に関する未確認生物の紹介をする。そのものズバリ、「鬼」である。節分に欠かせないものを2つ挙げるとしたら、ほとんど誰もが「豆」と「鬼」になるのではないだろうか。

 鬼といえば未確認生物というよりも伝承上の存在で、妖怪として定義されている場合が多い。「恐ろしい」「悪い」「強い」のようなイメージとともに「浅ましい」のようなイメージを伴うこともある。とにかく〝悪いもの〟を具象化して、物語や教訓のために利用されることが多い。それ故、逆に「泣いた赤鬼」のような感動話の題材になる場合もある。

 容姿については現在、ほとんどの人が想像するように、立派な体格は赤・青・黒などの肌で包まれ、縮れた頭髪からは2本のツノが生え、腰布を巻いた半裸状態で金棒を持ち、悪そうな顔には牙が生えている。こんなところだろう。

 元来、鬼の語源は「隠(おぬ)」だったという説もあり、そもそも姿が見えない「悪」の何かを表していたとも言われているが、悪さをする何か、地獄の住人、死霊、民間伝承の妖怪など、様々なものがいいあんばいで鬼と呼ばれるようになったのだろう。

 その鬼の正体だが、「外国人を指していたのではないか」という説も根強い人気がある。屈強な体格と肌の色、言語は通じず、不慣れな土地で生きるために悪さをした人たち。そう考えると多岐にわたる鬼の定義のひとつとして不自然ではない。特に、親しみのないヨーロッパ圏の人間が偶然、日本にたどり着いたとしたら可能性は低くないだろう。

 しかし、この現代において、未確認生物としての鬼の存在がまことしやかにささやかれている。まず、筆者は鬼のミイラを所有している。このミイラは北陸地方のとある民家から発見されたもので、山口敏太郎事務所が借り入れたものなのだが、エックス線などの調査はしていないものの、骨がなく、作られたものの可能性が高い。だが、その精巧なデザインには実在した何かをモデルにした可能性も考えられ、引き続き調査を進めている。

 他にも鬼に関係した写真が存在している。1点は筆者が所蔵する大分県の「鬼の子」の写真だ。残念ながらこの写真に写っている鬼のミイラは焼失してしまった。もう1点は岐阜県のお寺にある、角が生えた頭蓋骨の「鬼の頭」の写真である。こちらは持ち主に厄災が降りかかると言われている。

 さらに2007年にはブラジルのバイーア州の川で目撃された、鬼のようなツノが生えた黒い人型の影である。こちらも目撃者によってハッキリと撮影されている。人間に見られているのに気付いてすぐに消えてから、二度と目撃されていないらしいが、こちらはエイリアンアニマル説も浮上している。

 鬼というものの定義が広いため、皆が想像する鬼とは違うかもしれないが、頭部にツノのようなものを持つ人型の生物が存在するかは、今後も調査していきたい。

【関連動画】5 STRANGE WEIRD UNKNOWN CREATURE

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【192】子供をさらう怪人「ブギーマン」

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ゴヤが描いたブギーマン

「ブギーマン」…それはヨーロッパにおける「なまはげ」のような怪人で、民間伝承中の都市伝説として語り継がれている存在である。ホラーを題材とした映画やゲーム、プロレスラーにまで使われるほどメジャーな存在である。

 ブギーマンの容姿は不確定で、人のような形をしているとしか分かっていない。不確定というのも、姿がおぼろげなのではなく、あまりにも違った容姿で語られてきたからだ。性別すら判断がついていない。不気味で恐ろしい人間のような印象であるのは間違いない。

 その存在の範囲は広く、ヨーロッパの国々のあちこちや米国で語られている。そして容姿以外の特徴といえば「子供をさらう」点だ。ブギーマンの発祥はスコットランドと言われているが、子供をさらうために家屋に出現する。

 ブギーマンはいともたやすく家の中に忍び込み、タンスやベッドの下に潜んで、子供をさらう瞬間を虎視眈々と狙っている。イタズラをしたり、早く寝なかったり、子供が親の言うことを聞かないでいるとさらってしまうのだ。

 要するに教訓のために作られた怪人のようである。「いい子にしてないとブギーマンに連れ去られるよ」といったように…。これが各家庭で語り継がれてきたために、国や地域どころか、近所同士でも、ブギーマンの身体的特徴が違っているという事実につながっているのだろう。

 これならばブギーマンが漠然とした印象になるのも納得していただけるだろう。しかし、家庭内だけでなく病気を広めるなどといった説もあり、信じた子供たちや大人によって、その存在がより邪悪な存在として強固なものになって定着したのかもしれない。

 ブギーマンと似た怪人としては、ドイツの「シュヴァルツェマン」、ブルガリアの「トルバラン」、デンマークの「ブッセマンド」など、やはり言うことを聞かない子供を連れ去る存在がいる。

 もちろん、日本のなまはげも含めて、世界中にブギーマンのような教訓のための怪人がいることは想像に難くない。

【関連動画】50匹のなまはげに圧巻!!男鹿の「なまはげ柴灯まつり」

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【193】邪視を持つ「カトブレパス」は実在した!?

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「博物誌」に描かれたカトブレパスのイラスト

 ゲームなどファンタジーを題材にした現代の創作物にも出てくる幻獣「カトブレパス」。敵のモンスターとして描かれることが多いが、その理由は「邪視」の能力にある。その1つ目でにらまれると石化、もしくは死に至らしめる能力があるのだという。

 そもそも、この邪視という能力は世界中に広く分布する民間伝承の力である。にらみつけるなど、目に力を込めて見ることで呪いをかけるのだ。目力、眼力という言葉もあるが、恨みやねたみで他人を見る時の表情は確かに力強いものだ。

 他にもカラスよけではないが、目の模様が入った魔よけの護符などもあるし、フリーメーソンでも有名な「プロビデンスの目」のようなデザインでも、人を引きつける力があることが分かる。

 いかに人間が目という感覚器官、目の表現力に重要性を見いだしていたのか、といったところか。とにかくカトブレパスは恐れられている存在として描かれるのだ。

 このカトブレパス、古代ローマにおいては創作というよりも未確認生物として捉えられていた側面がある。古代ローマの博物学者、大プリニウスことガイウス・プリニウス・セクンドゥスが、自然界について著した「博物誌」に記述がある。

 全37巻あるこの書物は、あらゆる自然について、天文学、地理学、生物学、鉱物などを網羅した百科全書ではあるが、現代でいうところの怪物のようなものも記載されている。その中のひとつとしてカトブレパスも書かれていたのではないだろうか。

 カトブレパスの生息地は西エチオピア。牛のような四足動物で、頭が重いために首を下げたような姿勢だという。カトブレパスという言葉はギリシャ語で「うつむく者」を意味するのだ。動きは緩慢。目を見ると死んでしまうという記述の他に、吐く息が毒だという伝承もある。

 その後もヨーロッパ圏では書物に記述があるために、広く知られたモンスターになったのである。そのためか18世紀から19世紀に活躍したフランスの博物学者であるジョルジュ・キュヴィエによって、アフリカ大陸の南部に生息するヌーという牛の一種の見間違えではないかと指摘された。

 ヌーは確かに色が黒く邪悪に見え、手足が細く、体毛が少ない割には、たてがみや尾には黒い毛が長く生えている。また、頭部には曲がった一対のツノがあり、全体的に不吉なイメージを持っても仕方のない容姿をしている。ツノやたてがみの関係で頭が大きく見えるのも特徴だ。

 未確認生物が生まれる背景には、何かしらの理由がある。火のないところに煙は立たず、その原因を知るのも我々の役目なのかもしれない。

【関連動画】Gnu Crossing am Mara River – wildebeest crossing at the Mara-River

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【194】上半身が年配男性で下半身が爬虫類の「ワニ男ジェイク」

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ワニ男ジェイク

 現在もアニメなどで人間と他の動物を融合させたキャラクターは多く描かれ、それらに萌える人たちを「ケモナー」などと呼んでいる。

 単純にデザインがかわいい、かっこいいというだけの話ではなく、その動物の能力を持つことで個性が発揮される点もあるだろう。

 そもそも半獣半人の怪物などは古代から神話などで語られ続けてきた。人間にとって自分たちとは違った能力に秀でた動物たちに対して、一種の憧れもあったのだろう。しかし、それは創作の中であがめ、恐れられるだけの存在ではない。人間に親しまれて愛されたものもあるのだ。

 1880年代に米国の見世物小屋で活躍していた「ジェイク」は、上半身が年配の男性、下半身は爬虫類という、なんとも奇妙な生き物である。ジェイクについては話だけでなく、そのミイラを収めた写真も残されているのだ。

 人間から簡単な質問をされると、ジェイクは首を縦や横に振ってコミュニケーションを取ったとも言われている。人語を発することはできないが、理解する能力はあったというわけだ。他にもたばこを差し出すとおいしそうに一服したとも伝わり、ユーモアやサービス精神のようなものも持ち合わせていたことがうかがえる。

 話題にはなったものの彼は割と早く亡くなってしまった。前述の通り、写真しか残されていないので生物としての実在は判別不可能。似た生物が付近で生息していた形跡も見当たらないため、生物学的にも不明なままである。

 しかし、ジェイクは人間部分と爬虫類の部分の境目が細く見え、切断したワニの体に人間を取り付けたフェイクではないかという見方が現在の主流のようである。筆者も実在よりも、職人による“よくできたミイラだ”と推測している。彼は今もワシントン州ロングビーチにある博物館に展示され、人々を楽しませている。

 逆に米国では1970年代に「ゲーターマン」という、頭がワニで体が人間の怪人がいたと言われている。夜中になると街をはいかいし、人間を食べるという恐ろしい存在だ。こちらは都市伝説的な扱いをされているが、一体どのようにして生まれたのだろうか。気になる存在である。

【動画】Meeting Jake

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【195】因幡の白兎のワニ!?「マチカネワニ」

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「因幡の白兎」のイラスト

 日本古来のおとぎ話に「ワニ」が出てくるといえば、誰もが「因幡の白兎」を思い浮かべるだろう。海を渡ろうと考えた白兎がワニをあざむいて並べ、その背中の上を渡ろうとしたが、逆にそのワニたちに皮を剥ぎ取られてしまう。皮を剥ぎ取られた白兎が泣いているところに大国主が現れ、治療法を教えて助けてあげる話である。

 良い行いをした大国主は白兎に予言された通り、旅の目的であった八上姫と結婚をすることができた。おとぎ話らしい教訓も織り込まれている。

 また、国造りの神、農業の神、そして医療の神としても信仰され、この物語が大国主の特徴として大きな意味を持った。

 この一部分だけ抜き出されてひとつのおとぎ話になっているが、これも多くの人が知るように「古事記」の中に書かれた、エピソードのひとつである。

「古事記」は日本最古の歴史書であり、神話として書かれている。この主人公である大国主もスサノオの子孫であり、その国造りの様子を描いた「大国主のくにつくり」として伝えられている。

 ちなみに、ここに出てくる“あの”ワニは爬虫類のあのワニ、クロコダイルとかアリゲーターと言われる大きな口を持った“どう猛な生物”のことを指すのではなく、魚のサメを指すと記憶している人も多いのではないだろうか。サメでもシュモクザメだ、いやウミヘビだ、などと諸説ある。しかし、日本にも“あの”ワニが生息していた時期があるのだ。

 その名は「マチカネワニ」。1964年に大阪府豊中市の大阪大学豊中キャンパスで出土したのだ。化石はすぐにはワニだと判明しなかったが、本格的な調査が進むと、ほぼ完璧なワニの骨格化石が発掘された。このマチカネワニの体長は7メートルほどだと推測されている。この化石が発掘された地層は更新世のもので、約38万〜42万年前ではないかとされている。

 さらに2013年には島根県で巨大なワニの化石が発見され、これはマチカネワニの祖先ではないかと見られている。こちらも全長は7メートルほど。約2000万年前のもので、東アジア最古の巨大ワニの化石だ。

 因幡の白兎に出てくるワニが本当に爬虫類のワニだったのかは分からない。ひょっとしたら特定の人間の集団を指すのかもしれない。「古事記」には神話が神話らしく書かれているところもあれば、実際の出来事が例えられているかとおぼしきところもある。

 マチカネワニは未確認生物ではないし、因幡の白兎のワニが日本に生息していた可能性も高いとは思わない。しかし、もし古生物学と史学が結びついたりしたら、それは非常にロマンチックなことに感じる。

【動画】「奇跡の古代ワニ・マチカネワニ化石」(ショートバージョン)

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【196】江戸時代後期に現れた巨大魚「オキナ」

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竹原春泉が描いた巨大魚「赤ゑい」

 江戸時代の天保12(1841)年に刊行された「絵本百物語」という奇談集がある。著者は桃山人で、挿絵は竹原春泉斎による書物である。

 この中には多数の妖怪が色鮮やかな絵で描かれ、鳥山石燕の「画図百鬼夜行」と並んで、日本の妖怪の存在とビジュアルを決定づけたものである。かの水木しげるさんも参考資料にしたほどだ。

 また、江戸時代にはこうした「百物語怪談本」がはやったのだが「絵本百物語」はかなり妖怪に焦点を当てた作りになっており、物語の名称が妖怪の名前そのものになっているのも特徴である。

 妖怪の成り立ちはさまざまで、人里離れた場所に住む奇妙な人物や奇病にかかった人を妖怪としたものもある。教訓として妖怪を利用する場合もある。不思議な現象や不条理に感じたことを妖怪にして納得してしまうパターンもある。もちろん中には当時の人たちにとって未知であった生物が妖怪として語られるものもあっただろう。

 当時の北海道、蝦夷の東海側に現れる「オキナ」という妖怪が「絵本百物語」に載っているのだが、未確認生物だったのではないかとも言われている。そもそも「絵本百物語」より前に「東遊記後編」という紀行文にもオキナについての記述があり、それを紹介しているのだ。

 オキナが近づくと海底からは雷のような轟音が鳴り、海は大荒れ、クジラたちは逃げていく。しかも大きすぎてこの異変に気付いた時には人間の速度ではもう逃げられないと言うのだ。どのくらい大きいのかと言うと、オキナは巨大生物というよりも人間の認識としては“島”。

 クジラが口を開けるとたくさんの魚を飲み込めるように、オキナがひとたび口を開ければクジラたちを一気に飲み込んでしまうのだという。このように非常に大きいため、オキナの全体像を目に捉えた人間はいないという。

 オキナの大きさは2〜3里との記述があり、だいたい8〜12キロメートルといったところだろうか。「ヲキナ」とも言われることがあり、象牙に似たヲキナの牙が北海道で見つかったと書いてある書物もあるようだ。

 大きさが大げさに伝わっている可能性は高いが、なんらかの生物だったのではないかと考えられる。特に人間にとって海は、同じ地球上にあってもまだ謎の範囲が大きい。クジラと真っ向から勝負できる魚類を想像するとロマンがある。

【関連動画】DIVERS ENCOUNTER GIANT FISH

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【197】“日本のキメラ”合成獣「鵺」は存在した!?

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鳥山石燕の描いた鵺

 夜の鳥で「鵺」——この漢字を当てられた妖怪の名前を読めるだろうか。答えは「ぬえ」。こう聞くとご存じの方も多いだろう。

「からかさ小僧」や「一つ目小僧」と比べると、そこまでメジャーではないが、獣のようなイメージの妖怪を思い浮かべる人がほとんどではないだろうか。アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」でも伝説の妖怪として登場し、強そうな感じがする。

 鵺の容姿は古典の「平家物語」によると、サルの頭とタヌキの胴体、手足はトラで尾はヘビ、それも尾の先にヘビの頭がついているという豪華さである。“欲しいもの全部入り”デザインだ。

「源平盛衰記」によると、サルの頭、トラの背中、キツネの尾、タヌキの足という別バージョンで描写されている。資料によっては頭がネコ、胴体がニワトリというものもあり、とにかくさまざまな動物がてんこ盛りである。

 このように空想上の生物にはさまざまな動物が合成された、いわゆるキメラは少なくない。ウマに鳥のような翼が生えたペガサス、ワシの頭と翼にライオンの胴体を持つグリフォンなんかが有名だろう。

 人間が怪物を創造する際に、それぞれの動物の機能が象徴された部位を合成していくのは納得いくだろう。やはり動物たちは畏怖の対象であったことが想像できる。

 あまりにもぜいたくなつくりの鵺だが、もし本当に存在していたとしたら見てみたくなる人が多いのではないだろうか。

 どうやら、かつて日本には「鵺のミイラ」が存在していたらしい。サルのような顔にヘビっぽい尾、細かいところまでは確認できないが、胴体はトラかタヌキのような獣の毛を生やし、短いタヌキのような四肢を持つ。

 これは大分県の別府温泉にあった「八幡地獄の怪物館」で展示されていたらしいのだ。現在、このミイラは残念なことに行方不明で、現物を拝むことは不可能だ。

 鵺は前述の通り、有名な日本の古典に登場する妖怪で、歴史にも大きく影響している。平安時代末期には毎晩丑(うし)の刻に東三条の森から黒雲とともに鵺が現れ、奇妙な鳴き声を上げて近衛天皇を悩ませていた。そこで源頼政が家来の猪早太とともに怪物退治したのである。

 筆者は、そのような有名な妖怪を一度は見てみたい、という声に応えてつくられたものではないかと推測している。

【関連動画】要注意!!全国にある 妖怪のミイラ

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【198】中国の山奥にすむ「野人」は実在するか!?

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切り取られた野人の手と言われている写真

 世界各地で存在が噂される猿人型UMA。「イエティ」「ビッグフット」「雪男」「モンキー・マン」「オラン・ペンデク」「モノス」「ヨーウィ」「アルマス」…あなたは“どれがどこの国のUMAか”当てることができるだろうか。

 その正体は大きなサルの仲間か、人間とは別の霊長類の進化の過程なのか。自分たちに近しいUMAとして我々の興味を強くひく。その中でも中国の山間部にすんでいると言われる「野人」をご存じだろうか。

 伝承や都市伝説の中に存在するタイプのUMAではなく、どちらかというと実在がささやかれているタイプである。伝聞の範囲ではあるが、捕獲や射殺の話が残っているのだ。

 野人の身体的特徴は大きめの身長。1・7〜2・2メートル程度と言われているが、大きい個体になると3メートルにも及ぶという。人間と同じく二足歩行をし、体表は毛で覆われているようだ。

 目撃報告が多いのは長江中流域にある湖北省、その神農架地区である。1924〜93年に野人の目撃例は100件を超えている。また、20人以上の人間が目撃したということで、事例の数も多いのだ。

 神農架山ではギガントピテクス(約100万年前に出現し、数十万年前に絶滅したとされる身長3メートルの大型類人猿)の化石が発掘されているため、野人はギガントピテクスの生き残り、もしくは子孫なのではないかともいう説がある。

 1957年には東シナ海に面した浙江省で、村人が野人と遭遇し、射殺してしまう事件が起きた。村人は野人を退治した証拠として切り取った手足を保存した。近年になってこの手足は廃棄されてしまったとの情報がある。

 ちなみに、この時の野人の身長は1・5メートル程度で、性別はメスだったと言われている。

 しかし、中国科学院が行った学術調査では、野人を発見することはできず、誤認説も有力になってきているのが現状である。

 テレビなどで公開された「野人の子供」とされる裸の男性の動画は、下垂体性巨人症などの人間だったことが判明している。こちらのイメージが定着してしまっているが、実際の野人は前述の通り猿人型UMAの特徴を備えている。

 中国には人跡未踏の地も少なくないため、本当の野人が生息している可能性はまだあるかもしれない。

【UMA映像】野人?ビッグフット?エイリアン?アメリカで撮影された不気味な獣人

 

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