今も豊かな自然が残る南の楽園パプアニューギニアには太古の恐竜が生き残っているのではないかと噂されている。以前、米国のニュース番組で「Tレックスが小型化したような恐竜が暴れまわり、射殺された」という情報が流れたことがある。結局、これはエープリルフールのジョークだったのだが、パプアニューギニアには恐竜が生き残っていても不思議ではないと思わせる妙な説得力がある。
現在、パプアニューギニアでは翼竜のような怪奇な生物が飛行する様子が目撃されている。この翼竜は以前から目撃者が多く、近年では個体数が減っているが、いまだに「デーモン・フライヤー(悪魔の鳥)」という異名で恐れられている。正式名称ではローペン、デュア、ワワナル、クンデュア、セクロバリ、インバダ、ゼングクロバリなど、地域、部族によって違っている。
現地では翼竜ではなく、魔神・魔物扱いされているが、現実に出現する生物のようだ。大きい体長(2〜7メートル)の翼竜と、小さい体長(90〜120センチ)の2種類の翼竜がいるとも言われており、小さい翼竜たちはビスマルク諸島に属するランブンゾという島々にある洞窟群に生息するのではと推測されている。
この怪物の外見的な特徴は、体毛などはなく鋭い歯が並んだくちばし、トカゲのような耳、2つに分岐した舌、蛇のような細長い首、うろこ状の膜翼である。
また、その体色はさまざまで、茶色、黒または暗褐色、赤みを帯びた黄褐色。まれに斑点のある場合もあるという。
さらに翼には、かぎ爪を持ち、その爪を使い直立した状態で、木の幹にとまったりするらしい。食べ物は魚や貝を食べると言われているが、葬式を襲って、人間の遺体を食べる場合や、埋蔵された死体を掘り起こして食べると言われている。
また、夜になると体が発光するという特徴もあり、「ローペン・ライト」と呼ばれており、発光と点滅を繰り返すとされている。近年、この飛行するライトの数が減っており、ローペンの絶滅が危惧されているのだ。
この怪物が欧米に知られたのは、1944年に陸軍騎兵の一員としてフィンスチャベン近くに駐在していたデュアン・ホジキンソン氏が、森の参道で怪物を目撃したことに由来する。その後、何度が目撃事件があり、1994〜2004年までに数回の調査探検が実施されている。うち何人かが目撃、撮影に成功している。
96年のある夜、宣教師ジム・ブルーム氏はマングローブ沼を見下ろす丘の上で、光る小さな物体が飛行するのを目撃した。また、04年に3人の米国人がウンボイ島で、ローペン調査を行った。そのうち1人が光る物体を目撃している。
06年後半、テキサス州に住むポール・ネーション氏はパプアニューギニア本島にあるリモート山岳を探検し、2つの光る飛行体をビデオに収めている。
07年、未確認生物研究家のジョシュア・ゲイツ氏はテレビ番組のローペン企画でパプアニューギニアに行き、夜間に光る飛行物体を目撃している。09年には日本の早稲田大学探検部がトライしているが、徒労に終わっている。
このローペンの正体に関しては、ニューギニアにはオオコウモリがたくさんいることから、コウモリ説がある。あるいはグンカンドリという説もある。果たして翼竜の子孫は、地球上に生き残っているのであろうか。