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Channel: オカルト評論家 山口敏太郎のUMA図鑑
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【270】〝背中に並ぶ三角のヒレ〟凶暴なアマゾンの未確認生物「ホラディラ」

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三角の背ビレを持つアマゾンの未確認生物「ホラディラ」

 創作の世界に出てくる怪獣の中には、ツノやギザギザした背ビレやトゲを生やしていて、見た目からして恐ろしげなものや、迫力のあるものが多い。それは、例えば伝説に登場する竜やドラゴン、または絶滅してしまった恐竜を造形の参考としているからだと思われる。

 だが、現実にはそこまで派手で装飾過多な生物は極めてまれであるし、未確認生物に関しても同様だ。だが、中には背中に大きなヒレらしきものが並んで生えているという外見をしている未確認生物も存在する。

 そんな未確認生物がアマゾン奥地の湖にすむと言われている「ホラディラ」だ。

 ホラディラはそれまで現地の人々に伝説として知られていた生物だったが、1993年に英国人ジャーナリストが目撃し、撮影に成功して注目を集めた。

 同年8月、ジェレミー・ウェイド氏はアマゾン川支流近郊の湖にボートを浮かべてアマゾンカワイルカの調査を行っていたところ、進行方向の30メートルほど先に突然大きな生物が出現したのを目撃した。背中の一部だけだが、写真に収めることにも成功。その姿は褐色の体に黒い三角のトゲないしは背ビレが並んでいるというもので、巨大な丸ノコギリが水面に一部を出しながら回転しているように見えたという。

 陸に戻ったウェイド氏が現地の人々に自分が見たものを尋ねてみたところ、現地で「地獄の牙」の意味を持つホラディラと呼ばれている生物であったことが判明したのである。

 ホラディラは非常に凶暴な生物であり、現地では守護神とあがめられ、かつては〝いけにえ〟がささげられていたこともあったとされている。

 果たしてホラディラの正体は何なのか。背中の一部の写真から描き起こされたイメージ画像ではステゴサウルスのような姿になることもあるが、ホラディラは基本的に水中で過ごすらしいことと肉食である点が、陸上の草食恐竜であるステゴサウルスとはかなり違う。

 また、ウェイド氏の写真を拡大してよく見てみると、大きな三角の背ビレに並ぶようにして、もう一列の小さなトゲの列が存在しているようにも見える。そこから彼が目撃しカメラに収めたものは大型のワニであり、たまたま身を翻した一瞬だったため、トゲが目立ったのではないかとする説も存在している。

 だが一方でワニがこのように泳ぐだろうか、ワニにしては背中のトゲが発達しすぎているのではないかなどの指摘もあり、正体についての結論は出ないままとなっている。

【関連動画】Jeremy Wade on Traveling | River Monsters – Monster Journeys


【271】米国版「牛打ち坊」か? 長い尻尾で牛を殺す「サンター」

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「サンター・クリーチャー」と呼ばれる怪生物を報じた米国の新聞(1949年1月31日付)

 現在、未確認生物とされている生物の中には、過去に新聞などで報道され、実在が信じられていたものが多い。たとえばこちら(画像)の新聞では、イメージ図とともに奇妙な生物に関する報道がなされている。

 米国の新聞が1949年1月31日付で報道していたもので、ノースカロライナ州西部で1890年代後半から目撃されるようになった「サンター・クリーチャー」と呼ばれる怪生物だという。

 全身は蛍光色の毛皮で覆われており、頭は大きく顔にひだがあり、目は小さい。特徴的なのは長い尻尾で、イメージ図でもまるでサソリの尾のように7〜8つのコブがくっついたようになっているが、ムチのように素早く振るうことができるとされている。そのため、新聞のイメージ図はまるで神話に出てくる人面でサソリの尾、ライオンの体という幻獣の「マンティコア」のようだ。

 サンターについては19世紀末から20世紀初頭まで何度か目撃されたり、被害に遭ったという報告がなされており、森林に潜んで農村部に姿を現しては、牛や豚といった家畜を襲ったという。その際には硬く長い尻尾を振るって昏倒させたり、足などの骨を折って動きを止めさせたそうだ。

 1890年代にノースカロライナ州西部の農村部で、ペットや家畜の奇妙な死亡例が相次いだために調査を行ったところ、奇妙な鳴き声を発する生物が森林に生息しているらしいことが判明。そこから不気味な未確認生物サンターの存在が知られるようになったのだという。

 サンターの鳴き声は人間の赤ん坊に似て甲高く、犬も恐れてしまうような不気味なもので、また非常に動きが素早いため、対策を講じるのが非常に難しいとされていた。

 ノースカロライナ州アイアデル郡のステイツビルで報告されたサンターの害は、牧場で飼われていた子牛が惨殺されたものだった。子牛の体には合計8か所の打撲痕があり、前足は骨折していたという。

 このサンターに近い性質を持つ妖怪は日本にも存在していた。「牛打ち坊」という徳島にいた妖怪がそれで、全身に黒い毛の生えた狐のような姿をしており、わずかな傷をつけたり、時には牛をにらみつけるだけで殺してしまうとされていた。

 こちらは妖怪であり、より超常的な力で牛を殺してしまうことになっているが、昔の人々からすれば、家畜は重要な財産のひとつであった。そんな牛を殺してしまうような生物は脅威の目で見られたに違いない。

 サンターの報告も牛打ち坊の話も、現代では聞かれないものになっているが、いずれも当時の人々が家畜の死について脅威を抱いた心の働きから生まれた怪物だったのかもしれない。

【272】ダイヤモンドを守る?ゾウの頭を持つ大蛇「グローツラング」

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ゾウの頭を持つ大蛇「グローツラング」のイメージ図

 未確認生物の中には、伝説上の生物のように思われていたものや、幻獣のような特徴を持つものも少なくない。以前紹介した「ストーシー」なども現地で「封印された妖怪」として長く語り継がれていたものだった。そんな幻獣のような生物が実際に存在していたというような目撃証言が近年になって出てきたり、時には写真に撮られる事例すら報告されている。伝説と現実の境目に位置しているような生物は今も多いのだ。

 アフリカに生息しているとされる「グローツラング」もその一つといえるだろう。

 南アフリカ共和国北ケープ地方の荒野地帯、リスタフェルトと呼ばれる地域にある洞窟内にすんでいるとされている。非常に巨大で、大蛇の体にゾウに似た頭がついているとも、牙の多いゾウに似た生物で、ヘビのような尾を持っているとも言われている。

 怪力を誇る非常に狂暴な生物で、リスタフェルト地域の砂漠のどこかに存在する「底なしの洞窟」に潜み、ダイヤモンドの鉱脈を守っていると噂されていた。夜行性で、夜になると獲物を誘い寄せ、洞穴の中に引きずり込んで食べるとされている。

 伝説上の生物にも思えるが、実際にこの生物のいる底なしの洞窟に挑んだ探検家が20世紀に存在している。

 特にピーター・グレイソンによる探検が有名で、彼は小隊を率いて場所も定かではない底なしの洞窟を探しに出かけ、ライオンや毒ヘビで仲間を失いながら洞窟にたどり着いた。しかし、彼は一人洞窟の中に進んで行ったきり帰ってくることはなく、グローツラングに食べられてしまったのではないかとささやかれているという。

 洞窟で宝石を守る狂暴な生物ということで、グローツラングの話は欧州のドラゴンにまつわる伝説が下敷きになっているのではないかとみられている。また、生物の外見についてもニシキヘビなどの巨大な生物の話が誇張を含めて伝わった結果ではないかと考えられる。

 しかし、伝説上の存在でしかないと思われていたグローツラングだが、近年の報告で1メートルもの巨大な謎の生物の足跡が発見されたというものがあった。足跡は川の水辺で途切れていたとされており、もしかすると我々の知らない巨大な生物がどこかにすんでいるかもしれないのだ。

【関連動画】Cryptid Dossier File 003 Grootslang

【273】チーズで釣れるおいしい巨大魚!?「ウィッフェンプーフ」

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チーズで釣られた巨大魚

 まずは画像を見てほしい。古い絵ハガキのようだが、そこには非常に巨大な魚を引き上げようとしている人間が捉えられている。添えられた文章によると、米国・ニューヨーク州のコネサス湖での漁の様子を写したもののようだ。だが、魚のサイズは釣り上げた男性を丸のみできるほどの大きさがある。このような魚が存在したのだろうか?

 この魚は「ウィッフェンプーフ」または「ギリ・ガルー・フィッシュ」と呼ばれているもので、20世紀初頭には米国の湖に生息していると考えられていたものだ。

 脂の乗った魚であり、円形の湖に生息していると考えられていた。捕獲は難しく、姿を見かけた場合は湖の中央に移動して、チーズをエサに釣り糸を垂れると捕獲できるという。ウィッフェンプーフが好むチーズはスティルトン、ブルー、リーデルクランツなどの匂いが強めのもので、すぐに食いついてくると伝えられている。

 ウィッフェンプーフはボーイスカウトの訓練によく使われたそうで、釣る時は、まきほどの大きさの木にたくさんのくぎを打ち込んで釣り針の代わりにする。そしてベテランのボーイスカウトと新米のボーイスカウトがともに作業をすることで、良い訓練になるのだという。

 しかし、いくら写真にその姿が捉えられているとしても、このような生物が本当に存在し得るのだろうか。

 確かに美味であり、池の主として大きく育つ巨大魚の未確認生物として我が国の「タキタロウ」が類似の例として挙げられるが、タキタロウは大きいとはいえ、まだ倍数体などの可能性が考えられる現実的な大きさであり、人間を丸のみできるほどの大きさではない。ウィッフェンプーフのサイズは明らかに規格外なのだ。

 実は、このウィッフェンプーフは当時の人々による創作の産物だった可能性が高いと見られているのだ。この連載でも過去に紹介した「ジャッカロープ」や「ティジー・ウィジー」のように、猟師や木こりなどの山で働く人たちの誤認やほら話から生まれたものではないかと考えられている。

 ちなみに「湖や川に巨大魚がいる」という話は米国でもポピュラーなもので、この記事で紹介したものと同様の合成写真は各地で作成されている。

 他にもこの生物は芝居や小説などの創作の世界であたかも実在するかのように紹介されたことがままあり、それは往々にして舞台俳優のアドリブなどであることが多かった。それゆえに当時の人々の想像力をかき立て、実在するかもしれない、少し変わった、でも捕まえられるかもしれない巨大魚として信じられるようになったのかもしれない。

【関連記事】
山形・大鳥池の巨大怪魚「タキタロウ」
江戸川に生息するとされる謎の巨大魚「エディー」
頭部から角が生えたウサギ「ジャッカロープ」
ハリネズミのような妖精「ティジー・ウィジー」

【274】北米大陸に生息していないはずの霊長類が!その名も「デビルモンキー」

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 動物の生息域には地域差があり、我々の住んでいる地域ではごくありふれた生き物が、別の地域では非常に珍しいものだったという事例は少なくない。

 たとえば、日本にいるタヌキは世界的に見ると珍しい生物に当たるし、ニホンザルはサルの生息域としては北限になる。

 逆に、広い北米大陸や欧州に生息していない生物の一つがサル科の生物だ。

 最初の霊長類は中生代白亜紀の終わりごろ(約7000万年前)に北米に発生し、その後、ヨーロッパを経由してアフリカ、アジアへと分布していった。

 ところが、北米大陸では約6000万年前に環境の変化が起き、またヨーロッパでも100万年前に氷河期が起きて霊長類が絶滅してしまうことになる。そのため、未確認生物の「ビッグフット」がもし存在するのならば、それは北米大陸に生息する霊長類でもあるので、非常に珍しいものとなるのだ。

 では、巨大な霊長類ではなく、小型の霊長類であったらどうか。実は北米大陸の米国・アリゾナ州では奇妙な霊長類が目撃されて、たびたび話題になっているのだ。それが今回紹介する未確認生物「デビルモンキー」だ。

 デビルモンキーは約120〜150センチ。大型のヒヒに似ており、非常に俊敏に動くとされている。しかし、尻尾はヒヒと違って短いともいわれている。

 主にアリゾナ州やニューメキシコ州、ユタ州、コロラド州など複数の地域で目撃されており、一番古い記録はテネシー州南部のピッツバーグでの目撃報告だ。1934年、新聞にも掲載された報告によると「フィールドを軽快にカンガルーのように跳びはねていた」という。

 そして1959年、バージニア州ソルトヴィルにて決定的な証言が出てくる。ある一家が山で大きなサルに似た生物に遭遇した。その生物は車を襲って3つの引っかき傷を残したのだ。その2日後、近くに住む2人の看護師が早朝、仕事場からの帰り道で同じような生物に遭遇。この時もコンバーチブルタイプの車の幌(ほろ=風雨や砂ぼこりなどを防ぐために取り付けた覆い)がツメによって裂かれている。

 この後も謎のサルらしき生物の目撃証言はたびたび報告された。1973年にはケンタッキー州アルバニーで「全身が黒く長い尾の巨大なサル」が家畜を殺害。1979年にはジョージア州での目撃報告がある。いずれもビッグフットなどの獣人型UMAよりは小型で機敏であるため、別の未確認生物とみなされているようだ。

 ところで、デビルモンキーの正体は何なのだろうか。前述のとおり、北米大陸には霊長類が生息していないことから、北米大陸に連れてこられた霊長類が何らかの原因で逃げ出し、目撃されたのではないかと考えられる。

 しかし、他の地域に生息している霊長類とは違う点もあり、正体については不明な点が多い。現地の未確認生物研究家も生態について調査を行っており、今後の研究結果が待たれるところである。

【関連動画】Cryptids and Monsters: Devil Monkey

【275】線路を走り列車を追いかけてくる謎の発光体「ライトビーイング」

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列車を追いかけてくる謎の発光体(ユーチューブから)

 毎週、さまざまなUMAを紹介しているこの連載。今回はまずはこちらの動画を見てほしい。

 これは2014年7月26日にロシアのニジニ・ノヴゴロド—イジェフスク間を走る列車から撮影されたものだ。列車の最後尾から撮影されたと思われるもので、動画には猛スピードで流れていく線路の光景が映し出されている。

 だが、その線路の中央に謎の黄色く光る球体のようなものが出現、車両の最後尾に迫ってくる。何度も引き離されるものの、謎の発光体はその後も意思を持つ生物のように再接近を繰り返していく。

 動画を投稿した人物はこれがUFOか何かだと考えていたようだ。どうやらこの路線では何度も同様の発光体が目撃されているようで、2017年にも列車と猛スピードですれ違い、線路のそばで中空に停滞する様子が動画に捉えられている。

 この物体については前述のとおり、UFOという説や第2次世界大戦中の戦闘機に乗っていた人たちが目撃したという謎の発光体「フー・ファイターズ」ではないかとする意見が出てきている。しかし、あまりにも意思を持っているかのような生物的な動きを見せるため、未確認生物の「ライトビーイング」ではないかとする説も出ている。

 ライトビーイングは2000年代ごろから米国を中心に目撃され、動画などに撮影されるようになった存在で、大きさは数十センチ程度と小さいものが多い。大きくても人間と同じ程度がせいぜいだ。姿をはっきりと見ることはできないが、全身が白く光っていて羽のようなものが背中に生えているように見えることが多いため、妖精や天使の姿が捉えられたものではないかとする説も存在するのだ。

 だが、今回の発光体に関しては何らかの意図を感じさせる動きを見せているため、そのような神々しいものではないだろうという話もある。

 なお、正体が何にせよライトビーイングがどのような原理で飛行しているのか、また発光しているのかは不明となっている。

 果たして、ライトビーイングとは何なのだろうか。その正体に迫れるような情報が出てくるのを待ちたいものである。

【関連動画】Strange Beings of Light Chasing Trains in Russia

【276】3年間で19人を襲い食い殺した!?非常に狂暴な「ネスキー」

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ネスキー出現を報じる海外メディア

 未確認生物の代表格といえば、スコットランドのネス湖に生息するといわれている「ネッシー」だろう。首長竜に似たシルエットから古生物の生き残りではないかと考えられており、世界各地の湖で同様の生物が確認されると、ネッシーにあやかった名前がよく付けられたりした。

 そんなネッシーと名前が非常に似ている未確認生物もいる。シベリア地方、ロシアとカザフスタンの国境に近いノボシビルスクのチェイニー湖に生息しているとされる「ネスキー」だ。

 ネスキー自体の存在が明らかになったのは旧ソ連時代だったという。目撃証言によれば、ネッシーのような長い首をしているとも、巨大なヘビのようだったともされている。また、大きなヒレと尾があったとする証言もある。

 ここまではネッシーやその他の湖に出る未確認生物と変わらないが、ネスキーには他の未確認生物とは決定的に違う特徴がある。それは非常に狂暴であり、釣り船を襲って人間を湖の中へ引きずり込むという点だ。

 2000年代に入ってからも被害は出ており、2007年から3年間ほどで19人もの人が行方不明になり、唯一、岸に打ち上げられた死体には巨大な歯で食いちぎられたと思われる痕があったという。

 2010年7月には59歳の男性がネスキーに襲われた。「私は浜辺から約300ヤード(約274メートル)離れた所に彼と一緒にいた」と現場にいた漁師は語る。

「彼は餌の仕掛けに何か大きなものが引っ掛かったため、それを外そうとボートの縁に立った。だがその直後、それは船を転覆させるほどの力で引っ張ってきた。私は彼とともに湖に投げ出され、海岸まで泳いだのですが、彼はそのまま引きずり込まれてしまったのかもしれない」

 この時、行方不明になった漁師の遺体はまだ見つかっていないそうだ。

 チェイニー湖では3年前にも、32歳の男性がボートを転覆させられて行方不明になっている。転覆する瞬間を目撃していた人によれば、湖の波は静かで天気もよく、転覆するような原因はなかったという。

 深さのあるネス湖と異なり、チェイニー湖は深さ23フィート(約7メートル)以下の比較的浅い湖で冬には凍結し、夏は暖かく観光地として人気がある場所でもある。観光客が増えたことが被害の増加につながったのだろうか?

 いずれにせよ、正体も、なぜ人間を襲うのかについても不明なため、地元の人々は専門家による生体調査が必要ではないかと考えているようだ。

【関連記事】Russian fishermen demand an investigation into killer Nesski’s 19 lake deaths in three years(https://www.dailymail.co.uk/news/article-1293955/Russian-fishermen-demand-investigation-killer-Nesski.html)

【277】発見されたミイラは伝説の妖精だった!?インドネシアの「ジェングロッド」

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インドネシアで発見された奇妙なミイラ(ユーチューブから)

 2016年12月5日、インドネシア・北セブル島のホープアイランド総合公園で、村長が木にくくりつけられている奇妙な生物のミイラを発見し、その正体を巡って騒動が起きた。

 問題のミイラは大きさは約10センチほどで全体が黒く、眼窩はくぼみ、肋骨が浮いた形になっている。黒く長い髪を振り乱し、牙をむいた姿は体が小さいといえどもかなり迫力のあるものとなっている。また手には長い爪があったそうだ。

 果たして、このミイラの正体は何だったのか。発見者の村長が呪術師に確認したところ、これはインドネシアの伝説の妖精ジェングロッドであることが判明した。

 騒ぎが大きくなったため、地元の警察署長も「いたずらの可能性が高いが、むやみに怖がったり、いたずらした犯人を捜したりして、パニックにならないように」と声明を出している。

 さて、ジェングロッドとは何だったのか。それはインドネシアの言い伝えに登場する人型の生物で、最大12センチほどの大きさしかないとも、約15〜20センチほどの大きさの「生きたミイラ」であるとも言われている。

 彼らは硬く長い髪をしており、爪が長いという共通した特徴があり、伝説によっては不死の力を得ようとして姿を変えた元人間だとも、吸血鬼だとも言われている。

 このジェングロッドのミイラは1970年代ごろから発見されるようになり、たびたび地元の人々を恐れさせてきた。呪術師らによれば、ジェングロッドはヤギなどの動物や人間の血で飼うことができ、超自然的な儀式で使役することができるという。

 つまり、公園で見つかったものは何者かによってジェングロッドが使役された痕跡だったと考えられるのだそうだ。

 今回は木に縛られた状態で発見されたが、他にも地面の下や屋根の上、巨大な樹木の幹の中から見つかったこともあるという。

 そんな不気味なジェングロッドだが、インドネシアでは発見されるたびにジェングロッドの「標本」の展示会が行われているというのだ。大半がジャワ島とスマトラ島で発見され、超常現象の研究者や好事家の私的なコレクションとして取引され、保管されているのだとか。

 すべての標本が検査されたわけではないが、ジェングロッドのミイラと呼ばれるものの大半は猿などを加工して伝説の妖精に似せて作られたものでしかないという。つまり初めから見せ物にしてお金を稼ぐ目的で作られた可能性が高いというのだ。

 とはいえ、文化的に見ると貴重なものであることは間違いないため、博物館に所蔵されることもある。例えばシャーマン・スルタン・アラム・シャー博物館などでは実際に展示されている標本を確認することもできるのだそうだ。

【関連動画】Heboh Penemuan Jenglot(https://www.youtube.com/watch?v=S9EkcE9fa40


【278】〈最新リポート〉ギリシャの海中洞窟に出現した謎の生物!

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海中洞窟に出現した謎の生物(ユーチューブから)

 毎回、世界のさまざまな未確認生物を紹介していくこの連載だが、今回は近年確認されたばかりの最新UMAについて報告したい。まだ名前さえついておらず、海の未確認生物だから便宜的に「シー・モンスター」としておく。

 2015年10月、ギリシャのケルキラ島(英語ではコルフ島)に観光に訪れていた人物が、謎の生物を目撃。写真を撮影することに成功したのである。

 撮影者は、スコットランドから観光でギリシャを訪れていたハーベイ・ロバートソン氏(52)。彼は家族とともにケルキラ島の海中洞窟を巡るボートクルーズに参加した。美しい海の光景を写真に収めるべく、持参していたカメラで何枚も撮影した後、写真を確認してみると——見慣れない生き物が写り込んでいたことに気が付いたのだという。

 問題の生物は、皮膚が白っぽい灰色で馬のように長い顔と黒くつぶらな目をしているように見える。ウロコのようなものは確認できないため、魚などではないと思われるが、哺乳類と考えても奇妙な姿である。見た目で言えばジュゴンやイルカに似ているのだが、どちらと比較しても頭部が長く曲がっていて、似ていない造形となっている。

 ロバートソン氏は生物については「まったく見当がつかない」と語っており、しかも撮影時にはこのような生物が近くにいたことに気が付かなかったとも証言している。

 写真で見ると、かなり至近距離に生物が存在しているように思われるが、まず撮影をしていた海中洞窟はかなり暗く、フラッシュを切った状態で撮影したのだそうだ。謎の生物が写り込んだワンショットも、洞窟内の海の色を撮影しようとしていたものだったという。

 だとすると、この生物は音も立てず、気配も感じさせることなく近づいてきていたということになる。大型の野生動物で人間のすぐ近くまで寄ってくる習性を見せるものは珍しい。

 この写真に捉えられた謎の生物については専門家が確認したものの、明らかに既知の生物とは異なる特徴を持っている。それなりの大きさがあり、海生哺乳類のように思われるため、奇形のイルカやジュゴンではないかとする説もあるが、同様の固体が発見されたという報告はない。そのため、今も正体については謎に包まれたままなのである。

【関連動画】Mystery of the deep: Tourist baffled by bizarre SEA MONSTER captured on camera in Corfu(https://www.youtube.com/watch?v=wwu0-X41pVs

【279】打ち上げられた死骸は伝説のUMA「ベアレイク・モンスター」なのか

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米国のサイトが報じた「巨大生物の死骸」

 2016年2月、米国・ユタ州ガーデンシティにある湖の岸辺に巨大生物の死骸が漂着した。非常に長い体の生物の腐乱状態の死骸で、いわゆる海に漂着する「グロブスター」と似たようなものであった。しかし、こちらの生物の死骸には、ある程度の肉や皮膚らしきものも残っており、長い顔や首が確認できるとのことだった。

 この死骸を発見した現地の夫婦の証言はこうだ。

「毎日ここを歩いていますが、このような物体は一度も見たことがありませんでした。この死骸の悪臭は約1マイル離れたところからでも嗅ぐことができるほどでした。まるで腐った恐竜の死骸のようだったので、見たものを信じることができませんでした」

 実際、この死骸の正体は分かっておらず、ユタ州の野生生物資源部門に所属するブライアン・アップトン博士ら研究チームが調査を行ったとされている。

 アップトン博士によれば、死骸はワニや大型海洋爬虫類に似ているそうだが、結局、正確なところは判明していないようだ。

 この生物について、現地では「ベアレイク・モンスター」だったのではないかとする話が出てきている。ユタ州とアイダホ州にまたがって存在しているベア湖は広く、古くはネーティブアメリカンの言い伝えにも登場しており、ネーティブアメリカンもこの生物を恐れて湖に近寄らなかったとされている。

 1860年に地元のローカル紙を発行するサウス・エデン社に勤めるジョンソン氏が、ベア湖で謎の生物に遭遇。頭部に耳のような突起があり、体はヘビのように非常に長かったという異形の姿だったという。また、翌日にも別の女性らがこの怪物らしき猛スピードで泳ぐ巨大な生物の影を目撃している。

 その後、目撃頻度は下がったものの「ワニに似た顔をしている」「ヘビのように長い体をしている」「ワニに似た手足が存在している」などの特徴が報告されてきた。

 これらを総合して考えると、ベアレイク・モンスターは古代クジラの一種ではないかと思われるが、何にせよ目撃証言が少なく、判断材料に乏しいところがある。

 この生物の死骸の研究結果が進み、ベアレイク・モンスターの正体に迫ることができることを願ってやまない。

【関連記事】No, this is not the Bear Lake monster; No, it has not washed up in Garden City(https://fox13now.com/2016/02/16/no-this-is-not-the-bear-lake-monster-as-rumor-would-suggest/

【280】17個の卵を発見!?タイ・ピン川にすむ「ピンシー」

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タイのピン川

 未確認生物の代表格といえば、ネス湖の「ネッシー」だろう。ネッシー実在の可能性について考えていくと、どうやって隠れているのか、また限られた湖水でどうやってエサを獲得しているのかに加え、どうやって繁殖して個体数を維持しているのか、という点に行き着く。

 未確認生物が生息しているとされる地域では多くの場合、昔の人々も目撃していると思われる記述や伝承が存在している。さすがに同一個体が何百年も生息し続けているわけはないだろうから、何匹もひそかに生息していて、世代交代を繰り返しているのだろうと思われる。

 しかし、限られた場所にひそかに生息している生物が、次世代を残せるぐらい多く存在しているのか。交尾はどのように行っているのか…生物学的に考えると、かなり大変なことになってしまうのが未確認生物なのである。

 だが、中には子供らしい個体が一緒に確認されたり、卵が発見されたとするケースも存在している。そんな繁殖の可能性を感じさせるものが、タイのピン川に生息しているとされる「ピンシー」だ。

 ピン川はチャオプラヤー川の支流の一つで、もう一つの支流であるナーン川と合流してチャオプラヤー川になる。流れは穏やかで水は濁っている時が多く、そんな川に生息しているとされるため、なかなか姿を確認するのが難しいとされている。

 ピンシーは非常に首が長く、頭部にトサカのような飾りが付いているという非常に特徴的な姿をしている。全体的な印象はネッシーなどを想像していただければ問題ない。

 ピンシーの目撃証言は前述のとおりの環境もあって、あまり頻繁に発生しているわけではないそうだが、その目撃証言の中には「2匹の個体が並んで泳いでいた」というものも存在している。

 また、この生物が目撃されたのと同じ日に、川岸で巨大な卵が複数見つかったとの報告もなされているのだ。この卵はスイカほどもある大きなもので、17個も発見されたという。

 現在知られている中で一番巨大な卵を産む生物といえばダチョウだ。だがこの卵の大きさは、報告が確かであればダチョウをもしのぐものとなる。もし、このような卵を産む生物がいたとしたら、はるか古代に絶滅した巨大な鳥エピオルニスなどであるだろう。

 結局、この卵は最終的にどうなってしまったかは分かっていない。もしかすると壊されたり廃棄されたのかもしれないし、地元の人が食べてしまったのかもしれない。しかし、人々の知らないうちにどこかで孵化していたとしたら…。

 ピンシーはそんな「未確認生物が繁殖している可能性」について考えさせてくれる怪物でもあるのだ。

【281】ケニア高地にすむ〝まだらのライオン〟「マロジー」

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海外メディアが報じた〝まだらのライオン〟「マロジー」

 百獣の王・ライオンといえば立派なタテガミを持つ姿を想像しがちだが、実はその毛皮がまだら模様になっている種類が存在するという話がある。

 そんな「まだらのライオン」は通称「マロジー」といい、アフリカの原住民の間で話題になっている。その存在が知られた20世紀初頭から、たびたび調査が行われ、存在の裏付けとなる様々な証拠もまた発見されるに至ったものだ。

 まだらのライオンことマロジーの目撃証言は1904年には報告されていたそうだが、ヨーロッパ人による最初の報告は31年になる。ケニアの農民マイケル・トレント氏はアバーディア山脈の高地で2人を殺害した小柄なライオンの成獣を目撃。ナイロビの研究チームに報告した。そのライオンの特徴は毛皮が白っぽく、斑点の模様があったという。ライオンは幼い時は白い毛が多く、毛皮に斑点模様が存在しているため、この時は成長しかかったライオンの子ではないかと考えられている。

 その2年後、探検家のケネス・ガンダー・ドロワー氏はこのライオンの話を聞きつけ、より多くの標本を求めてこの地域へと探検に向かった。その結果、トレント氏と同じくアバーディア山脈の高地で3組のマロジーの足跡を発見。水牛を捕獲するため、群れを追跡している個体によって残されたものと考えられ、マロジーが単なる子供のライオンである可能性が低くなった。

 ドロワー氏は原住民にも調査し、彼らが長い間、ライオンやヒョウとも異なる個体が存在していることを把握し、区別して呼んでいることを突き止めた。なお、ケニアではマロジーと呼ばれているまだらのライオンは、ウガンダの「ンタララゴ」、ルワンダの「イキミジ」、エチオピアの「アバサンボ」など、他の地域でも区別して呼ばれていたことが判明している。

 その後、ドロワー氏は自著「ザ・スポッテッド・ライオン」でマロジーについて報告。他にもR・I・ポコック氏はトレント氏が収集したマロジーの皮膚と頭蓋骨を調査するなど、多くの研究者がまだらのライオンの生存説について調査を行った。その結果、フンや足跡、頭蓋骨や毛皮などが得られたものの、結局それらの標本は「ヒョウとライオンの自然交雑個体」だった可能性が高いとみられている。

 以前、日本でも70年代に動物園で人為的に交雑させたヒョウとライオンの間の子「レオポン」が人気になったが、こちらは人為的なもので一代限りのものとされていた。今回のマロジーも同様のものと考えられているが、一方で実際につがいのまだらのライオンが目撃され、逃げ出す様子が確認されている。

 マロジーの実在性は今でも高いとする見方もある。今もケニアの高地に潜んでいるのだろうか。

【282】ネス湖に近いシール湖の未確認生物「シーラグ」はネッシーなのか

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シール湖の未確認生物

 未確認生物の代表格といえば、やはり英国・スコットランドのネス湖にすむと言われている「ネッシー」だろう。長い首をした湖にすむ生物という姿は未確認生物の代名詞にもなり、湖で謎の生物が出た際にはネッシーを踏まえた名前が付けられたりもした。

 さて、スコットランドにはネッシーと似た怪物がすまうという伝説のある湖が複数存在している。今回紹介するシール湖もその一つだ。映画「ハリー・ポッター」シリーズの撮影場所にもなったこの湖には昔から「シーラグ」と呼ばれる未確認生物がすんでいるとされている。

 その目撃証言はかなり古く、1800年代後半からたびたび目撃報告はあったという。残念ながら1990年からは目撃報告が途絶えているようだが、比較的長い間目撃され続けていたUMAであるといえよう。

 残念ながら姿が写真や動画に捉えられたことはないそうだが、全身はかなり大きく、泳ぐ速度も速く、背中に3つほどのコブがあるという。また、最大4匹の個体が一度に目撃されたという証言などから、複数個体が存在している可能性が高いとされている。

 近年の目撃証言が乏しいのが残念なことだが、ここで気になる情報がある。

 このシール湖の近くには複数の湖が存在しており、その中にモラー湖が存在する。実はこの湖、以前、当欄のUMA図鑑でも紹介した「モラーグ」という未確認生物が存在する湖なのだ。

 モラー湖の方が目撃例は多いが、モラーグもネス湖のネッシーと酷似した姿であると言われているため、一説にはネッシーとモラーグは同一の生物ではないかとされている。

 また、ネス湖とモラー湖は60キロ程度しか離れておらず、またネス湖の水深が非常に深いため、周囲に複数存在する湖と地下でつながっているのではないかとする説がある。

 そして、周囲の湖を経由して近くの湾から外洋に出て、繁殖など限られた時期にだけネス湖に戻ってきているのではないか、とする説が存在している。

 シール湖とモラー湖の距離は非常に近く、ネス湖とも60〜70キロ程度とそう離れてはいない。つまり、モラーグ=ネッシーであるという説を取ると、シーラグもネス湖から移動してきたネッシーだった可能性も捨てきれないのだ。

 ここで思い出してほしいのは、シーラグが「複数個体いる」と言われている点である。もしシーラグ=ネッシーだった場合、ネッシーはつがい、ないしは子供と一緒に行動していたとも考えられるのだ。ネッシーがネス湖やその他の湖、ないしは外洋で繁殖し、代替わりしていたとなれば、目撃証言が現在まで絶えず報告されている理由にも説明がつく。

 果たしてネス湖のネッシーや近隣の湖にすむ未確認生物たちは実在し、繁殖しているのか。その結論が出る日が来てほしいものである。

【283】樹上に潜み人を襲う妖怪「ササボンサム」は実在していた!?

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翼竜型未確認生物の目撃証言は減っている

 未確認生物の中には、現地で長らく妖怪として考えられていたものや、妖怪と同じ名称のものも多い。日本では「河童」などが該当するだろう。

 アフリカのガーナやトーゴに伝わる吸血鬼に「アサボンサム」や「ササボンサム」という名前のものが存在する。

 アサボンサムは木の上に潜んでおり、フックのように曲がった脚を持っていて、下を通りかかる人を引っ掛けて釣り上げ、鉄のように鋭い歯でかみ付いて血を吸うのだという。これは水木しげる氏も著作の中で「南方妖怪」のひとりとして紹介しており、民芸品をモデルにした顔は、突き出た舌と独特の配色が非常に印象的なものであった。なお、水木氏は著作でアササボンサンという名前で紹介しており、昭和の子供向け妖怪図鑑の記述を比較すると生息地域や名称にぶれがあったりする。

 この吸血鬼に近い存在として、ササボンサムという妖怪がいる。こちらも木に隠れて人を襲うが、姿は人間よりもコウモリに似ているそうだ。顔は人間に似ているが、非常にやせた姿をしていて常に飢えており、人間を襲っては血を吸うのだそうだ。

 いずれも地域に昔から根づいた吸血鬼で、ガーナのアシャンティ洞窟にはその姿を記した壁画も存在するというが、なんとこの妖怪が実際に目撃されたという情報が出ている。

 1928年、人間のような顔をした1・5メートルほどの体の生物が出現。頭には小さなツノ、あごひげが確認され、体は白黒のまだら模様で、広げると6メートルにもなる巨大な翼が短い腕についていたという。

 地元の人々はササボンサムが出現したと騒いだそうだ。この話を聞いたベルギーの動物学者、ベルナール・ユーベルマン氏は、生物の特徴からアフリカ諸国で確認される翼竜に似た特徴を持つ未確認生物「コンガマトー」や「オリテアオ」と同様の生物なのではないかと考えた。また、同一の生物だが地方によって呼び方が違うのではないかとする仮説も挙げている。

 現在ではササボンサムをはじめとする翼竜型未確認生物の目撃証言も減っているそうだが、また目撃証言が復活するのではないかとも考えられている。

【284】メキシコに漂着した「クチバシを持つ謎の巨大生物」

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メキシコに漂着した謎の巨大生物

 この連載では多くの未確認生物を紹介しているが、未確認生物の中には「死骸」が確認されているものが少なからず存在している。

 カナダの「キャディ」や南米の「トランコ」、米国の「モントーク・モンスター」などがそうだ。キャディとトランコは活動している様子も目撃されているが、モントーク・モンスターは生きていた時の様子は確認されていない。そのため、新種の生き物の死骸ではないかということで、当時、非常に話題になった。ただ、現在ではアライグマの死骸だったのではないかという結論が出ている。

 死骸だけが確認されており、なおかつ既知の生物とかけ離れた外見的特徴を持っていた未確認生物の事例としては、メキシコに漂着した「クチバシを持つ謎の巨大生物」が挙げられる。

 こちらは1969年にテコルタに打ち上げられたもの。白黒写真だが、そのスケールは周囲にいる水夫や見物客らしき人々の大きさと比較しても相当なものであることが分かる。太い首に三角形の頭、ギョロリとした目と、頭部にはタテガミないしはヒレのようなものがあることが確認できる。

 だが、何よりこの生物を特徴付けているのはその鋭くとがったクチバシだ。インコなどの鳥や亀のクチバシを思わせる、先に行くにしたがって下の方に湾曲して鋭くなっている短いものだ。

 ちなみにこの生物はクチバシの部分だけで3メートル、重さは1トンに至ったという。死骸全体では35トンもある非常に巨大なもので、写真のように港に引き揚げるのは相当大変であったであろうことは想像に難くない。

 果たして、このような姿の生物が存在するのだろうか。

 実際、当時でもこの生物の正体について専門家による調査・研究が行われ、大きさからナガスクジラではないかと思われたようだ。しかし、さまざまな海洋生物と照らし合わせてみても、巨大なクチバシの存在が問題となって、正体解明には至らなかったようだ。

 現代でもこの生物の特徴が該当するような生物は確認できておらず、結局この生物の正体は不明のままとなっている。

 広い海のどこかで、巨大なクチバシを持つ未確認生物が今も活動しているのだろうか。


【285】パラグアイ在住の女性が人型UMA「ポンベロ」の子供を妊娠&出産

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ユーチューブで公開されている「ポンベロ」

 南米パラグアイには妖怪のような奇妙な未確認生物が生息していると言われている。その名は「ポンベロ」。全身が毛むくじゃらで、身長は1メートルほどと小柄。森の中に潜んでおり、夜の森に入り込んだ女性の後を追って襲うとされている。

 もともとは先住民族の言い伝えの中に登場する妖怪で、名前は「夜の男」を意味するという。

 伝説によれば姿を消すことや化けることができ、鍵穴さえも通り抜けて人家に入りこみ、女性を襲って妊娠させてしまうとされていた。また、夜行性の鳥の鳴き声をマネしたり、人間の口笛や動物の遠吠えなどに似た声を出して人の目を欺き、悟られずに近寄ることができるのだという。

 一方で、たばこやハチミツなどの捧げものを家の後ろに置いておくと、家や家畜、荷馬車などを守ってくれたり、お返しに果物や卵をくれるともされていた。このあたりはなるほど、昔の妖怪を思わせるものとなっている。

 このように昔から現地に伝わっている妖怪だったのだが、現代でも同様の生物が目撃されたり、中には実際に女性がポンベロらしき生物に襲われるという被害も報告されており、実在するのではないかとされるようになったのだそうだ。

 近年でもパラグアイ在住のある女性がポンベロに森で目をつけられ、家に入り込まれて妊娠するという事件が報告された。女性はその後、子供を出産。女性の夫は当初、妻の浮気を疑っていたそうだが、生まれてきた子供は一見して人間とは違う見た目のものであったという。体長は25センチ程度。額には突起があり、非常に不気味なものであった。この小さな赤ちゃんは生まれてほどなくして亡くなってしまったそうだ。たとえポンベロの子であったとしても不幸なことには変わりないとして、夫婦はこの子供の葬儀を行い、毎日お墓に祈りを捧げているという。

 この「人間とポンベロとの間に子供が生まれた」というニュースは2015年4月にパラグアイで報道された。

 未確認生物の中には人間を襲うとするものも存在している。中国の「野人」、マレーシアの「オラン・ミニャク」、タンザニアの「ポポバワ」など、いくつか報告例があるが、実際に妊娠・出産のケースが報告された事例は非常に珍しい。それもあってか、現地でもニュースとして取り上げられて話題になったようだ。

 他にもポンベロ自体の姿を捉えたとする動画も存在しており、現地の人々にはなじみ深い妖怪であり未確認生物のようだ。

【関連動画】
El Pombero (Leyenda y Videos Reales ) https://www.youtube.com/watch?v=9-w4hySazpo
Mujer asegura que dio a luz al hijo del “pombero” 08-04-15 https://www.youtube.com/watch?v=lGNBquudQt4

【286】日本の竜がスペインの浜辺に?「アンダルシアのドラゴン」

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ルイ・マレー海岸に漂着した謎の生物の死骸(ユーチューブから)

 日本などアジア諸国でドラゴンといえば、2本のツノに長い蛇体の竜が伝統的な姿として広く知られているところだ。だが、未確認生物としては欧州のドラゴンよりは目撃例が少ないものでもある。もっとも、ドラゴンの事例もCG動画を本物であるとしている可能性が高いが…。

 そんなアジアの幻獣「竜」そのものと言うべき謎の生物の死骸がスペインに漂着して騒動になったことがある。

 場所はスペイン南部アンダルシア州ビジャリスコのルイ・マレー海岸。2013年8月15日に海岸を散歩していた女性が巨大な生物の死骸らしきものが漂着しているのを発見した。「アンダルシアのドラゴン」だ。

 死骸の大きさは約4メートル、巨大なヘビのような体をしており、腹部にはヒレがあった。全体は白く、グロブスター(海岸に漂着する謎の肉塊)に似た形だったとも言える。

 しかし、何より目を引くのが死骸の頭部だ。頭部からは40〜50センチほどの大きさがある2本のツノが生えていたのだ。形状は水牛のツノのようで、分析の結果、骨という結論が出ている。

 この生物の死骸については、その見た目から首長竜などの絶滅した水生爬虫類という説が出ていた。それ以外にもリュウグウノツカイなどの深海魚、サメの突然変異体説も出てきている。

 事件発生当時、この未確認生物について東スポは複数の専門家や海洋生物学者のコメントを引用する形の記事を掲載。「ツノのように見えるものは、魚類の胸ビレを支える肩甲烏口骨(けんこううこうこつ=人間の肩甲骨に該当する骨)ではないか」や「リュウグウノツカイの頭部に存在する長い背びれの根元がツノのように見えただけではないか」といった意見が紹介された。

 いずれにせよ巨大な「ツノ」の説明がつかず、謎のままとなっているこのUMA。もし、本当に「頭部にツノを持つ未知の生物」が存在したとするならば、昔の人々はこの生物を見て竜の姿を夢想していたことになるのではないだろうか。

 なお、発見当時は白い竜のように見えるため、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」に出てきたハクが竜に変じた時の姿のようだ、とする声も上がっていたようだ。

【関連動画】Strange horned sea monster washes ashore in Spain
https://www.youtube.com/watch?v=bjKEjCL61hU

【関連記事】スペインに漂着したツノ怪獣の正体

【287】体長1メートルを超える巨大ナメクジ!?アフリカに生息する「ムリロ」

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アフリカに生息する「ムリロ」(ユーチューブから)

 未確認生物というと「ネッシー」のような恐竜や古代生物の生き残りのような見た目のものや「ビッグフット」のような獣人を思い浮かべる人が多いかもしれない。

 しかし、中には非常に気持ち悪い外見や嫌いな人は卒倒ものの外見をしているとされるものも存在している。有名どころだと「モンゴリアン・デスワーム」や「ミニョコン」あたりが該当するだろうか。

 いずれも巨大なイモムシやミミズといった外見をしているとされているので、虫が苦手な人は可能なら出会いたくない未確認生物と言えるかもしれない。

 今回紹介するのもそんな〝気持ち悪い系〟の未確認生物「ムリロ」だ。外見を単刀直入に言うと超巨大なナメクジ。全身は黒く、体長は1・2メートル程度。他の未確認生物と比較すれば小さいかもしれないが、それでもナメクジと考えると相当な大きさとなる。

 実はモンゴリアン・デスワームやミニョコンもムリロと同じく、他の未確認生物と比較するとさほど大きい方ではない。というのも、いずれも軟体生物であるため、あまりに大きい体になると殻も甲羅も持たない生物は自重を支えるのが困難になるからだ。

 実際、巨大なナメクジは実在しているのだが、世界最大級のナメクジであるアッシー・グレイ・スラッグも約30センチ程度であるという。水を含むともう少し膨れることもあるそうだが、それでも1メートルに届こうというものはないとみていいようだ。

 そのためか、ムリロは巨体を維持するために基本的に水中に生息しているとされている。アフリカの高い気温や乾燥から逃れるためかもしれないが、普段は水の中に潜んでいて、時折姿を現すのだそうだ。

 そこで考えられたのが、ムリロの正体はナメクジではなくヒルだったのではないか、というものだ。どっちにしろ気持ち悪い生き物じゃないか、というツッコミもあるかもしれないが、ヒルは水中の生活に適応しており、前述のナメクジより巨大な個体も存在している。

 世界最大のヒル「ジャイアント・アマゾン・リーチ」はアマゾン川などに生息しており、50センチもの大きさまで成長するという。だとすると、ムリロも巨大に成長するヒルなのかもしれない。

【関連動画】Ashy Gray Slug – Limax – Svartur snigill – Gardsnigill – Lindyr
https://www.youtube.com/watch?v=ZaBurX7NJM4

【288】中世の絵に描かれた海の怪物「牙クジラ」は実在していたのか?

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正体不明の巨大生物のイメージ図

 中世の欧州地図や図版を見ると、海にまるで怪物のようにしか見えない巨大な生物が出てくることがある。頭のツノから水を吹き出し、牙のある口で船を襲う姿も見せる。この生物の姿からは「ドラゴン」や「クラーケン」など、海に出てくる怪物が思い出される。だが、これは我々もよく知る生物、クジラを描いたものなのだ。

 陸上生物よりはるかに巨大に成長するクジラは当時、なかなか生態がつかめなかったようで、このような怪物的なクジラの絵はかなり長い間、文献などで確認することができる。水が出たツノは潮吹きの原理が分かっていなかったことからそう描いたのだろう。口からはみ出た牙は、ヒゲやハクジラの描写を誇張したものと思われている。

 だが、このように巨大な牙を持つ「牙クジラ」が実際に確認されたことがある。1948年夏、アフリカはアルジェリアのオラン港でのこと。この時はフランス艦隊が寄港しており、フランス海軍の軍人らがこの地を訪れていた。長い駐留期間には休暇もあり、部隊の中佐が休暇期間中に家族を連れてヨットで近くのミューズ島に向かった。

 するとそこで「口から巨大な牙を2本生やした」未知のクジラと遭遇したのだ。そして1週間後、現地の漁師の船が同じクジラと思われる生物と接触し、転覆させられる事態が発生。危険性を重く見た軍は、潜水兵の連隊による調査を行わせた。しかし、この時はクジラは全く姿を現さなかったという。

 それから1か月後、別の海域で潜水兵らが障害物除去訓練を行っていたところ、再び謎のクジラが接近。部隊は潜水兵を避難させ、艦隊から銃撃してクジラを仕留めることに成功したという。

 問題のクジラはその後、オラン港に水揚げされたが、既存のクジラや海に生息する生物とは全く違うものだった。

 体長は13・5メートル。サメに近い円錐形の頭部に前足のように発達したヒレ。頭部の脇には毛のようなものが生えており、体にはフジツボなどが確認できたことから、かなり長い年月を生きてきた個体であることが推測できたという。

 果たして、この生物の正体は何だったのか。牙の生えた生物といえばイッカクやセイウチが出てくるが、それらのいずれとも違う姿だったという。

 今でもこの生物の正体は判明していない。

 もしかすると中世の人々が書き記した怪物じみたクジラは本当に生息していたのかもしれない。

【289】新種の生物の可能性大?凶暴な巨大ネコ科生物「ムングワ」

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写真は雪ヒョウ

 本連載で何度か紹介しているが、アフリカの未確認生物は伝説上の生物のような荒唐無稽な特徴を兼ね備えるものと、いまだ知られていない新種の生物である可能性を秘めたものとの2種類に分かれているようだ。

 今回紹介するUMA「ムングワ」は後者である。ざっくり言ってしまえば〝大きなネコ〟なのだが、ペットのネコやヤマネコ、ネコ科の生物と違ってはるかに体が大きいのだ。大きさはロバほどもあり、全身を灰色の毛皮に覆われていて、足跡はヒョウに似ているが、ライオンのものよりも大きいという。

 アフリカの原住民の間では、古くから存在が知られており、ヒョウやチーターのようなネコ系の動物に似ているものの、前述の通り、既存の生物とはまったく違う特徴を兼ね備えている生物である。

 ムングワは非常に好戦的であり、敏しょうさは半端ではない。夜になると家畜や人間を襲い、鋭いツメと鋭いキバで殺して食べてしまうと言われている。

 1922年には、このムングワに複数の人間が襲われた事件が報告されている。タンザニア西端にあるタンガニーカ湖の近くにあるリンジ村で、夜間パトロールで外を巡回していた警官が巨大な獣に殺されるという事件が発生。うち1人は手に長い灰色の毛をつかんだままだったという。

 さらに別の警察官が襲われた時にはヒョウ柄の大きなネコ科の生物が襲いかかっていたという証言も存在している。

 このように、ムングワは比較的昔から近年に至るまで目撃されている未確認生物でもある。また、体の特徴がサバンナに生息しているネコ科の動物とも似通った点が見受けられるため、やはりいまだ知られていない大型のネコ科の生物ではないかとも言われている。

 一方で、ヒョウやライオンの見間違いである説も出てきているが、毛や足跡という物証も存在しているため、全てが誤認であったとするのも難しいようだ。

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