Quantcast
Channel: オカルト評論家 山口敏太郎のUMA図鑑
Viewing all 314 articles
Browse latest View live

【120】衝撃カッパ写真の真相!屋久島のカッパの意外な正体と経緯

0
0

これが「河童」写真

 8月21日発行(22日付)の東スポに衝撃の写真が掲載された。それは屋久島の大川の滝で子供たちが記念撮影をしたところ、背後に「カッパ」が写り込んでいたものだった。

 水辺ということでカッパである可能性は大いに考えられ、龍神伝説が語り継がれる滝であること、ユネスコ世界自然遺産に登録されるほどの自然の宝庫であること、桜島の大噴火と何か関係があるのではなど、情報が多く、さまざまな臆測が飛んだ。

 特に最近の日本は気候が変化して大雨が多い。全体的に湿度が上がり、以前よりもカッパの生息範囲が広がって人間の生活範囲に出現する可能性も考えられた。

 このカッパはキュウリのようなものを右手に持っており、遠目ではあるものの頭部は皿、口元はクチバシ、背中は甲羅、それぞれの形状が伝承されているカッパの姿に見えなくもないため日本国中が注目することとなった。

 しかし、ここにきて意外な真相が判明し、この議論に終止符を打つことになった。

 この画像の提供者は漫画家の佐々木彩乃さんで、彼女のおいっこが屋久島に遊びに行ったときのものだ。同行していたおいっこの友達のお父さんが記念撮影をしたのだ。

 その画像を見たおいっこは後から「心霊写真を撮った」と佐々木さんにメールを送ってきた。当然、観光地なので人も多いだろうという懸念から、佐々木さんも「人間ではないか」と聞いたところ、「もう1枚撮った写真には写り込んでいない」とのことで、その場でも大騒ぎになったそうだ。

 ところが、この“カッパの正体”はすでに撮影者に申し出ていたのだ。

 時間の流れで説明すると次のようになる。

 せっかくの観光地であるため、大川の滝の前で記念撮影をしようということになり、子供たちを集合させて、大人が写真を撮ることになった。この時点で遠目に何か存在していたとしても気になる人は多くないだろうし、わざわざどいてもらう必要もない。

 そしてその“存在”は気づいたのだ。人の集団が記念撮影をしていることに。この写真からも“カッパらしき存在”がこちらの方を向いているように見えるだろう。前述の通り、次の写真を撮った時にはもうこの場所には人影はなかったのだ。

 記念撮影が終わってすぐ、撮影者であるお父さんにひとりの男性が話しかけてきた。

「写り込んでしまってすみませんね」と。

 この付近にたまたまいた、おじさん(人間)が記念撮影しているのに気がついて、すぐに場所をどいて謝ってきていたのだ。

 おじさんは滝のすぐ近くに腰をかけてスマホをいじっていたところ、子供たちの声に気づき、記念撮影している方を振り向いた。せっかくの景観を撮っているところなのに、邪魔してはいけないと、退散して撮影者にひとこと声をかけた、というわけだ。

 ひょっとしたら2人の男性が話している時に子供たちは写真を見て、騒然となっていたのかもしれない。ただ、シャッターを押したお父さんはそんなことは知らず、人がただ写り込んでいただけのことなのでさほど気にせずにいた。「子供たちに伝えるほどのことでもないだろう」と思っていたのかもしれない。

 ところが、この画像は佐々木さんのおいっこが学校の友達に見せたところ話題となって佐々木さんに相談、そして東スポに掲載される運びとなったのである。

 後から話題になっていることを知った撮影者は自分の子供に説明し、今回の真相が我々のところまで伝わってきた。

 キュウリに見えたものはスマホで、座り込んだ姿勢がたまたま背中を甲羅のように見せた。これが屋久島のカッパの正体であった。

 今回の写真は、カッパに見えるおっさんが正体だったが、次はおっさんに見えるカッパの写真でも投稿されないものだろうか。

■関連動画■Waterfall Relaxation [大川の滝/屋久島]

Click here to view the embedded video.


【121】怪物ではなく海の中にすむ司教「ビショップフィッシュ」

0
0

ビショップフィッシュ

 海は地表の約7割を占める。陸上で生活する我々人間にとって、そこは未知の領域である部分がまだ多く、すべての生命を把握できているとは言いがたい。海、水中にすむ生物は陸上のものとはまた違った形状や生態を見せ、我々を驚かせてくれる。それゆえ、数々の未確認生物をいまだに輩出し、モンスターとして畏怖の念を抱かせてきた歴史があった。

 今回紹介する未確認生物は畏怖の念や畏敬の念とは少し違うが、“聖なる”尊敬を集める存在が海の中にいるのではないかという話である。

「ビショップフィッシュ」または「シーモンク」「シービショップ」と呼ばれる存在をご存じだろうか? 直訳した通り、「司教の魚」「海の修道士」を意味している。中世ヨーロッパでは海の中にも人間としての僧侶がいると考えられていたようで、怪物のようなものではないのかもしれない。

 それぞれがまったく違う存在なのか地域による差なのかははっきりしていないが、似通った生命体が様々な角度で捉えられているという点では実在の可能性が高いとも考えられる。では、どのようにしてビショップフィッシュは人々に認識、発見されてきたのだろうか。

 時は15世紀、ヨーロッパは大航海時代に入り、海という困難を乗り越えながら世界中に進出した。科学の発達によって交易が広がり、異文化交流も発展だけでなく、知識の探求によって常識が覆されていった時代でもある。多くの人が海に対して未知の世界へ恐怖心と探究心を持っていただろう。

 余談ではあるが、地表は平らで世界の端は海の水が流れ落ちていくとされる地球平面説と言われる見解は、中世ヨーロッパではあまり信じられていなかったらしい。それでもこの世界がどのような形をしているのかは把握されていなかった時代である。

 もとは民話の中などで語り継がれる存在で、魚としては大きな体は人間と同じサイズ。形状は魚のようだが、尾びれにあたる部分が人間の足のようで二足歩行も可能。胸びれは発達して人間の手のようになっており、カギヅメのような指を持つ。頭部は司教の冠のように円すい状であったり僧侶らしい頭だったりもする。体表がうろこで覆われているというのはだいたい共通している見解のようだ。

 ビショップフィッシュが海で泳ぐ姿が15世紀中ごろには書物に描かれているという話もある。

 海にすむ人型の未確認生物といえば、人魚を想像する人が多いと思われるが、人魚は割と陸上の人間に害をなす存在として知られている。美しい歌声で船乗りをおびき寄せて船を難破させることで有名だ。日本の妖怪では海坊主がいる。海坊主もまた船を破壊する存在だ。これらも海への畏敬の念が生んだイメージなのではないかと言われている。

 しかし、ビショップフィッシュには特に怖いエピソードはない。

 スイスの博物学者コンラート・ゲスナーの著した「動物誌」(全5巻=1551〜1558年)には修道服を着た魚のような生物がドイツ〜ポーランド付近の岸に打ち上げられたという記述があるそうだ。

 ちなみに「動物誌」は近代動物学の礎となったとも言われ、南方熊楠にも大きな影響を与えている。

 人間に発見されたビショップフィッシュは王に献上された、「逃がしてほしい」とジェスチャーで伝えた、海に返してもらった時にカギヅメで十字を切った、食べ物を与えようとしたが断って死んだ、などの逸話がある。

 ビショップフィッシュの正体は人魚におけるジュゴンのように、当時は未知であった海洋生物の誤認だとも推測されている。人々に語り継がれる間に、または文献になった挿絵によって尾びれがついたりして、目撃情報の面白い部分が膨らんだのかもしれない。そのため、まだはっきりとした正体は解明されておらず、未確認生物のままだ。

 世界中にはまだ知らないことは山のようにあり、そこに対して人間は自分なりの想像力を働かせて少しずつでも理解を深めていくのである。これから新たな海洋生物の研究が進み、ビショップフィッシュの正体が判明する時がくる可能性もあるのだ。

■関連動画■Cryptids and Monsters: Mix-Tape Vol. 4, The Bishop Fish & The Sea Monk

Click here to view the embedded video.

【122】起源は古代ローマ? 漁師たちの守り神「ジェニー・ハニバー」

0
0

ジェニー・ハニバー

「ジェニー・ハニバー」…名前になじみがなくても画像を見たことがある人は多いのではないだろうか。クシャッとした顔でにらみつけるような表情をしているため、一見怖そうだが、漁師たちの間では守り神として有名な海のUMAである。

 手足のように見えるヒレがついている場合が多いが、二足歩行をするだけの強度を持っているようには見えない。水中を泳ぐ生物と見て間違いないだろう。

 海のUMAは人間の海への恐怖心や畏怖の念、または実際の水難事故が投影されているのか、漁師や船乗りに対して不吉なことを及ぼすものが多い。しかし、このジェニー・ハニバーは特に人間に危害を加えたという事例はないようだ。見た目に反して印象のいいUMAだ。

 ジェニー・ハニバーは死体で数多く見つかっているが、生きた姿は目撃されていない。奇妙な姿のうえ、生体が謎に包まれているため多くの貴族や研究者たちの関心を引いた。

 研究の記録をさかのぼると、なんと古代ローマにたどりつく。歴史あるUMAなのである。政治家でありながら博物学者だったプリニウスは、自然について全37巻の「博物誌」を著している。天文学や地理学、鉱物、芸術建築などについて書かれ、動物という項目もあった。その中には現在では非科学的といわれるような存在も記されていたのだ。

 ジェニー・ハニバーのような存在についても記述があり、「海のドラゴンは捕らえられて砂地に放られると、まったく見事な速さで、鼻づらを使って穴を掘る」と紹介されている。

 中世ヨーロッパでもジェニー・ハニバーの研究は続いたが、「エイの仲間なのではないか」との推測はされていたのだ、生きている状態での捕獲は現在でも実現しておらず、プリニウスの記述以上の成果は得られていない。

 実際に死体がよく入手されたというのは、ガンギエイや、その仲間を加工してお土産として売っていたからである。そして、その一大生産地は我が国、日本である。国内ではまだ生産地域が残っているそうだ。

 そして、この写真は山口敏太郎タートルカンパニーに所蔵してあるジェニー・ハニバーの標本である。

 攻撃性を表しているかのように頭部はとがっていて、目はつり上がり、真一文字に食いしばったような口、胴体の側部には薄い皮膜の翼のようなヒレが生え、骨が胸部に浮かび上がっている。怪物、もしくは宇宙人といったような外見で、一般的なジェニー・ハニバーの干物と比べると体に厚みがあって全長も60センチほどと、やや長めだ。

 古代ローマの時代から人を引きつけ続けているジェニー・ハニバー。この標本は、お台場のデックス東京ビーチで営業している「山口敏太郎の妖怪博物館」に展示されている。ぜひ、この強烈なビジュアルを間近でご覧いただきたい。

 

■関連動画■Medieval Devil Fish Legend: Jenny Haniver

Click here to view the embedded video.

【123】関西の水族館に現れた「猫人間」の恐怖

0
0

鷹信夫氏が撮影した猫のような不思議な人物

 人間の体に動物の頭部を持つUMAがいる。「ヤギ男」「シャギー」「ピッグマン」「ドッグマン」「スレンダーマン」「フラッシュマン」など主に米国に生息している。これら怪人系UMAを筆者は、仮面ライダーと戦ったショッカー怪人になぞらえている。

 このような怪人系UMAはここ10年、わが国でも現れている。たとえば「シャドーマン」「ゴム人間」「八尺さま」「時空のおじさん」「小さいおじさん」などがその代表例である。今回は関西に現れた「猫人間」を紹介しよう。

 この怪人系UMAは、猫の頭部に人間の体を持っている。実は以前、筆者はある本で岡山県の街角に出た猫人間の目撃情報を読んだことがあった。そのときの印象は、これ、UMAではなく「人面犬」や「人面魚」と同じく都市伝説の類いではないかと思っていた。

 ところが2014年の春、筆者の友人で前世カウンセラーの鷹信夫氏が関西のある水族館で奇妙な写真を撮影したのである。

 写真をよく見ていただきたい。まるで猫のような不思議な人物が写りこんでいるのがご確認いただけるだろうか。頭部には猫のような耳があり、体は小柄な人間である。これこそまさしく猫人間ではないか。

 周りの人間に気づかれないように、差し足忍び足で歩いているかのような足取りが怪しい。まさに猫だけに水族館の魚を狙いにきたというのか。

 撮影した鷹信夫氏はこの写真を見た瞬間「猫のような怪人がいる!」と驚愕したらしい。ちなみに筆者の事務所の作家である中沢健はこの写真を猫人間ではなく「リアルミッキーマウス」と判断し、何度かラジオやテレビで紹介した。

 そもそも、猫人間とはその名の通り、現代妖怪の一種であり、猫の頭を持ち、顔は三毛猫、背丈は140センチほどで、背広を羽織ったヒューマノイドタイプの怪人であった。この情報は筆者の著書「現代妖怪図鑑」でも紹介している。

 また、猫人間ならぬ「化け猫」の情報は古くからあり、「鍋島猫騒動」「岡崎猫騒動」「有馬猫騒動」など化け猫騒動を筆頭に多くの猫伝説が語られている。中でも「化物一代記」という江戸時代の書物には“江戸期の猫人間”とも解釈できる「化猫遊女」が描かれており、大変興味深い。

 しかし、この写真には怪しい点もいくつかある。猫人間の後ろに立っている白いシャツを着た人間が背負っているリュックが猫の顔に見えてしまっている錯覚写真なのだろうかという説である。

 仮に猫の頭部が錯覚写真としても不思議な点は残る。体の部分にあたる人間の本当の頭部はどこにあるのだろうか。かがんでいる様子もないので、首のない人間が水族館を闊歩していたということになってしまう。

 あなたもひょっとすると猫人間と遭遇するかもしれない。

■関連動画■【怪談ぁみ語】「大きな猫の頭」ありがとうぁみ

Click here to view the embedded video.

【124】人をも襲う?超巨大グモ「チバ・フーフィー」

0
0

写真はメキシカンレッドニータランチュラ

 密林の奥深い場所など、この地球上の大自然の中には超巨大なクモがいるといわれている。

「チバ・フーフィー」というUMAをご存じだろうか。この奇妙な名前はコンゴの先住民族の言語「バカ語」で、そのものズバリ「大きなクモ」を意味している。英語で「ジャイアント・スパイダー」ともいわれるのだが、それとまったく同じである。

 最初の目撃報告は1938年、コンゴ民主共和国。同国を訪れた英国人夫妻が自分たちの乗っているトラックの前を横切る生物を発見した。これが、足の長さが推定で1メートルほどもある巨大なクモだったのである。

 1942年にはパプアニューギニアで子犬程度の大きさのクモが目撃された。さらに1948年には米国・ルイジアナ州でタライくらいのサイズのクモが目撃されている。人間と同等の大きさではないが、大きなクモというのは発生しやすいのかもしれない。

 それから時間はたつが、2001年にはカメルーンでチバ・フーフィーの巣が、村の近くにできていたとの報告もあるらしく、現在も生息している可能性が高い。

 前述の通り、チバ・フーフィーはクモとしては巨大な体を持っている。大きさは1・5メートルほどで、体重は25キロぐらいだと推測されている。現在確認されている最大のクモはルブロンオオツチグモ(ゴライアスバードイーター)で、体長が10センチ程度、足を広げた状態では30センチ近くになる。そんなクモが目の前にいただけでも恐怖を感じると思うのだが、1・5メートルともなると想像もつかない。

 体色に関しては成長過程で変わり、幼虫のときには全体に黄色っぽく、腹部のみ紫色。しかし、成長すると濃い茶色になるそうだ。体中が毛で覆われている。

 ジャングルでの目撃例が多く、生息地も木々の多いところだ。餌となる生物も多く、チバ・フーフィーは虫、小鳥、小動物などを食べている。ネズミくらいの哺乳類であれば食べてしまうのだ。その捕食手段は毒。かみついた相手に毒を注入するという、恐ろしい生態を持っている。

 地上に大きなクモの巣を作るとも、地面に穴を掘り、わなを作って待ち構えているともいわれる。

 コンゴ付近には他にも「モケーレ・ムベンベ」や「カサイレックス」といった大型UMAの目撃例があり、UMAが多く生息している地である。アフリカ大陸ではコンゴ以外でも巨大なクモがいるという話がある。まだ見ぬ巨大な生物が生存している可能性が高いのではないだろうか。

 

■関連動画■Deadly 60 – Goliath Bird Eating Spider

Click here to view the embedded video.

【125】存在の可能性が高いカナダの超有名未確認動物「オゴポゴ」

0
0

ブームになった「オゴポゴ」

 スコットランドのネッシーと並ぶ、カナダの有名な水棲UMAが今回紹介する「オゴポゴ」だ。

 カナダの最西部にあり、太平洋に面したブリティッシュコロンビア州は自然豊かな土地。自然が多く残る内陸部や氷河が見られる南部は観光地としても盛んである。2010年冬季オリンピックが開催されたカナダで3番目の大都市であるバンクーバーを擁し、大自然に囲まれているだけでなく、多くの人も住んでいる州だ。

 その一方で北部やロッキー山脈には、ほとんど人が住んでいない。また、南部のオカナガン地方にはカナダ唯一の砂漠があるなど、同州には多様な自然環境があるのだ。

 オカナガン地方のオカナガン渓谷には、南北に長く広がるオカナガン湖がある。長さは135キロメートル、面積は351平方キロメートル、水深200メートル以上とかなりの大きさだ。ここにすんでいると言われているのが「オゴポゴ」である。

 最初の目撃報告は1872年、スーザン・アリソン夫人による。オカナガン湖を訪れた夫人は蒸気船の上から巨大な生物を見たらしい。このころには名前も容姿も定まった情報はなかった。

 現在にも伝わる風貌が決まったのは1926年のジョン・L・ローギー氏による目撃談からだ。7メートルほどの棒状の体で、頭部は50〜60センチ、羊のような顔をしている生物が湖面から現れたとのことだ。

 その後も同年、31年、42年、50年、51年、58年と不定期ではあるが、オゴポゴらしき存在の目撃談は絶えなかった。

 60年代になるとオゴポゴはブームになる。まず67年に初めて写真に収められ、翌年には8ミリでの動画撮影も成功した。これにより70年代や80年代にも目撃例は増え、近年でも撮影に成功する者が出ている。総目撃数は200件を超えるのだ。背ビレのようなものがついている、全体は緑色で茶色の斑点がある、などの情報も増えていった。

 50年代には新聞社によってハッキリとした写真に賞金がかけられたり、89年には国の保護指定動物を受けたり、地元アイスホッケーチームのマスコットにオゴポゴが選ばれたりと、人々の間で存在が受け入れられていく。

 冒頭でも述べた通り、ブリティッシュコロンビア州は自然が豊かで、様々な生態系が見られる。目撃情報が多く、証拠となる写真も残っている。

 また、この地に住むネーティブ・カナディアンはヨーロッパの人間が訪れるよりずっと前から、オカナガン湖で「ナティアカ」という怪物を目撃してきた歴史があった。

 人々にも愛されているUMAのオゴポゴは、様々な状況から推測するに存在している可能性がかなり高いのである。生物としては首長竜のような形ではなく、ヘビかクジラのようなものではないかと言われている。

 現在ではバシロサウルスという原始のクジラ類の生き残り説が強くささやかれている。バシロサウルスは体長が長く、ヘビのようにクネクネ泳ぐのだ。今後、存在を確定するような映像や写真が撮影されることを期待しよう。

 

■関連動画■Ogopogo sightings

Click here to view the embedded video.

【126】幸せを運ぶフワフワの物体「ケサランパサラン」

0
0

筆者が所有するケサランパサラン

 もっとも有名なUMAのひとつである「ケサランパサラン」。「ケセランパサラン」とも言う。

 ご存じの方も多いのではないだろうか? 白くてフワフワした綿毛のような物体で、毛のかたまり以外の部位は持っていない。中心から放射状に毛が伸びており、たとえるならタンポポの綿毛を拡大したところを想像していただければ分かりやすい。見た目通りにフワフワと空中に浮くくらいしかできないようだ。

 ケサランパサランは東北地方を中心に持ち主に幸せをもたらすという伝承が残っている。一方で、他人に見せてしまうと幸せが逃げてしまうとも、1年に2回以上見ると効果がなくなってしまうとも言われている。ただし、人間に対して害悪を与える存在ではないようだ。

 ケサランパサランは日本のUMAで、古い文献にもそれらしき存在の記録が残っている。江戸時代の百科事典である「和漢三才図会」には「鮓荅(さとう)」という白い玉についての記述がある。鮓荅は家畜の胆石のことなのだが「へいさらばさら」とも呼ばれ、ケサランパサランとどこか似ている。その後、1970年代後半にブームを巻き起こし、「ツチノコ」と並ぶほどの知名度をものにしたのだ。

 その生態には謎が多い。

・おしろいを食べる
・箱に入れて飼育できるが、空気穴を作らないと死んでしまう

 以上を守って飼育すれば増殖(分裂とも言われている)すると噂されている。増殖に成功すれば、幸せを代々引き継ぐことも可能である。東北の旧家では娘が嫁入りするときに母から子へケサランパサランを小分けにして与える風習があると言われている。

 では、いったいケサランパサランの正体とは何なのだろうか。謎の多いケサランパサランだが、ケサランパサラン状の物体を生み出す原因、その諸説を紹介していこう。

 まずはアミガサハゴロモ説。ハゴロモという昆虫の一種なのだが、幼虫の時期に白い綿を発生させる。綿の下に幼虫の体があるのでケサランパサランではないと判別できるが、遠目に見たら間違える可能性もある。

 次に、小動物の体毛説。大型の鳥類が小動物を食べた後に、排せつされた毛が丸まって地上に落ちてきたもの。

 そして、植物の冠毛(かんもう)説。アザミやオキナグサのような植物の冠毛(花のがくが毛状に突起したもの)が自然に固まったもの。

 さらに、カビ説。白いカビが綿状になったもの。おしろいを与えると増えるという話はカビだからとも推測できる。

 最後にオーケン石説。糸のように細いガラス状の繊維が中心から伸びた鉱物で、一見すると綿のようだ。

 以上を踏まえて考えると、ケサランパサラン状のものは動物性のもの、植物性のもの、さらには鉱物性の3種のものの可能性が考えられる。それぞれが独自に生成されて多くの人の目に留まったのではないだろうか。

 実際に筆者も所有しており、お台場にある「山口敏太郎の妖怪博物館」に展示してある。千葉・船橋市内で降ってくるところを捕獲したのだが、植物なのか動物なのかもよく分からず「未確認物体」のままである。

 ケサランパサランの正体ははっきりしていないものの、目撃例はUMAとしては異例の多さを誇る。妖怪博物館のケサランパサランを見たお客さんから「自分もこれと同じものを見たことがある」と報告も多数受けている。そして「ゴミだと思って捨ててしまった」との話もよく聞くのだ…。

 希少価値の高いものではないかもしれないが、多くの人々に親しまれている愛すべきUMAだと言わざるを得ない。

 

■関連動画■ケサランパサラン?

Click here to view the embedded video.

【127】家畜を襲い血を吸い尽くす「チュパカブラ」

0
0

 今年1月、俳優のジョニー・デップが映画PRのため来日したが、記者会見をドタキャンした。翌日、会見が行われたものの、この時に言い訳のジョークとして発言したのが「怪物と戦っていた。チュパカブラだ」というものだ。これが本当であれば日本には「チュパカブラ」がいることになる?

 それはさておき、チュパカブラは海外ではメジャーなUMAのひとつである。

 1995年にプエルトリコで目撃されると、チリ、メキシコ、アルゼンチンと、南米で目撃報告が相次いだ。

 スペイン語で「チュパ」は「吸う」、「カブラ」は「ヤギ」を意味する。その名の通り、家畜の血を吸う生き物なのだ。

 血を吸う対象はヤギだけにとどまらず、牛、犬、猫、ニワトリなど、陸上の脊椎動物であれば何でもいいようだ。

 襲われた動物には2つ、もしくは3つの小さな穴が開いており、そこから血を抜き取られたと考えられている。

チュパカブラの剥製

 そのUMAの容姿は1〜1・8メートルで全身に毛が生え、大きな目と大きな口、鋭い牙、手には長い爪を持つ。特徴的な部位としては背中に大きなトゲのようなものが生えている。このような奇妙な外見のため、宇宙人説も流れている。

 生きている動物を捕まえ、直接、血を吸うのだから、かなり素早い生き物なのだろう。また、腕力があることが推測され、運動能力は全体的に高いものと想像できる。果たして人間に捕らえることはできるのだろうか。

 東京・お台場にある「山口敏太郎の妖怪博物館」にはチュパカブラの剥製が展示してある。写真のように大きな目と口、鋭い牙を持っているため、チュパカブラらしいと言えるだろう。確かに、この形状であれば動物に食らいつく場面は想像にかたくなく、説得力がある。

 しかし、筆者はイヌ科のコヨーテを加工して作られたものではないかと考えている。人を驚かせることが目的の、見世物小屋のようなものだったのだろう。それにしてもよくできている。

 このチュパカブラであるが、現在も遭遇情報は続いている。今年の1月中ごろにはチリのリマリ県モンテ・パトリアで、5月には米国・テキサス州で目撃、いや、チュパカブラらしき生き物の死骸が捕獲されているのだ。

 これからもチュパカブラの研究に火がつきそうではあるが、ひとつだけ懸念材料がある。チュパカブラには奇妙な都市伝説がつきまとっている。このような死体が保管され新聞で報道されても、しかるべき研究所に鑑定が出されないというのだ。

 これには「米国政府がチュパカブラの存在を隠蔽しているのではないか?」という臆測が飛んでいる。

 うそか本当か分からないが、このような陰謀説が出てくるほどにチュパカブラはミステリアスな存在なのである。

■関連動画■Chupacabra sightings Video Pics of a live Chupacabra Caught on tape 2013 #Chupacabra

Click here to view the embedded video.


【128】フィリピンの女吸血鬼「アスワング」

0
0

オオコウモリのイラスト

 南北アメリカ大陸の吸血UMAと言えば「チュパカブラ」、ヨーロッパで吸血鬼と言えば「ドラキュラ」だが、アジアにはこの「アスワング」がいる。

 アスワングとはフィリピンに伝わる女吸血鬼で、今でも人々に恐れられている伝承の中の存在だ。主にフィリピン南西部のパラワン島に出没するとされている。パラワン島は熱帯雨林で密林が多く、フィリピンの中でも秘境と言われている土地だ。

 アスワングは日が出ている間は美しい女性の姿をしているのだが、夜になると豹変する。空を飛び回り、人の生き血をすする化け物になるのだ。

 その食事方法も不気味だ。民家の隙間や割れ目から長い舌を入れてターゲットの血を吸う。食事が終わると、まるで妊婦のように腹が膨れ上がるのだそうだ。

 2004年にはフィリピン南部で農家の息子の少年2人が田んぼの作業部屋に泊まりこんでいたところを襲われたというニュースもあった。犬のような見た目だったという話だが、少年たちは「アスワングだと思った」と語る。

 アスワングの見た目は恐ろしく、体全体は毛深く、背中に翼が生え、爪は鋭い。また、前述の通り、かなり長い舌も持っている。大きさはだいたい1・5〜1・8メートルと言われ、二足歩行もするので人間とさして変わらない。昼間の姿との落差は相当大きい。怪物の姿になると「キキーッ」と鳴くそうだ。ただ、この容姿と特徴、何かに似ていないだろうか。

 そう、コウモリである。フィリピンには多くのコウモリが生息し、かつては食用コウモリもいた。また、致死率100%と言われる狂犬病を持ったコウモリが、森林破壊によって人里に出て脅威となっている。フィリピンの人びとにとって、よくも悪くもコウモリの存在は大きい。

 こういったコウモリとの関係からアスワングの伝承は生まれたのではないだろうか。アスワングに影をなめられると、その人は死に至るという話も残っており、伝染病とリンクする。

 フィリピンには大型のコウモリが数十種類もいて、体重を基準にした場合、世界でもっとも大きいコウモリもフィリピンのものだ。他の飛行する生物と比べてコウモリは哺乳類のため、人間に近い形をしているというのもよく分かる。また、アスワング自体がコウモリを捕食することもあるそうだ。

近年はアスワングらしき存在が映像に収められたこともあるらしく、これからの真相解明が期待できる。

 

【関連動画】Aswang umatake sa Cotabato?

Click here to view the embedded video.

【129】コンゴの巨大亀「ンデンデキ」

0
0

白亜紀に存在した「アーケロン」

 筆者はこの連載で今までにもコンゴ付近のUMAを紹介してきた。「モケーレ・ムベンベ」「ムビエル・ムビエル・ムビエル」「チバ・フーフィー」など、いずれも巨大な生物であった。そこで今回紹介するのは巨大な亀「ンデンデキ」だ。

 このンデンデキはコンゴ共和国の最北部、リクアラ地方の沼や川で何度も目撃されている。リクアラ地方は南部を赤道が通り、1年のうち5か月が乾季、7か月が雨季となる地だ。日本に住んでいる我々には想像もできないほどの大自然で形成されたこの地方で、まだ見ぬ生物を発見する可能性は決して低くないだろう。

 巨大亀とは言うものの形状が似ているだけであって、まだハッキリしていない。背中に大きな甲羅を持つ爬虫類のような生物ということだ。甲羅だけで直径が4〜5メートル、全長ともなると大きなもので8メートルもあるとの噂だ。実在するのならば背中に人間を複数人乗せて移動することも可能だろう。

 甲羅はヌメヌメと光っていて、ある程度の弾力を持つ軟らかいものだという。

 この甲羅が軟らかいという性質から考えると亀というより、より詳しく表すならばスッポンの一種なのかもしれない。もちろん、スッポンは亀の一種なのだが、亀の甲羅が背骨でできていて硬いのに対し、スッポンの甲羅は皮膚が変化したものという点で大きく違う。亀の生態として危険から身を守るために甲羅に隠れるというのがあるが、スッポンの場合はこれがあまり意味をなさない。甲羅の裏に2センチほどのコラーゲンがあるからスープとして調理され、食用の動物として愛されてきたのだ。

 スッポンはそのような性質を持つので水中での暮らしに適していること、普通の亀と比べて足が速いことなどがあり、ンデンデキはいまだにきちんと確認されていない生物なのかもしれない。今のところ確認されている最大級のスッポンは1・5メートルほどの大きさなので、これより少し大きいものが存在し、話が伝わる中で尾ヒレがついて大きくなっていった可能性はある。ただ、現在、スッポンはアフリカ大陸には生息してないのだ。

 主食は沼に生息する魚と言われるように肉食だが、その性格はおとなしく、人を襲ったりしないそうだ。一方で原住民たちも川や沼の「主」として畏怖していたのか、食用として捕獲されたというようなこともなかったらしい。

 大きな亀といえば白亜紀には「アーケロン」が存在し、これは甲羅の直径が2メートル、全長4メートル、体重が2トンあり、確認されている中では最大のウミガメである。こういった古代の生物が生存している可能性も捨てきれない。

 雄大な自然の多いコンゴではUMAの目撃が多く、興味がそそられるところだが、難民の流入やコレラの発生など危険も多いため調査も簡単にはいかないようだ。

 

■関連動画■Monster Remains of a Giant Archelon (Sea Turtle) wash ashore – Gamera Lives!

Click here to view the embedded video.

【130】イギリスの“不吉の象徴”ブラックドッグ

0
0

黒い犬の形をした妖精「ブラックドッグ」

 イギリスに伝わる黒い犬の形をした妖精「ブラックドッグ」は、不吉の象徴とされている。「ヘルハウンド(地獄の獣猟犬)」「黒妖犬」の名でも知られている。

 イギリス全土に伝承が残るため、地方によって呼び名がさまざまにある。「ブラックシュック」「ギャリートロット」「クー・シー」「バーゲスト」「マーザドゥー」などに派生する。

 その名の通り黒い体を持ち、顔には赤く光る目と鋭い牙、夜に出現すると言われている。大きさは牛ほどあり、犬としてはかなり大きめ。硫黄のようなにおいを残して去るとの情報もある。口から火を吐く、光とともに現れる、という伝承も。

 人の死にまつわり、人が不吉な死をした場所に現れることが多い。またブラックドッグが直接殺すこともあれば、見ただけで死ぬ、声を聞くだけで死ぬ、触れたら死ぬ、など不吉な上に凶悪である。にらまれたら体が動かなくなって意識を失った、という報告もある。

 地方によって性質も変わるようで、妖精の番犬であったり、人間に危害を加えないもの、「ブラックドッグが見えない」人には危害が加えられない、などの特徴もあるようだ。

 撃退方法は「神に祈りを捧げる」というものと、流れる水が苦手なため「川を渡れば済む」という方法が伝わっている。

 古い記述では14世紀のものがあり、デボン州のダートムーアで人を殺したというものだ。ハッキリとしたものでは、1577年にブライスバーク教会で雷とともに現れたブラックドッグが2人の信者を殺したというものがある。

 伝承としての色合いが強いUMAだが、1972年にも出現報告があり、実在の可能性が高まった。農家のモーガン夫妻の家に現れたという。モーガン氏は物音で目を覚ましたところ廊下でブラックドッグに遭遇。用心のために持っていた火かき棒を投げつけると、その場から消えたそうだ。十字路や三差路など、道での目撃情報が多いUMAだったため、屋内での目撃はかなり珍しいものとなる。

 伝承の存在とはいえ、目撃例も多く、一概に存在していないとは言えない。自然発火現象や球電現象など、別の現象が死を引き起こし、黒い犬のような存在を錯覚させたのではないだろうか。

■関連動画■Legendary Black Shuck Hellhound Remains Discovered from 16th Century

Click here to view the embedded video.

【131】水木しげる先生が広めた妖怪「一反木綿」

0
0

上空高くを飛行する一反木綿らしき存在

 11月30日、水木しげる先生が亡くなった。

 水木先生は言わずと知れた妖怪漫画の大家であり、世間一般に妖怪という存在とその楽しみ方を広く知らしめた功労者である。今現在の妖怪の概念は“水木妖怪”という基礎の上に成り立っていると言っても過言ではない。

 水木先生が日本の妖怪、怪物、UMA界に与えた影響は大きいのである。今回はその水木先生が広めた妖怪に焦点を当てよう。

「一反木綿」は漫画・アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターとして人気があり、見た目は名前の通り一反(長さ約10メートル、幅約30センチ)の白い木綿の布のようで、空をヒラヒラと飛んでいる妖怪だ。作中では鬼太郎たちを運んで飛ぶ移動手段として重要な役割を持っていた。攻撃方法は軟らかく長い、そして丈夫な性質の体を生かして敵をぐるぐる巻きにして窒息死させるというもの。

 また、作中では長崎弁で語るキャラクターとして親しまれている。シンプルながら特徴の分かりやすい見た目、経験豊富で頼りがいのある知識、長崎弁で話すひょうきんな性格などから非常に人気が高い妖怪なのだ。

 余談だが、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の1、2作目では寡黙な性格だった。

 その方言からも分かる通り長崎県を中心に福岡、鹿児島と九州に伝承がある妖怪という設定が生かされている。

 一反木綿らしき存在の目撃例は今でも続いていることはご存じだろうか。2015年1月には筆者のツイッターのフォロワーの方が謎の白い飛行物体の撮影に成功した。それがこの画像である。意思を持っているかのように動き、見ていても非常に不気味だったという。形状や大きさから言っても、ただのゴミやビニール袋とは考えづらい。

 この画像が撮影されたのは長崎県で、撮影者の方は長崎県の別の場所でも同じような飛行物体を目撃しているのだそうだ。やはり長崎県の付近に一反木綿が存在する何かしらの理由があるのかもしれない。

 その一方で全国にも一反木綿の目撃談はややあるようだ。2003年にポプラ社から刊行された「怪異百物語〈1〉現代の妖怪」によると、静岡県で小学生が半透明の長い布のような奇妙な存在を目撃している。

 2004年に筆者もゲストとして参加した、いたこ28号さん(サイト「あっちの世界ゾーン」主宰)が開催した怪談ライブでも、お客さんの一人が一反木綿の写真の撮影に成功している。この撮影者が上空高くを飛行する一反木綿らしき存在に遭遇したのは岐阜県だった。

 UFOカメラマン・コンタクティの武良信行さんも兵庫県で一反木綿と遭遇しており、撮影に成功している。武良さんが見たものは体長30メートルもあって、天空へと上昇するような動きだったという。目撃した武良さんは水木しげる先生の親戚であるのは単なる偶然なのだろうか。妖怪、UFOと不思議な世界と触れ合う血筋なのかもしれない。

 未知の知的生命体としての妖怪、地球外の存在かもしれない未確認飛行物体、そのどちらの可能性もはらんでいる現代の「一反木綿」。今ごろ水木先生を乗せて空を飛び回っているのかもしれない。

 

■関連動画1■山口敏太郎のUFO事件簿 長崎県の某所の変形UFO? 一反木綿? ミステリークラウド?

Click here to view the embedded video.

 

■関連動画2■未確認飛行物体 UFO動画

Click here to view the embedded video.

【132】毒ガスを噴霧する謎の生命体「マッドガッサー」

0
0

当時の新聞が証言をもとに再現したイラスト

 第2次世界大戦前から大戦中のアメリカで市民を恐怖に陥れた、謎の怪人が「マッドガッサー」だ。人の形をしているという目撃情報があるために怪人とされているが、実際のところ人なのかUMAなのか判別は不明のままだ。黒ずくめの服装のようなもの、人としては身長が高い、ということだけが容姿について伝わっている。

 ナチスの残党、異次元の住人、地球外生命体、猿人型のUMA、アメリカ政府の秘密の実験など、諸説あるが、その正体はようとして分かっていない。

 マッドガッサーは夜になると民家に現れる。何の予告もなしに現れ、あちこちの家を回っては家の中にガス、または霧状のものをまき散らすのだ。マッドガッサーの噴霧するガスは甘いにおいがするらしいのだが、吸い込むと吐き気やしびれのような症状に襲われ、のどに異常が現れたりする。場合によっては生命の危険にさらされるほどの強さを持つそうだ。

 最初の被害は1933年、バージニア州のボトトートに住む、とある夫婦だ。ガスのにおいを察知した夫婦は警察に通報するが、警察官が見まわったにもかかわらず犯人は見つからなかった。やがて警察官が去ると、またガスによる攻撃が始まったのだ。住人の自警団や警察官が1年以上も警戒を強化したが、被害が続出しても犯人逮捕にはつながらなかった。

 その次に話題になったのは1944年、バージニア州よりやや西寄りのイリノイ州マトゥーン。9月1日に自宅で寝ていた女性は息苦しくなって目を覚ました。甘いにおいがする。と、次の瞬間に激しい嘔吐感が襲ってきたのだ。女性の妹が悲鳴を聞いて駆けつけたため一命を取り留めた。また、この女性の夫は不審者の影を見かけたという。女性は喉と唇に痛みが残ったと後に語る。

 同日に1キロほど離れた場所でも同じような事件が起きている。甘いにおいのガスのようなもので、一般市民が苦しめられた。そして、金品が盗まれた形跡はなかった。

 この事件が報道されるとしばらくの間、町はパニックに陥る。前述のとおり時代は大戦中である。社会不安によって噂がヒステリックに広がり、さまざまな臆測を生んだ。謎だらけの存在が、より見えづらくなった理由には、こういった背景もあったように思える。なかにはナチス工作員がアメリカに潜入しており、市民を殺害する毒ガス噴霧計画の実行が始まったとのデマもあった。

 アメリカの都市伝説的な存在として有名なマッドガッサーだが、筆者の知人がイギリスに行ったときに、イギリスでも毒ガスを吐く男が噂されていたとのことだ。集団ヒステリーが生んだだけの存在とは思えず、これからも調査の必要がありそうだ。

 

■関連動画■Urban Legends: The Mad Gasser Of Mattoon

Click here to view the embedded video.

【133】鮮明な写真が残る「スクリュー尾のガー助」

0
0

アメリカの雑誌に載ったとされる「フラットヘッド湖の怪物」

 今回紹介するUMAは、一定年齢より上の人やオカルトが好きな人ならば覚えているかもしれないものだ。昭和のオカルト本には必ず出ていたUMAである。

 その名も「スクリュー尾のガー助」——。

 思い切り日本語の名前であり、この名前は日本人がつけたものであろう。米国人なら「ガー助」という名前は絶対につけないだろうし…。目撃された場所は米国である。日本では別名「ハーキンマー・モンスター」とも呼ばれたりしているが、和製英語の可能性も指摘されている。海外では出現した場所の名前をとって「フラットヘッド湖の怪物」と呼ばれることもある。

 米国・モンタナ州のフラットヘッド湖にはネーティブアメリカンの伝説として、昔から奇妙な鳴き声を上げて湖を渡る黒く巨大な体をした生物がすんでいると言われていたのだが、1920年代ごろから実際に目撃したという人々がちらほら出てくるようになった。

 そして、1960年代に釣り人や観光客が目の前をアヒル口の巨大な古代生物が移動していく様子を目撃。手元にあったカメラで撮影した…そんな目撃証言とともに当時のオカルト子供本に掲載されていたのが、この鮮明すぎる写真を元にしたものであった。

 しかし、古生物学が進歩した今、改めて写真を見てみれば造形こそ草食恐竜の「アナトティタン」に似ているものの、姿勢が大幅に違っている。現代の古生物学では、恐竜はこのように尻尾を引きずるような歩行はしなかったとみられているからだ。つまり、当時の恐竜のイメージで創作された可能性が高い。

 実際、こちらの写真は1960年代に米国で作成されたフェイク写真とされている。別の説として、日本の駄菓子屋で売られているような“恐竜カード”のようなものに使われていた絵を湖の写真にはめ込んだ、というものもある。

 日本でこのスクリュー尾のガー助が有名になるのは1962年。1960年代の米国の雑誌に載っていたこの写真と、証言を元に紹介した。アヒル口からガー助、早く泳ぐことからスクリュー尾という和訳がついたのだろう。

 スクリュー尾のガー助は他に類を見ないネーミングセンスと、この鮮明すぎる写真があったからゆえに、昭和の子供たちに鮮明な記憶を残したUMAといえるだろう。

■関連動画■Flathead Lake Monster

Click here to view the embedded video.

【134】動物が憑依する「ナワル」

0
0

ナワルに変身した人の姿

「ナワル」という存在はUMA(未確認生物)というよりは、伝承上の生き物として知られている。メキシコの民間信仰に伝わり、動物に変身する能力を持ったシャーマンや人々を守る動物霊を指す。この図版は人がナワルへと変身した姿を描いたものである。ナワルになる能力を持った人は、その地域において指導者になるなどカリスマ性があったようだ。

 ナワルという言葉はアステカ人が使っていたナワトル語で、この精霊を指すだけでなく一種の概念のようなものといわれている。

 その先住民たちの神は「もうひとつの自我」を持っていて、そちら側の自我の力で獣や自然現象に返信すると考えられていたのだ。選ばれた人の中には同じような能力を持ち、睡眠中に見る夢を経て変身するとされていた。

 アフリカの一部にはヒョウやライオンの皮をかぶって踊る呪術的な儀式が伝わっていて、踊っているうちに精霊が憑依(ひょうい)してヒョウ人間やライオン人間となってしまうそうだ。日本には主に西日本で広く信じられてきた犬神という犬霊の憑き物がある。このように、動物には特別な力があり、その力を人間に憑依させることで成り立つ呪術が多く見られる。

 メキシコのシャーマンが変身する対象はヤギやジャガーなど多岐にわたり、絵や石像、民芸品としてその姿を確認できる。そんな精霊や妖術のようなものであるナワルだが、メキシコでは実際に死骸が発見されているという。

 2013年9月、線路上で手足が分断された獣のような人型のような謎の生物の死骸が映った動画がユーチューブにアップロードされた。撮影された場所はメキシコ中部のハリスコ州テキーラ。エル=オペーニョ文化が繁栄し、独特な土偶などが発掘される地である。もちろん、テキーラはお酒のテキーラの語源であり特産品でもある。

 その死骸の姿はツルツルとしたピンクで大きな眼球を持ち、人間よりやや小さいようだ。このような姿から地元の人たちの間では「ナワルなのではないか?」と噂されている。ナワルと特定した理由は鋭い牙と4本の指だという。ちなみに死骸にはハエが群がっていた。それからも様々な姿のナワルの死骸が目撃されているとの話だ。

 2014年1月にはメキシコ・ベラクルス州の港湾都市ベラクルスで、やはり干からびたような死体が発見されている。こちらはやや爬虫類のような見た目でグレーに近い濃い茶色で、体毛もウロコもないガサガサとした体表だ。ハッキリと尻尾があり、狼のように大きな口が特徴的である。

 同じ年の8月、同じくベラクルス州のサン・アンドレス・トゥストラでは有刺鉄線に引っかかって死んでいるナワルらしきものが目撃された。こちらは1月に発見されたものと似た形状をしている。

 これが新種の生物なのか、精霊なのか、人間が獣化した姿なのか、はたまた捏造なのかいまだ判明していない。しかし、これだけハッキリとした未確認生物の映像があるので真相の解明が急がれる。ひょっとしたらUMAというよりも妖怪のような存在なのかもしれない。

 

■関連動画■ENCUENTRAN NAHUAL EN TEQUILA JALISCO

Click here to view the embedded video.


【135】ソロモンに生息する巨人「ガダルカナルジャイアンツ」

0
0

ソロモンジャイアンツ

 パプアニューギニアの東に位置するソロモン諸島はイギリス連邦に所属する島国であり、手付かずの自然が残る“現代の秘境”とも言うべき島である。他の島や大陸とは隔絶されていることもあり、独自の生態系や生物も存在しているとされる。

 そんな自然豊かで隔絶された環境を持つところからは時折、「正体不明の生物が生息している」とする報告がなされることもある。

 オセアニアのUMA(未確認生物)でよく聞かれるのは「シーサーペント」などの海棲生物タイプのUMAだが、中にはジャングルの中をかっ歩する生物の目撃証言も存在する。今回紹介する「ガダルカナルジャイアンツ」もその一つだ。

 黒や茶色や赤みがかった体毛を長く伸ばし、ダブルの濃い眉毛、平べったい鼻が特徴である。大きく分類して3種類あり、毛むくじゃらで巨大なグループ、3メートルぐらいのグループ、2メートルぐらいのグループが確認されている。各グループはそれぞれ数百人から、場合によっては数千人の人口がおり、人間に対しては捕食や敵対行為をとってきたという。

 一般的に野生動物は火を恐れるため、この獣人から逃れるには火を炊けば良いともされているが、一番巨大な獣人は明かりを使用できるため、火を恐れずに近づいてくるともされている。

 巨人の領土とされるエリアは、ポポマナセウ山に広がる熱帯ジャングル西部分であり、千平方キロメートルの面積を持っている。

 人間との交配も可能で巨人の子孫も存在し、なかにはさらわれて、交配後に殺された人間もいるという。一方で獣人の子供が人間と接触し、友好関係を築いたケースも存在しており、付き合い方を間違えなければ無事にやり過ごせることも可能なのかもしれない。

ソロモン島の巨人

 1998年には“ゴールドリッジ事件”が起きている。ガダルカナル政府の手でノーザンゴールドリッジ鉱山の開発が進められたのだが、巨人たちが棲息するエリアにも及んだときに奇妙な出来事が起こった。10トンの重さがあるブルドーザーが何者かによって破壊されたり、離れた場所に無断で移動させられていることが起こった。しかも、周囲には巨大な足跡が残されていたという。

 このガダルカナルジャイアンツに関し、2011年に一度、現地での探検が行われたが、その正体をめぐっては諸説ある。マレーシアのオランペンデクと関係がある新種の類人猿という説、ギガントピテクスの末裔や生き残りという説、デニソワ人の末裔や生き残りという説が唱えられており、特にデニソワ人は発掘されている歯の化石が大きいことから、3メートル前後の巨人だったという仮説もあり有力な正体候補だ。

■関連動画■Giant (?) grave in Kakara, Malaita, Solomon Islands

Click here to view the embedded video.

【136】アルプスのツチノコ!?「タッツェルブルム」

0
0

1640年に描かれたタッツェルブルム

 ヨーロッパ中央部の7か国を横切り、ヨーロッパ最高峰とも言われるモンブランを擁する山脈であるアルプス山脈。そこに生息すると言われているのが、タッツェルブルムという未確認生物だ。

 タッツェルブルムはドイツ語で「鉤爪(かぎづめ)のある(手足がついた)虫」という意味で、この虫とはミミズのようなものからヘビなどの爬虫類も意味する。実際には手足の生えた体の太いヘビのような存在で、オオトカゲやサンショウウオにも近い生き物として捉えられている。

 アルプス山脈に生息していると言われている通り、標高500〜2000メートルの山地にある洞窟などで暮らしているそうだ。冬場での目撃例が少ないために、冬眠をしているという説が根強い。

 大きさは60センチくらいのものもいれば、2メートル近いものも目撃されており、大きく成長するものなのか、種類がさまざまなのか、別種の未確認生物なのか、今のところ判明していない。

 前述の通り、目撃例が少なくない。また、1934年にはスイスの写真家が撮影に成功、スイスやドイツを中心にブームとなる。その姿は前肢しかないトカゲのようなものだった。

 1979年にハンス・フックスという男性が豚舎からブタの悲鳴のような鳴き声を聞いて駆けつけ、本人も奇声を上げて心臓発作で亡くなってしまった。ハンスさんは亡くなる数日前にタッツェルブルムを見たと語っていたそうだ。

 ただ、これだけではただの新種や未発見の生物という範疇(はんちゅう)を出ない。ある種のモンスター性を持っているからUMAとして広く認識されているのだ。

 このタッツェルブルムは強い毒を持っていると言われ、人間や家畜くらいはかみついて殺してしまう。また、恐ろしいことに毒性のガスを発するという説もある。3メートルほどジャンプするとの目撃例もあり、高い運動能力と毒ガスを持っているとすれば近づかないのが正解だと思われる。かつては研究が盛んだったらしいが、素人が手を出してはいけない存在だろう。

 容姿に関しては前肢のあるヘビ、大きなトカゲのような話もあるが、中世には猫の頭と前肢を持ち、体はヘビという伝承も残っている。長い間、ヨーロッパで人々に知られている未確認生物で、まさに“アルプスのツチノコ”と言っていいだろう。ツチノコのような生き物が世界中に分布していると考えたら面白くはないだろうか。

 

■関連動画■Criptozoologia|TATZELWURM|LA SERPIENTE DRAGON|.

Click here to view the embedded video.

 

【137】クトゥルフ神話に登場する「クトゥルフタートル」は実在した?

0
0

「クトゥルフタートル」と呼ばれている謎の亀

 米国の小説家H・P・ラブクラフトによって著された小説をもとにまとめられた神話体系である「クトゥルフ神話」はあまりに有名である。

 太古の地球を支配していたのは、宇宙から飛来した邪悪で強大な力を持つ異形の存在であったという設定で、それを体系化した現代の神話として世界中で広く愛され、かつ恐れられている。

 クトゥルフ神話に出てくる邪神はコウモリのような翼と鋭い牙や爪を持っているが、基本的な部分は海産物などに見られる軟体動物のような容姿をしている。

 そこにはラブクラフトが掲げていた”宇宙的恐怖“というコンセプト、そして無機質な存在の恐ろしさが表れている。絶対的な力を持つ者にとって人間の希望なんかは価値を持たないというのである。

 創作だと分かっていても、見る人を戦慄させるような奇妙で恐ろしい神々のデザインはインパクトがあり、漫画やアニメ、ゲームなどでも題材にされてコアなファンを獲得している。

 もし、クトゥルフ神話に出てくるような奇妙な生物がこの現代に発見されたとしたら、皆さんはどう思うだろうか。

 この写真は「クトゥルフタートル」と呼ばれている謎の亀を撮ったものだ。「タートル」にちなんだのか、筆者が代表を務める「山口敏太郎タートルカンパニー」に紹介されたものである。

 カミツキガメのようなガッシリとした体だが、一見して分かる通り亀の頭部がイカに似た形状である。正確に言えばイカの目と足と口の辺りが亀の頭になっているという感じだ。この見た目であれば「クトゥルフタートル」と名付けたくなる気持ちも理解できる。

 また、クトゥルフの邪神を説明する際に”タコのような“と言われることが多いが、このクトゥルフタートルは顔にあたる部分が細長く、眼部がサイドに分かれてついているところからイカに近いと判断した。

 写真を紹介してくれた人は50年以上前に撮影されたと説明したが、それ以上の情報は何もなく、場所も撮影者もよく分かっていない。

 残念なことに、この写真自体はフェイクの可能性が高いと指摘するしかないだろう。背景や人間、そして亀の体に対して、イカの頭部が鮮明である。やや古ぼけていないのだ。亀とイカを巧妙に組み合わせたユーモアあふれる写真に見えてしまう。

 亀そのものは信仰の対象となる神聖な生物でもある。四聖獣には玄武がいて、古代インドでは世界を支える亀がいて、おとぎ話の「浦島太郎」では主人公を運ぶ重要な役割を持ち、亀が宇宙船だったという都市伝説もある。長寿の象徴であったりもして、日本ではおめでたい存在として認識されている。

 不思議な存在とされているのには様々に理由があり、ひょっとしたら写真のような不思議な生物が存在した可能性も否定しきれない。クトゥルフ神話の神が実在したのだとしたら、それこそ人類は危機に瀕する、などと考えてしまう。

【関連動画】Cthulhu Mythos 101

Click here to view the embedded video.

【138】猛毒を持つハブとコブラのハイブリッド「ハブラ」

0
0

ハブ

 生物には「交雑」「異種交配」と言われるものがある。異なる種の生物を交配させて新たな雑種を作るということだ。有名なところではヒョウの父親とライオンの母親を組み合わせたレオポンがいる。馬とロバの組み合わせはラバ、ロバとシマウマの組み合わせではゾンキーという。植物では、実はトマトで土の中にはジャガイモができるポマトなどもある。

 食用などに人為的に交配させたものだけでなく、自然界でも交雑するものもあるのだ。

 これは爬虫類マニアの間では常識の話だが、野生種のヘビを鑑定するとき「このヘビは○○と××がかかっているな」との会話がよくなされる。つまり、ヘビは純正種並みに交雑種が確認されることが多いという事実がわかる。

 そんな中で噂されているのが、沖縄本島の某外来生物飼育施設の周囲で、タイコブラが野生化し、実際に複数個体(平成5〜6年に合計7匹)捕獲されていることだ。タイコブラは中国南部、東南アジア、インド東部を中心に生息しているため、おそらく沖縄には帰化生物として繁殖しているものと思われる。

 タイコブラそのものは攻撃的で神経毒を持っているが、その毒はあまり強くなく、日本にも血清はある。だが、このタイコブラが沖縄の在来種であるハブと交雑したらどうなるのか。ハブの強い毒とタイコブラの強い攻撃性を兼ね備えた「ハブラ」が生まれる可能性があると考えられている。

「ハブは毒の注入量が多く、深刻な症状を引き起こす」と言われている。強烈な痛みを与えるだけでなく、嘔吐、血圧低下、意識障害などの症状が見られ、運動障害を残す場合もある。また、一度かまれた人はアナフィラキシーショックによって重篤な症状になることもあるのだ。

 ここまで書いているとまるで怪獣映画の設定みたいな話だが、現実にヘビの交雑種は簡単にできてしまう。

 また、沖縄本島で捕獲されたタイコブラで確認された寄生蠕虫(ぜんちゅう)についての学術的な報告書もあがっている。しかも、この交雑種、ハブラにかまれるとコブラやハブの既存の血清では効かないとも言われている。

 このようなことから地元民の中にはハブラの存在を非常に恐れている者もいる。存在が確認されたら対策を講じねばならないだろう。

■関連動画■タイコブラ inスネークセンター

Click here to view the embedded video.

【139】パプアニューギニアで目撃!巨大なブタの悪魔「ガゼカ」

0
0

米国の新聞で紹介された「パプアニューギニアの巨大生物」

「獏(ばく)」といえば、中国の伝説上の動物であり、人間が睡眠中に見る夢を食べて生きると言われている。熊のような体と象のような鼻、サイの目、牛の尾、虎の足、それぞれに似た部位を持つ存在なのだが、このイメージに容姿が似ていることが今現在、バク科の哺乳類が「バク」と言われているゆえんである。

 この空想の動物を基にした実在の動物であるバクに似た未確認生物がいるという、少々ややこしい話があるのだ。

 パプアニューギニアは南太平洋に浮かぶニューギニア島、オーストラリアの北にあるあの大きな島の東側半分を占める国家だ。「最後の楽園」とも言われ、豊かな自然の中には今でも新種の生物が発見される。

「ガゼカ」は現地の言葉で「ブタの悪魔」を意味し、前述のような獏の容姿に似ているうえに、白黒のしま模様と鋭い鉤爪(かぎづめ)を持つと伝わっている。また、クマのように後肢による直立や二足歩行が可能なため、鉤爪を利用した攻撃をすることが推測できる。このために、ガゼカは攻撃的な性格なのではないかとも言われているが、今のところ詳しいことはわかっていない。

 1906年に英国からパプアニューギニアに移住したチャールズ・A・W・モンクトンの目撃情報が残されている。登山中に大きな足跡を発見したので追跡したところ、2メートルを超す恐ろしい獣に遭遇し、鋭い爪で迫ってきたのだという。

 これが西洋において初めてのガゼカ目撃情報となり、その後、米国の新聞で「パプアニューギニアの巨大生物」という記事が紹介されて広まっていったようだ。

 このガゼカの正体だが、ディプロトドンの生き残りではないかともささやかれている。ディプロトドンとはオーストラリアにかつて生息した哺乳類で、コアラやカンガルーと同じくおなかに袋を持つ有袋類である。頭から胴体の長さが3メートルを超える大きさで、「サイ並みに大きくなったウォンバットのようなもの」と、たとえられることが多いようだ。有袋類としては史上最大の生物である。

 クマのような体であるとか、ゾウのような鼻があったのではないかとか、毛づくろいのために爪が特徴的な進化を遂げたのではないかとか、確かに獏やガゼカと共通する部分が多い。

 最後の秘境と言われるだけあって、パプアニューギニアには新種の生物だけでなく、絶滅したとされる生物がいまだに生存している可能性もあるのかもしれない。この地球上にもまだ人類には判明していないことが多いのだ。

■関連動画■diprotodon, cryptozoology

Click here to view the embedded video.

Viewing all 314 articles
Browse latest View live




Latest Images