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Channel: オカルト評論家 山口敏太郎のUMA図鑑
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【219】ニホンカワウソ発見か!? 妖怪としての「獺(カワウソ)」

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「画図百鬼夜行」に描かれた妖怪としての獺(カワウソ)

 8月17日、琉球大学などのグループが長崎県対馬にいたカワウソの映像を公開した。動画は今年の2月6日に撮影されたもので、国内でカワウソが生きている状態で発見されたのは38年ぶりのことである。

 

 このカワウソが絶滅したとされるニホンカワウソなのか、韓国沿岸に生息するユーラシアカワウソが流れついたものなのか確認できていない。

 

 環境庁は7月から行った痕跡調査の際に発見したフンのDNAを調べたところ、ユーラシアカワウソのものだと判定されたと発表した。しかし、このフンが琉球大学が撮影したカワウソのものかどうかは不明だ。

 

 ニホンカワウソはかつては広い地域で見られたが次第に減少し、2012年には絶滅種に指定された。

 

 38年前、1979年の高知県内での目撃が最後で、個体が保護されたのは1975年の愛媛県の事例が最後である。

 

 カワウソは水泳が得意で南極、オーストラリア、ニュージーランド以外の全世界の水辺に生息している。カワウソの仲間であるラッコは水上で暮らしているが、それ以外の種類は陸上でも行動する。

 

 このカワウソ、日本ではタヌキやキツネのような実在する動物の一種でありながら、妖怪として人間をだます存在として親しまれてきた。漢字では「獺」と表記する。

 

 カワウソに関する伝承および伝説は日本各地にあり、美女や坊主に化けて人間をだましたり、驚かせるものが残っている。中にはアイヌの昔話で、人間に化けて人間の娘を殺そうとしたものもある。

 

 人間を化かす以外には、青森県では人間に取りつく妖怪だとも言われている。

 

 我が国で親しまれている水辺の妖怪に「河童」もいるが、この河童もカワウソの見間違えだという説もある。現在の河童のイメージは爬虫類のようなツルツルした肌が主流だが、古くは体毛が生えた獣のような絵も残されている。

 

 河童と河童の亜種は日本各地に分布しており、こうした水辺の生物を誤認した可能性は高い。

 

 静岡県に伝わる「川猿」という妖怪もサルというよりは河童やカワウソに近いのではないかと言われている。カワウソのような体毛の生えた獣が川を優雅に泳いでいたら物珍しくて妖怪だと思ってしまうかもしれない。

 

 他にもカワウソが人間らしい行動を取る例として「獺祭魚(だっさいぎょ)」というものがある。これは中国の七十二候のひとつで、2月の20日ごろを指す。カワウソは餌である魚を捕らえると川岸にきれいに並べる習性があり、それが先祖に供物をささげているように見えるために、カワウソの行う祭儀と解釈した。その季節を獺祭魚と呼んだのである。

 

 日本では9月19日を「獺祭忌」と呼ぶこともあるが、これは正岡子規が自身を「獺祭書屋主人」と称していたことに由来し、子規の命日を指す。

 

 現在はペットとしてもかわいがられ、動画でも人気のあるカワウソだが乱獲の理由は害獣として駆除されたことによる。カワウソの毛皮は保温性が高かったために人気もあった。

 

 また、農薬が普及して日本の河川の水質汚染が進み、カワウソがすめる環境ではなくなったという側面もある。人間のエゴによって絶滅の危機に瀕した面は否めない。今回の発見を長い目で見守りたい。

 

【動画】撮影された最後のニホンカワウソ 〜新荘川 1979年〜


【220】アンコウか新種か怪物か…「キャンベイ島のモンスター」

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当時の騒動を報じた新聞

 数々の小説に出てくるテムズ川。我々、日本人にもっともなじみのあるイギリスの河川かもしれない。その位置はイングランドの南にあり、フランスに向いた東側から首都ロンドンのある西へと流れていく。

 

 ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」、チャールズ・ディケンズの「オリバー・ツイスト」、アーサー・コナン・ドイルが書いたシャーロック・ホームズシリーズの「緋色の研究」にも出てくる。

 

 18世紀にはイギリス帝国の貿易の要となったが、その代償としてイギリスでもっとも汚い川のひとつとなる。「大悪臭」と呼ばれるほどであった。だが、1900年代の中ごろから清掃プロジェクトが大々的に展開され、川に生命が戻ってきたのだ。

 

 そんな1953年8月のこと。テムズ川の入り江の北側にある小さな半島のような形をしたキャンベイ島に奇妙な死体が打ち上げられた。テムズ川では洪水が起き、その直後に海岸で遊んでいた若者たちによって、この「キャンベイ島のモンスター」は発見された。

 

 体長は約76センチ、ピンク色の胴体と一体化したような頭部からは飛び出たような形でついた目。前足はないが、つま先が馬の蹄のような形をした後ろ足は生えている。二足歩行を想像させる形態だが、エラがついているところから水中の生物だということも分かる。

 

 実際に目撃した人物の証言では、皮膚は人間の肌に似ていて、周囲には「人魚だ」と言っていた人々もいたらしいのだ。この死体はすでに腐敗が始まっており、動物学者によって危険性がないことが確認されたあと、焼却処分された。

 

 しかし、キャンベイ島のモンスターはこれだけに終わらなかった。翌年1954年11月にも同じような死体が発見された。

 

 とある牧師が海岸を散歩していると、大きな生物の死体が転がっていた。今回の死体は120センチもあり、体重は11・3キロ。前回のものと比べるとかなりの大きさだ。

 

 そして前回のものと違うのは腐敗が始まっていないため、この奇妙な生物について調査をすることができたのだ。その結果、専門家にはアンコウの一種ではないかと考える人も多い。

 

 アンコウの中にはカエルアンコウと呼ばれる種類があり、このカエルアンコウは前足に見えるほど胸ビレが発達し、海底をまさに「歩く」のだ。さらに頭部に付いたツノのような突起物で他の生物を捕食する。

 

 確かに現在インターネット上でも見られる「キャンベイ島のモンスター」を捉えたとされる白黒写真を見た限りでは、アンコウの一種のようにしか見えない。しかし、この写真自体、怪物騒動が報じられたときにイメージ画像として使われたものなので気をつけたい。

 

 前述のように人魚と見間違える人も出てくるような形だったのだから、実際の怪物はもっと違う姿をしていたのではないだろうか。そのような説も根強い。

 

 目撃証言から推測するに、1900年代の中ごろにアンコウを「人間のような足にエラを持った生物」と見間違えたとは考えづらい。現在も正体は明らかになっていないが、新種の生物なのか、河川の汚染によって生まれた奇形なのか、謎は深まるばかりである。

 

 現在のテムズ川は世界中の都市を流れる、もっともきれいな川のひとつとなっている。

 

【関連動画】’River Thames monster’ filmed swimming near the O2 Arena

【221】北朝鮮と中国の国境にすむ謎の生物「テンシー」

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白頭山

 北朝鮮が8月29日に発射した1発の中距離弾道ミサイルは北海道の襟裳岬上空を通過し、太平洋に落下——日本列島に戦慄を与えた。

 

 我が国にも被害がもたらされる可能性はあり、警報システムのJアラートが発動され、北海道や東北地方などの国民に避難が促された。安倍晋三首相は北朝鮮への圧力強化の声明を発表し、国連安保理はミサイル発射を非難する議長声明を発表した。

 

 朝鮮中央通信は「太平洋を今後の標的として、さらなる弾道ミサイル発射演習を実施する」と予告。依然、東アジアの情勢は緊迫した空気が続いている。

 

 その北朝鮮にも有名な未確認生物が生息しているのをご存じだろうか。その名も「テンシー」。天池(朝鮮語でチョンジもしくは中国語でティエンチ)という湖にすむ大型の未確認生物なので、ネッシーになぞらえてテンシーと名付けられた。

 

 天池があるのは中国と北朝鮮の国境地帯にある白頭山(ペクトゥサン)。最初期の朝鮮民族と国家は白頭山で起こったと言われており、白頭山は朝鮮民族のアイデンティティーにとって重要な山なのである。

 

 韓国、北朝鮮では白頭山という呼称だが、中国では長白山。世界的にどちらの呼称を使うかでしばしば問題になる。また、第2次世界大戦中には抗日ゲリラの拠点でもあった。

 

 白頭山は火山で、現在も噴火の兆候があるとして極東の研究者たちの注目を集めている。そして天池は白頭山の頂上にあるカルデラ湖なのだ。直径約4キロ。天池を取り囲むように峰がそびえ立ち、不思議な光景を作り出している。

 

 このような環境のため、生態系には乏しいのだが、ネッシーのような大きな生物が目撃されたということでも世界中から注目を集めた。巨大な生物が存在するという伝説は300年以上前から存在しており、目撃報告自体は100年前から繰り返されている。これが1900年代に入って大きく変わったのだ。

 

 1903年が最初の目撃報告で、大きなバファローのような生物が6発の銃弾によって退いた。1962年には100人以上の人が水中で泳ぐ2体の怪物を見たという。

 

 1980年には中国側にある気象台の職員が怪獣のような生物を目撃、発砲する騒動になった。2002年になると3〜8メートルほどの大きさの生物が20〜30体ほど泳いでいたところが撮影され、この報道によって「チャイニーズ・ネッシー」とも呼ばれるようになった。

 

 2007年には中国のテレビリポーターが6体の未確認生物を20分間撮影したと主張している。

 

 テンシーの体長は最低でも3メートル。アヒルのようなクチバシと哺乳類、特に牛のような頭をし、体は犬のようだとも言われている。体は灰色の滑らかとも赤い毛が生えているとも…。

 

 首の長さが1・5メートルもあり、その首の根本に白い輪がある。腹部が白いなど諸説あるのは古い伝説と現在の目撃報告が交ざっているのだろうか。その正体も様々に噂されている。

 

 まず、北朝鮮の軍事演習や工作活動、大きな影は潜水艦や船という説だ。人目を避ける活動と人間を避ける野生の生物らしい習性が符合する。この説だと群れのような行動をしていたのも納得がいく。牛のツノのように見えたものが潜望鏡だとも推測できる。テンシーに関して中国側からの報告があるのに対して、北朝鮮が黙っていることも説明がつくだろう。

 

 他にはカルデラ湖特有の自然現象の一種で、生物がいるかのように波紋が広がる現象だとの指摘もある。

 

 いずれにせよ、テンシーの正体の早い解明が待たれる。

 

【関連動画】Chinese Nessie Filmed Emerging From Lake in China
https://www.youtube.com/watch?v=kFOncT3LUnA

【213】金属を食う怪物として伝承されてきた「パンダ」

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かつてパンダは伝承上の生物のような扱いだった

 今年の6月12日、上野動物園でジャイアントパンダのシンシンが出産した。この「5年ぶりに上野動物園でパンダが生まれた」というニュースは大々的に報道され、日本国民を大いに喜ばせている。

 7月に入ってからのニュースでは赤ちゃんはすっかり白と黒のパンダカラーになっていて、愛くるしい姿を見せている。しかし、このパンダはかつて未確認生物UMAというか、伝承上の生物のような扱いだったことをご存じだろうか。

 パンダといえば中国。中国での表記は「熊猫」。ジャイアントパンダは大熊猫。「パンダ」という言葉の語源はネパール語で竹を意味する「ポンヤ」に由来し「竹を食べる者」とする説が有力だが実際のところははっきりとしていない。

 未確認生物のような存在といっても、それは西洋的な視点であって現地の人たちの間では目撃されていた。古い文献では秦の時代の辞書「爾雅」に「獏(バク)」として、「白黒模様の竹を食べるクマのような生物」の記述がある。

 本来、バクは夢を食べる想像上の動物であり、やはり現代において「バクっぽい見た目なのではないか」ということで、白と黒の模様を持った哺乳類に「バク」の名が付けられている。パンダにも同じように、この想像上の動物が当てはめられて呼ばれていた可能性がある。

 また、バクは「鉄を食べる動物」としても伝わっている。「竹のような硬いものを食べるんだから鉄も…」と考えたあなた、ご名答である。

 これはパンダが竹を食べるところから、連想されたのではないかと言われている。当時は矢が竹でできていたため、パンダは矢を食べる生き物というように変わり、矢が金属で作られるようになってからも「矢を食べる」という伝承が残ったと思われる。

 この「金属を食べる」という面白い性質が取り上げられ、誇張されて、後の世でパンダは鉄を食べる生物として広まっていったのだ。

 この見た目も伝承も不可思議な動物、欧米人に発見されたのは1869年で、博物学者でもあるフランス人宣教師のアルマン・ダヴィドが四川省で毛皮を見たことによる。

 白黒の珍奇な見た目の生物はヨーロッパでは信じてもらえなかったが、アルマン・ダヴィドがパリの国立自然史博物館にパンダの毛皮と骨を送ったために存在が広まった。

 現在では未確認生物ではなくなってしまったが、中国の伝承に、このあまりに特徴的な容姿が重なって「謎の生物」として広まったことは納得がいく。唯一無二の見た目だからこそ、今もこんなに愛されているのである。

【関連動画】Elusive Giant Panda | National Geographic

https://www.youtube.com/watch?v=9YkrojbbwiA

【214】人類の禁忌の技術「人造人間・ホムンクルス」

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ホムンクルスの伝説を元に創作された現代作家の作品

 人間が人間の手で作り出す生命体「ホムンクルス」。さまざまな映画やマンガ、ゲームで題材になることも多く、たくさんの人に知られた存在であろう。

 それはただの怪物であったり、人工生命であるがゆえの苦悩が描かれたり、人間が人間の手で生命を創造することへの倫理観や、生命そのものへの議論が行われたりする。

 そんなホムンクルスもかつて作製に成功したと言われているのはご存じだろうか。

 時は16世紀。医学者で錬金術師のパラケルスス、本名テオフラストゥス・フォン・ホーエンハイムによって人工生命は誕生したと伝えられている。

 パラケルススは決して神秘主義一辺倒の人物ではなく、金属の化合物を薬品に初めて使用した人物で「医化学の祖」とも言われているのだ。また、錬金術も「金などの貴金属を作る」という大本の考えよりも、医薬品を作ることを主張した。

 このパラケルススがホムンクルスを生成させた方法は、フラスコの中に精液を入れ、40日間密閉し、腐敗させるというもの。次第に透明で人間の形をしたものが生じるとされている。

 フラスコの中には精液だけでなく、数種類のハーブと便や血液を加えるという説もある。それに毎日、人間の血液を加え、ウマの胎内と同じ温度に保った状態でさらに40週間保存していく。

 そうするとフラスコの中の人間の形をしたものは、本物の子供と同様の姿に変化していくというのだが、やはり器の大きさに左右されるのか、人間よりも小さいものだったらしい。

 ホムンクルスという言葉がラテン語で「小さい人」を指すというのも納得である。フラスコの中でしか生きていられないとも言われ、実在したとしても非常に弱い生命体であったのではないだろうか。

 しかし、ホムンクルスは生まれたばかりにもかかわらず、万物に関する知識や世界の真理を身につけており、パラケルススたち、人間の質問に対して何でも答えたとも伝わっている。

 このホムンクルスの生成に成功したのは、製法を記録しているパラケルスス以外にはいない。パラケルススにはにわかには信じがたい「悪魔使いであった」という噂が後世にも伝わり、どれが本当のことか分かっていない。

 筆者はこのホムンクルスは当時のクローン人間のような存在だったのではないかと考えている。

 キリスト教では神の領域に踏み込む実験として「禁忌」とされている。現在もキリスト教的な視点だけではなく、生命倫理の視点からも様々な問題点が議論されている。

 それまでのタブーや常識に挑戦し、新たな医学の研究をしてきたパラケルスス。ホムンクルスも倫理の聖域に挑む研究だったと感じるが、その一方でこうした姿勢が科学を発展させてきた側面もある。非常に難しい問題だ。

【動画】Как сделать гомункула (Homunculus)

【215】テキサスに現れたチュパカブラ?「エルメンドルフ・ビースト」

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重度の疥癬によって体毛の抜けたコヨーテ

 中南米を中心に目撃される未確認生物で、近年も大人気の「チュパカブラ」は、ヤギなどの家畜を襲うことで有名な吸血UMAだ。

 その容姿はサルのようなコウモリのようなイヌのようなカンガルーのような特徴を持っていて、UFOの目撃談とも親和性が高く、エイリアン説も出ている。

 最初の目撃談は1995年にカリブ海に浮かぶプエルトリコだった。以後、目撃談はそれぞれに特徴や状況が違い、現在の主流はイヌに近い四足歩行の姿である。チュパカブラという言葉は「ヤギの血を吸う者」という意味で、その定義は広がっているのかもしれない。

 2004年には米国・テキサス州にあるエルメンドルフでチュパカブラに似た生物が目撃され、射殺された。

 奇妙な生物を撃ち殺したのは同地で牧場を経営するデヴィン・マキャナリー氏。ちょうど、その時期にニワトリなどの家畜が襲われていて「警戒していた」と語っている。

 その生物は毛が生えておらず、青黒い肌をしていた。重さは20ポンド(約9キログラム)ほど。マキャナリー氏はすぐにチュパカブラのことが頭をよぎったという。15年間、牧場を経営してきた中でも初めて見る生物で、見つけた時には木の下で何かの実を食べていたところだった。

 この生物は「エルメンドルフ・ビースト」と呼ばれるようになり、近くのサンアントニオ動物園に勤務する動物の専門家たちですら、すぐには特定できなかった。

 彼らの調査によって頭蓋骨からメキシコに生息する毛のないイヌ=「メキシカン・ヘアレス・ドッグ」ではないかと、いったん決着はついた。この結論は正解ではなかったが、イヌ科の動物らしいという大きなヒントを得たのだ。

 ちなみにジャパンケンネルクラブによるとメキシカン・ヘアレス・ドッグは2011年から「ショロイツクインツレ」と犬種名を変更し、親しまれている。

 エルメンドルフ・ビーストはカリフォルニア大学で行われた分析によって、先天性で体毛がない生物ではなく、膵炎にかかったコヨーテであるとされた。

 テキサス州で同じような動物の死体が2例発見され、こちらは重い疥癬(かいせん=ヒゼンダニの寄生による皮膚感染症)を患っているコヨーテだと判明したのだ。これによって近年のチュパカブラもコヨーテの誤認説が主流となっていく。

 コヨーテの疥癬は重度になりやすい。疥癬の原因であるヒゼンダニに寄生されると、コヨーテは体毛が抜け落ちるだけでなく皮膚も分厚くなり悪臭を放つようになる。

 また、体も弱るために野生の動物を捕まえるよりも家畜の方が襲いやすくなる。外見だけでなくチュパカブラの生態とも符合する結論となった。

 チュパカブラという未確認生物はまだ解明されてはいないが、あまりに多い目撃例の中には科学的に説明がつくものもある。

 人間の先入観によって作り上げられた未確認生物像もある一方で、判明していない未確認生物も存在する。真実を知ることで未確認生物のロマンスは、よりクッキリと浮かび上がるのだ。

【動画】Elmendorf Beast

【216】絶滅危惧種ウナギの不思議な幼体「レプトケファルス」

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レプトケファルスのイラスト

 今年の土用の丑の日は7月25日と8月6日だが、ここ何年か、土用の丑の日に絶滅危惧種のウナギを食べていいものなのかと疑問を呈する声が上がっている。

 ウナギは万葉の時代から滋養強壮の食材としてタンパク質はもちろん、ビタミン類、特にビタミンAが豊富なことで知られており、夏の暑い時期を乗り越えるために栄養が豊富なウナギを食べようという風習が我が国にはある。

 しかし、2014年に国際自然保護連合によってニホンウナギは「絶滅する危険性が高い絶滅危惧種」に指定された。日本でのウナギの乱獲は世界的な問題となっている。

 また、ウナギの価格は高騰を続けているため、密漁が横行し、暴力団の介入も指摘されている。ウナギの消費が続くと反社会的勢力の資金源になることも危惧されているのだ。

 そんな中で土用の丑の日だからといって平気でウナギを食べるという風習は、現代にそぐわなくなってきているというわけだ。

「日本ではウナギの養殖って盛んなんじゃないの?」と考える方もいるかもしれないが、ウナギの養殖は天然のシラスウナギを捕獲して育てる。つまりシラスウナギそのものが捕獲できなければ、養殖することも困難なのだ。

 シラスウナギは謎が多く、近年までどこからやってくるのか不明だった。2006年になって魚類学者の塚本勝巳教授の研究によって、世界中でたった一か所、グアム島の西側にあるスルガ海山がニホンウナギの産卵場所だと解明された。

 ちなみにウナギの完全養殖、天然資源に頼らない養殖にも成功しているが、コストが非常に高いために市場に出回るようになるまでの道のりは険しい。

 稚魚の前段階である子魚が死にやすく、アブラツノザメの卵が餌だが、このアブラツノザメも絶滅危惧種の候補だ。さらになぜか養殖ではオスばかりに育ってしまう。

 その生態に不可思議な点の多いウナギだが、今回のテーマである「レプトケファルス」こそ、そのシラスウナギのことだ。ニホンウナギだけでなくカライワシ上目の魚の幼生の総称だ。

 シラスウナギという呼び名からも分かる通り、見た目はシラスのような細く白い魚で透き通った体を持つ。大きさは大体5センチ程度。これが1メートルほどのウナギに成長するのだ。

 しかし、幼生であるにもかかわらず巨大な固体が捕獲され話題になったことがある。なんと、その大きさは1・8メートルにも及ぶ。時は1930年、デンマークの海洋調査船が南大西洋のセント・ヘレナ島近くで捕獲したものだ。前述のように5センチのレプトケファルスが1メートルに成長すると計算すると、このレプトケファルスは36メートルにもなってしまう。

 ヨーロッパでは「シーサーペント(海洋で目撃された細長く巨大な体を持つUMAの総称)の正体が判明した!」と話題になった。その後も大型のレプトケファルスは捕獲されたが、成体は見つからないままだった。

 この巨大なレプトケファルスは1960年代になって正体が判明する。変態途中の固体が採取されたことによって、深海に広く生息するソコギス亜目という魚類の幼生である可能性が高いと指摘される。

 そして変態後も大きさはそれほど変わらないことも分かってしまった。どうやらシーサーペントの幼生ではなかったようだ。

 そもそもウナギが、レプトケファルスが非常に特殊な生態を持つのだが、その特殊性ゆえか、伝説上の生物と結びついてしまった。ウナギの生態の解明も進むことを願う。

【関連動画】レプトケファルス幼生 – Leptocephalus

【217】大きさだけでなく人間を超える存在としての「巨人」

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カーディフの巨人

 巨人——それは人間をはるかに超える大きさを持った人型の生物。古くはギリシャ神話に出てくる神々に戦いを挑んだ「ギガンテス族」や巨大な体を持つ神「タイタン」など伝承の中にも出てくる存在である。

 

 特に様々な妖精や怪物が登場する北欧神話において、巨人とは神々と相対する存在で、強大で破壊的な力を持ち、醜い存在として描かれた。人間にとって畏怖の対象であった「自然」を象徴するかのような存在である。

 

 旧約聖書にも「ネフィリム」という「天から落ちてきた者たち」という意味の巨人族がいる。神と人間の女の間に生まれた生き物だ。

 

 決して西洋文化だけの存在ではなく、中国では宇宙をつくる創世の神、天地開闢(かいびゃく)物語の主人公である盤古も巨人である。天と地がくっついていた時代に、毎日身長を伸ばして天と地を押し分けたのだ。

 

 ちなみに中国では2億年前に存在していた超大陸である「パンゲア」、つまり今の6大陸に分かれる前の大陸を「盤古大陸」と表記する。

 

 我が日本には妖怪ダイダラボッチの伝承が各地に残り、山や沼などの地形をつくっていったとされる。

 

 人間にとって最高の生物である人間、その上位の存在として「大きな人間」を人間が創造してきたことが推測できる。しかし、大きな人間が実在したのではないかと思わされるモデルがあったことも否定できない。

 

 我々の先祖である「クロマニヨン人」と共存していた「デニソワ人」はかなり身長が大きいため、「デニソワ人」を見た記憶が神話や伝説の巨人へとつながった可能性はある。

 

 16〜18世紀にかけて、ヨーロッパ人の間で噂になっていた「パタゴン」も巨人の一種だ。人類初の世界一周を成し遂げたマゼラン探検隊の一員、アントニオ・ピガフェッタがその存在を広く知らしめた。

 

 パタゴンは南米の南端で生活していたと言われ、現在も残る「パタゴニア地方」の語源である。

 

 当時のイラストでは探検隊の2倍以上の大きさで描かれ、諸説あるが、身長は4〜6メートルもあると言われていた。実際のパタゴンは190センチ程度だったと、後に研究結果が出ている。

 

 他にも19世紀末には出どころは不明だが、2メートル近い身長の巨人の全身骨格が出土し、写真も残されている。

 

 一方で巨人という他の未確認生物と一線を画す存在はロマンが詰まっているせいか、フェイクを生み出す騒動にもなった。

 

 1869年、ジョージ・ハルはニューヨーク州のカーディフに全長3メートルの人型の石膏像を埋め、自分でそれを掘り起こした。そして自分で「巨人の化石を掘り出した」と発表したのだ。

 

 ハルは科学知識にたけていたわけではなく、専門家たちはすぐにフェイクだと見破ったが、話題が独り歩きして全米を騒がせた。ハル自身は無神論者で、牧師と巨人の存在について口論になり、そこで巨人の捏造を思いついたのだ。

 

 前述の通り専門家たちには見抜かれていたが、キリスト教原理主義者の中には進化論を否定する証拠として「カーディフの巨人」を支持する者も現れた。

 

 ハルは巨人で興行を狙ったが、最終的にうまくいかず、偽造を認める結果となった。

 

【関連動画】REAL GIANTS VIDEO SHOCK REAL PROOF 100% 2017 Nephilim


【218】スコットランドの奇妙な料理の正体?「野生のハギス」

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スコットランドの伝統料理「ハギス」

 この写真、スコットランドの伝統料理である「ハギス」というものである。ハギスとはスコットランドの高地、ハイランド地方に生息すると言われる動物の名前だ。

 

 同地方に古くから伝わるハギスは全身を体毛に覆われた小型の哺乳類といった外見を持つ。スコットランド最大の都市・グラスゴーのケルビングローブ美術館に展示されている標本からは、特に頭髪が長いということが分かる。

 

 リスやムササビに近い顔つきのようだが、カモノハシのようにクチバシを持っているとも言われている。体毛の色は基本的に茶色で構成されている。

 

 左右の足の長さが違っており、これは山の斜面に合わせて形状が変わったため、右足が長い固体は反時計回りに、左足が長い固体は時計回りに早く走ることができると言われている。

 

 右足の長い種族は右足の長い種族同士で、左足が長い種族は左足が長い種族同士で交尾をするため、足の長さが交じることはないようだ。また、他にはハギスは3本足だという説もあり、足の長さの違いからそう見えたのではないかと筆者は考えている。

 

 ハギスは山の中でひっそりと暮らし、あまり人目には触れない生物である。満月の夜に心が清らかな人間だけが見ることができるという言い伝えもある。

 

 ここまで読んでお気づきの方もいるだろうが、このハギスは言い伝えの中に残る空想の動物である。ケビングローブ美術館の「野生のハギス」の標本も人工のものである。

 

 ハギスという料理は羊の胃袋に羊の内臓を詰めてゆで、または蒸したプディングの一種だ。内臓だけでなく小麦や玉ねぎ、ハーブを一緒に詰め、コショウなどの香辛料も使われる。

 

 近年ではベジタリアン用の野菜のみを使ったハギスもあるようだ。写真の通り、あまり見た目が良くないために架空の動物、ハギスから作られているという冗談が広まったのかもしれない。

 

 その一方で、このハギスを本当に「ハギスという動物の肉」だと思っている人もいるようで、スコットランドへの米国人旅行者の3分の1が勘違いをしているというアンケート結果も出た。

 

 しかし、現在はスコットランド人でも15%ほどの人がハギスを何なのかよく分かっておらず、認知度は下がっていると言われている。毎年「ハギスハント」と言われる、ハギスを捜索するイベントも行われているので、盛り上がってほしいところである。

 

【関連動画】The Tale of the Wild Haggis: from first sight to Burns Night

【219】ニホンカワウソ発見か!? 妖怪としての「獺(カワウソ)」

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「画図百鬼夜行」に描かれた妖怪としての獺(カワウソ)

 8月17日、琉球大学などのグループが長崎県対馬にいたカワウソの映像を公開した。動画は今年の2月6日に撮影されたもので、国内でカワウソが生きている状態で発見されたのは38年ぶりのことである。

 

 このカワウソが絶滅したとされるニホンカワウソなのか、韓国沿岸に生息するユーラシアカワウソが流れついたものなのか確認できていない。

 

 環境庁は7月から行った痕跡調査の際に発見したフンのDNAを調べたところ、ユーラシアカワウソのものだと判定されたと発表した。しかし、このフンが琉球大学が撮影したカワウソのものかどうかは不明だ。

 

 ニホンカワウソはかつては広い地域で見られたが次第に減少し、2012年には絶滅種に指定された。

 

 38年前、1979年の高知県内での目撃が最後で、個体が保護されたのは1975年の愛媛県の事例が最後である。

 

 カワウソは水泳が得意で南極、オーストラリア、ニュージーランド以外の全世界の水辺に生息している。カワウソの仲間であるラッコは水上で暮らしているが、それ以外の種類は陸上でも行動する。

 

 このカワウソ、日本ではタヌキやキツネのような実在する動物の一種でありながら、妖怪として人間をだます存在として親しまれてきた。漢字では「獺」と表記する。

 

 カワウソに関する伝承および伝説は日本各地にあり、美女や坊主に化けて人間をだましたり、驚かせるものが残っている。中にはアイヌの昔話で、人間に化けて人間の娘を殺そうとしたものもある。

 

 人間を化かす以外には、青森県では人間に取りつく妖怪だとも言われている。

 

 我が国で親しまれている水辺の妖怪に「河童」もいるが、この河童もカワウソの見間違えだという説もある。現在の河童のイメージは爬虫類のようなツルツルした肌が主流だが、古くは体毛が生えた獣のような絵も残されている。

 

 河童と河童の亜種は日本各地に分布しており、こうした水辺の生物を誤認した可能性は高い。

 

 静岡県に伝わる「川猿」という妖怪もサルというよりは河童やカワウソに近いのではないかと言われている。カワウソのような体毛の生えた獣が川を優雅に泳いでいたら物珍しくて妖怪だと思ってしまうかもしれない。

 

 他にもカワウソが人間らしい行動を取る例として「獺祭魚(だっさいぎょ)」というものがある。これは中国の七十二候のひとつで、2月の20日ごろを指す。カワウソは餌である魚を捕らえると川岸にきれいに並べる習性があり、それが先祖に供物をささげているように見えるために、カワウソの行う祭儀と解釈した。その季節を獺祭魚と呼んだのである。

 

 日本では9月19日を「獺祭忌」と呼ぶこともあるが、これは正岡子規が自身を「獺祭書屋主人」と称していたことに由来し、子規の命日を指す。

 

 現在はペットとしてもかわいがられ、動画でも人気のあるカワウソだが乱獲の理由は害獣として駆除されたことによる。カワウソの毛皮は保温性が高かったために人気もあった。

 

 また、農薬が普及して日本の河川の水質汚染が進み、カワウソがすめる環境ではなくなったという側面もある。人間のエゴによって絶滅の危機に瀕した面は否めない。今回の発見を長い目で見守りたい。

 

【動画】撮影された最後のニホンカワウソ 〜新荘川 1979年〜

【220】アンコウか新種か怪物か…「キャンベイ島のモンスター」

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当時の騒動を報じた新聞

 数々の小説に出てくるテムズ川。我々、日本人にもっともなじみのあるイギリスの河川かもしれない。その位置はイングランドの南にあり、フランスに向いた東側から首都ロンドンのある西へと流れていく。

 

 ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」、チャールズ・ディケンズの「オリバー・ツイスト」、アーサー・コナン・ドイルが書いたシャーロック・ホームズシリーズの「緋色の研究」にも出てくる。

 

 18世紀にはイギリス帝国の貿易の要となったが、その代償としてイギリスでもっとも汚い川のひとつとなる。「大悪臭」と呼ばれるほどであった。だが、1900年代の中ごろから清掃プロジェクトが大々的に展開され、川に生命が戻ってきたのだ。

 

 そんな1953年8月のこと。テムズ川の入り江の北側にある小さな半島のような形をしたキャンベイ島に奇妙な死体が打ち上げられた。テムズ川では洪水が起き、その直後に海岸で遊んでいた若者たちによって、この「キャンベイ島のモンスター」は発見された。

 

 体長は約76センチ、ピンク色の胴体と一体化したような頭部からは飛び出たような形でついた目。前足はないが、つま先が馬の蹄のような形をした後ろ足は生えている。二足歩行を想像させる形態だが、エラがついているところから水中の生物だということも分かる。

 

 実際に目撃した人物の証言では、皮膚は人間の肌に似ていて、周囲には「人魚だ」と言っていた人々もいたらしいのだ。この死体はすでに腐敗が始まっており、動物学者によって危険性がないことが確認されたあと、焼却処分された。

 

 しかし、キャンベイ島のモンスターはこれだけに終わらなかった。翌年1954年11月にも同じような死体が発見された。

 

 とある牧師が海岸を散歩していると、大きな生物の死体が転がっていた。今回の死体は120センチもあり、体重は11・3キロ。前回のものと比べるとかなりの大きさだ。

 

 そして前回のものと違うのは腐敗が始まっていないため、この奇妙な生物について調査をすることができたのだ。その結果、専門家にはアンコウの一種ではないかと考える人も多い。

 

 アンコウの中にはカエルアンコウと呼ばれる種類があり、このカエルアンコウは前足に見えるほど胸ビレが発達し、海底をまさに「歩く」のだ。さらに頭部に付いたツノのような突起物で他の生物を捕食する。

 

 確かに現在インターネット上でも見られる「キャンベイ島のモンスター」を捉えたとされる白黒写真を見た限りでは、アンコウの一種のようにしか見えない。しかし、この写真自体、怪物騒動が報じられたときにイメージ画像として使われたものなので気をつけたい。

 

 前述のように人魚と見間違える人も出てくるような形だったのだから、実際の怪物はもっと違う姿をしていたのではないだろうか。そのような説も根強い。

 

 目撃証言から推測するに、1900年代の中ごろにアンコウを「人間のような足にエラを持った生物」と見間違えたとは考えづらい。現在も正体は明らかになっていないが、新種の生物なのか、河川の汚染によって生まれた奇形なのか、謎は深まるばかりである。

 

 現在のテムズ川は世界中の都市を流れる、もっともきれいな川のひとつとなっている。

 

【関連動画】’River Thames monster’ filmed swimming near the O2 Arena

【221】北朝鮮と中国の国境にすむ謎の生物「テンシー」

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白頭山

 北朝鮮が8月29日に発射した1発の中距離弾道ミサイルは北海道の襟裳岬上空を通過し、太平洋に落下——日本列島に戦慄を与えた。

 

 我が国にも被害がもたらされる可能性はあり、警報システムのJアラートが発動され、北海道や東北地方などの国民に避難が促された。安倍晋三首相は北朝鮮への圧力強化の声明を発表し、国連安保理はミサイル発射を非難する議長声明を発表した。

 

 朝鮮中央通信は「太平洋を今後の標的として、さらなる弾道ミサイル発射演習を実施する」と予告。依然、東アジアの情勢は緊迫した空気が続いている。

 

 その北朝鮮にも有名な未確認生物が生息しているのをご存じだろうか。その名も「テンシー」。天池(朝鮮語でチョンジもしくは中国語でティエンチ)という湖にすむ大型の未確認生物なので、ネッシーになぞらえてテンシーと名付けられた。

 

 天池があるのは中国と北朝鮮の国境地帯にある白頭山(ペクトゥサン)。最初期の朝鮮民族と国家は白頭山で起こったと言われており、白頭山は朝鮮民族のアイデンティティーにとって重要な山なのである。

 

 韓国、北朝鮮では白頭山という呼称だが、中国では長白山。世界的にどちらの呼称を使うかでしばしば問題になる。また、第2次世界大戦中には抗日ゲリラの拠点でもあった。

 

 白頭山は火山で、現在も噴火の兆候があるとして極東の研究者たちの注目を集めている。そして天池は白頭山の頂上にあるカルデラ湖なのだ。直径約4キロ。天池を取り囲むように峰がそびえ立ち、不思議な光景を作り出している。

 

 このような環境のため、生態系には乏しいのだが、ネッシーのような大きな生物が目撃されたということでも世界中から注目を集めた。巨大な生物が存在するという伝説は300年以上前から存在しており、目撃報告自体は100年前から繰り返されている。これが1900年代に入って大きく変わったのだ。

 

 1903年が最初の目撃報告で、大きなバファローのような生物が6発の銃弾によって退いた。1962年には100人以上の人が水中で泳ぐ2体の怪物を見たという。

 

 1980年には中国側にある気象台の職員が怪獣のような生物を目撃、発砲する騒動になった。2002年になると3〜8メートルほどの大きさの生物が20〜30体ほど泳いでいたところが撮影され、この報道によって「チャイニーズ・ネッシー」とも呼ばれるようになった。

 

 2007年には中国のテレビリポーターが6体の未確認生物を20分間撮影したと主張している。

 

 テンシーの体長は最低でも3メートル。アヒルのようなクチバシと哺乳類、特に牛のような頭をし、体は犬のようだとも言われている。体は灰色の滑らかとも赤い毛が生えているとも…。

 

 首の長さが1・5メートルもあり、その首の根本に白い輪がある。腹部が白いなど諸説あるのは古い伝説と現在の目撃報告が交ざっているのだろうか。その正体も様々に噂されている。

 

 まず、北朝鮮の軍事演習や工作活動、大きな影は潜水艦や船という説だ。人目を避ける活動と人間を避ける野生の生物らしい習性が符合する。この説だと群れのような行動をしていたのも納得がいく。牛のツノのように見えたものが潜望鏡だとも推測できる。テンシーに関して中国側からの報告があるのに対して、北朝鮮が黙っていることも説明がつくだろう。

 

 他にはカルデラ湖特有の自然現象の一種で、生物がいるかのように波紋が広がる現象だとの指摘もある。

 

 いずれにせよ、テンシーの正体の早い解明が待たれる。

 

【関連動画】Chinese Nessie Filmed Emerging From Lake in China
https://www.youtube.com/watch?v=kFOncT3LUnA

【222】絶滅したネコ科最強「バーバリライオン」の生存を確認!

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1898年に描かれたバーバリライオン

 本連載も222回を迎え、ニャンニャンニャンということで今回は猫系のUMAを紹介したい。有名なのでご存じの方も多いと思うが「バーバリライオン」だ。

 

 ミステリー&オカルトニュースサイト「アトラス」を主宰している筆者にも縁の深いフレーズだが、バーバリライオンは別名「アトラスライオン」とも呼ばれる。体長は3メートル以上、最大の個体では尾まで4メートルを超えるような巨大な種だ。肩の高さがだいたい成人男性と同じくらいと想像してもらえば分かりやすいだろう。

 

 タテガミは黒く、自身の胴まで伸びていたと伝わっているが、近年はその信ぴょう性に疑問が持たれている。同じく絶滅種のケープライオンと似た特徴を持ったネコ科のライオンだ。

 

 そう、バーバリライオンはかつて実在し絶滅してしまった生物なのである。ネコ科最強とも言われるバーバリライオンは、雄々しく、あまりに美しかったために伝説としても語り継がれているのだ。

 

 ローマではグラディエーター、見世物として闘技場で戦う剣闘士の敵として使われることもあったという。映画などで見たことがあると思うが、野太い声で咆哮し、人間を恐怖に陥れる存在として抜群の動物である。

 

 また「勝利者の象徴」ともされていたためにシーザー王、カエサルは400頭のバーバリライオンを有し、ポンペイウスは600頭も有していたという。彼らは戦勝のパレードの際にバーバリライオンを連れていったのだ。

 

 生物としてあまりに強かったためか、ローマ帝国が衰退していく中で危険な生物として人間たちの手によって殺されていった。ローマ帝国の勝利の象徴はローマ帝国とともに滅亡の道を歩む。

 

 また、貴族によって「ライオン狩り」も行われたといわれ、どんどんと生息数を減らしていったのだ。その美しさと雄々しさが人間に好まれ、狩りの他にも動物園のために捕獲されたりと人間に翻弄される結果となった。

 

 バーバリライオンは北アフリカに生息していたが、その姿を消していく。強大な力を持つがあまり戦いを好まず、ライオンとしては珍しく山間の森林に好んで住んでいたのだが、1922年に射殺によって絶滅したといわれていた。

 

 しかし、我々人類は1996年にバーバリライオンに非常によく似た個体を3体発見する。2007年には純血種らしき最後の1体を保護するまでに至った。絶滅したと思われてから85年、バーバリライオンは人知れず生きていたのである。

 

 これが純血種であるかどうかは不明だが、確実にその血を引いた種が発見され、現在も飼育と繁殖が行われている。さらにモロッコのムハンマド5世のもとでは純血種が32頭も生存していたことも発覚する。ラバト動物園では3頭もの子供が誕生したのだ。フランスでは混血種の繁殖に成功し約50頭が飼育されている。

 

 人間の手によって滅ぼされた動物が21世紀になって生存を確認されたことは喜ばしい。他の絶滅が認定された生物も、その生存の可能性を諦めてはいけない。

 

【関連動画】Large Male African Lion (Panthera leo)

【223】邪悪な妖精「ゴブリン」がアルゼンチンに現れた!?

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邪悪な妖精「ゴブリン」

「ゴブリン」——日本でもすっかり有名な低級悪魔のような妖精。邪悪なモンスターの一種として描かれる一方で、イタズラとおふざけが好きというイメージを持っている人が多いだろう。

 

 見た目は小さな人間のようで、顔や肌は醜い。毛むくじゃらで耳は長く鼻も高く、長い三角の帽子や革の帽子をかぶっているイメージ。体は小さくとも頭や手足の先は大きいためにコミカルな印象も残る。

 

 日本では「小鬼」と訳されることもあるゴブリン。その言葉の通り、邪悪で小さな人形の妖精だ。そんなふうに思っている人も多いのではないだろうか。

 

 そのゴブリンがもし現代社会に現れたとしたら、やはり恐怖を覚える人は多いだろう。何をするか分からないのだ。しかし、現在もカメラの片隅に偶然写り込んだゴブリンらしき存在の報告は少なくない。

 

 その中でもハッキリとゴブリンの動く姿、そしてゴブリンらしい性質を記録した動画が撮影されたものがある。

 

 2017年2月にアルゼンチンのサンティアゴ・デル・エステロ市の公園で少年たちはサッカーをしていた。その様子はいたって楽しそうなのだが、撮影者が近くの茂みに異変が起こったことに気づいた。

 

 茂みの中から黒い小さな頭のようなものが動いたのだ。人が茂みの中でかがんでいる状態に見えるのだが、その様子がすでにおかしいのだ。

 

 というのも、茂みはサッカーをしている子供たちが入っても体が出てしまうほどで、この頭の持ち主はかなり体躯が小さい。

 

 撮影者だけでなく少年たちも異変に気付く。サッカーを一旦やめて茂みの頭に注目したら、その生物はまるでクロールのように手を動かして彼らに近づいてきた。撮影者も少年たちも慌てて逃げ出したところで映像は終わっている。

 

 少年たちは後日、その影を「人間のようには見えなかった」と証言し、地元ではゴブリンの出現が騒動になった。少年たちはもう現場の公園には行きたくないとも語っているそうだ。

 

 アルゼンチンではこれまでにもゴブリンのような生物が目撃され、中には人間によって銃撃された例もある。二足歩行で猿のようでありながら、猿とは明らかに違う生物が存在するようなのだ。

 

 J・R・R・トールキンの「指輪物語」を筆頭に、ファンタジーの世界を舞台にした物語で生息数の多い人型の異形として描かれる妖精のゴブリン。ひょっとしたらかつては人間に近い生命体として実在し、その生き残りがアルゼンチンのような未開の土地が多い場所に、ひっそりと生き残っているのかもしれない。

 

 また、南米ではチュパカブラやUFOの目撃も多く、それらと関連する可能性を考えると、これからも注目に値する出来事だと言えよう。

 

【関連動画】Kids Playing Get Approached by an Unknown beast They Claims was a Goblin
https://www.youtube.com/watch?v=eTVAj0RJvz0

【224】生命を創造した男の悲劇「アンドリュー・クロスのダニ」

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科学者のアンドリュー・クロス

 9月6日、宮崎県庁で行われたマダニの注意を促す記者会見で、準備していた生きたマダニが逃げ出す騒ぎがあった。知事は謝罪し、駆除はできたとの報告はあったが、実際に死骸を確認するのは困難で、本当に全滅できたのか疑問の声が上がっている。

 

 ニュースで見ていると、まるでコントのような一幕だったが、ホラー映画やパニック映画の始まりにも似たアクシデントであり、付近の住人にとってはたまったものではないだろう。

 

 このマダニの危険性というのは笑い話ではなく、腫れやかゆみはもちろん、発熱、筋肉痛、関節痛、吐き気、嘔吐、下痢などを伴った症状が1か月近くも続き、死に至る場合もある。これはマダニが持つ重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスのせいである。日本にいるマダニがすべてこのウイルスを持っているかは現在も調査中だ。

 

 ダニ…人の目に見えないほどの大きさで布団や畳にすみつき、血液を吸って強いかゆみを持たせる生き物。大ざっぱに言って虫だが昆虫ではなく、クモなどの節足動物の仲間。イメージはけっしていいものではなく「社会のダニ」のような悪い言い回しもある。

 

 一般的なダニのイメージはこんなところだろう。しかし、ダニには意外な一面がある。それは“地上最速の生物〟だということだ。

 

 よく知られる速い動物といえばチーターで、1秒間に移動する距離は自分の体長の約16倍だ。そして、この基準で最速と言われていた生物はオーストラリアハンミョウ(昆虫)で、体長の171倍も移動する。

 

 ところが、南カリフォルニアに生息するダニの一種はこの比ではない。1秒間に、なんと自分の体長の322倍もの距離を移動するのだ。これは人間に換算すると時速2100キロにもなり、直線距離で稚内から鹿児島市まで、東京からだと西表島まで1時間で移動することになる。

 

 今年8月には広島市の動物園でチーターがマダニにかまれて死亡したが、感染で殺され、自慢の足の速さでも負け、踏んだり蹴ったりである。ダニは繁殖能力も高いため生物として脅威と言えよう。

 

 そのダニの世界にも未確認生物はいる。

 

 1784年、イングランドに生を受けた科学者のアンドリュー・クロス。彼は「神にもっとも近づいた男」「フランケンシュタイン博士のモデル」「稲妻と閃光の男」などと言われ、絵に描いたようなマッドサイエンティストとして有名であった。知的探究心が強い半面、科学の教育をきちんと受けてこなかったために学術機関からは相手にされなかった。

 

 そのアンドリュー・クロスは進化の過程をすっ飛ばして生命を創造してしまう。

 

 1836年、クロスはガラスの結晶を作ろうとして実験したが、失敗に終わった。しかし、奇妙なものが付着していたため実験を続行したら数日後(1〜2週間後といわれている)に付着物から突起が生えていたのだ。それからさらに4週間ほどたつと、その突起を持った白いものはダニの姿になって繁殖していたのだ。

 

 さしものマッドサイエンティストも「そんなことが起こるはずはない。偶然張り付いていた卵が孵化したのだろう」と考え、同じ実験を再度行うことにした。結果は成功だった。徹底した無菌状態においてもダニが生まれたのだ。再度の実験を開始してから数か月たってからのことである。

 

 アマチュアとはいえ科学者であったクロスは、最初は自分でも信じていなかったが、自らの「生命の創造」を認めざるを得なかった。クロスはこの実験の結果をロンドン電気協会に報告した。

 

 ロンドン電気協会はクロスのレポートを無下にすることなく、再現することにした。すると、そこでも同じようにダニが発生したのだ。クロスは一躍有名になるが「神への冒涜」として世間から迫害されるようになってしまう…。

 

 恐らく本人も危惧していた通り、偶然張り付いていたダニの卵によるアクシデントだったのだろうが、それが続いてしまい、「成功」となってしまった。そして「成功」によって彼は不幸になってしまった。未確認生物にまつわる悲しいドラマである。

 

【関連動画】How to properly remove a tick
https://www.youtube.com/watch?v=27McsguL2Og


【225】グロテスクな見た目に異常な生態「エントツガイ」

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フナクイムシ

「エントツガイ」…そう聞いてほとんどの人は煙突のような細長い形の殻を持った貝、潮干狩りで砂に開いた穴に塩を入れたら出てくるアレかな?などと考えることだろう(ちなみにそれはマテ貝)。

 

 このエントツガイはフィリピンのマングローブ帯に多く生息し、地元の人たちには食用として身近な存在であるのに対して、フィリピン以外の国の海洋生物学者にとっては未知の生物のような存在だった。というのもあまりに特徴的な貝殻は見つかるものの、中身が入っている状態では捕獲できていなかったのだ。

 

 白いツノのような形状をしているからだろうか、エントツガイを「我々にとってユニコーンのような存在だ」と例える海洋生物学者もいた。しかし、その生態は未知の生物どころではない意外なものだったのだ。

 

 エントツガイはオオノガイ目の一種でフナクイムシの仲間と言われている。また、二枚貝の中では最長で、長さは1〜1・5メートル、野球のバットのような形をしている。

 

 フナクイムシは、その名の通り船の船体を食い荒らしてすむ。ヌメッとした細長い体でいわゆる蠕虫(ぜんちゅう)と言われる形状をしている。長くても30センチ、最長の個体の記録は50センチほどの生物だ。

 

 二枚貝の貝殻は体の先端についていて、これは身を守るものではなく木を削って掘り進むためにある。直径1センチ、長さ1メートル程度の穴を掘り、穴を石灰質でコーティングして巣にするのだ。これだけで妖怪のような生物である。

 

 さらに体内に共生するバクテリアが木のセルロースを分解して消化することができる。漫画「寄生獣」の寄生獣にも見える奇妙な形のフナクイムシ、その生態に昔の人も相当驚いただろう。

 

 エントツガイはこれがさらに1メートル超えの長さで、乳白色のフナクイムシに対して、青紫がかった黒なので不気味である。殻から出される様子はニュルンとかジュポンとした感触が伝わる。

 

 この生物の姿が生物学者たちに伝わり、生態が見えてきたのは今年の4月のことである。エントツガイはフナクイムシと違って泥の中にすみ、殻の一部を泥から出している。

 

 しかし、エントツガイは見た目以上にまた奇妙な点があった。まず体内に消化器官はあったものの萎縮して機能していない。さらに口にあたる部分は殻に覆われているので捕食自体ができないのだ。

 

 いったい、どのように生きているのだろうか。そのヒントはフナクイムシと同じく、体内に共生しているバクテリアにある。

 

 エントツガイは前述のように泥の中に生息しているが、その泥の中では有毒ガスの硫化水素が発生している。「硫黄くさい」などと言われる、卵が腐ったようなあのニオイのもとだ。死亡事故が起きたり、自殺にも利用され、毒性があることは広く知られているだろう。

 

 エントツガイに共生しているバクテリアが、その硫化水素を食べ、バクテリアが残した有機炭素を栄養にしてエントツガイは生きているのだ。動物でありながら無機物を栄養に変換し、まるで光合成のような行いで、食事をしない動物なのだ。

 

 エントツガイには不明なことが多い。世界にはまだまだ未知の生物、奇妙な生態、不気味な存在がたくさん残っている。

 

【関連動画】Discovery of Kuphus polythalamia.

【226】幻を作り出す巨大なハマグリ「蜃(しん)」

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鳥山石燕の描いた「蜃」

 皆さんは「長寿の動物」と言ったら何を想像するだろうか。伝説上で長寿とされて

いるカメは実際に長生きだ。カメの中でも大きいゾウガメは100歳を超える個体も多く、250歳を超えた可能性がある個体もいる。

 ゾウガメでなくゾウも長生きだ。60歳から80歳が寿命だといわれ、一昔前の人間と同じくらい生きている。そう、人間も含めて哺乳類、特に体の大きなものは寿命が長い。

 体の大きな哺乳類といえばクジラ。ホッキョククジラは90歳で生殖可能で、150〜200歳くらいまで生きるのではないかとの指摘があり、研究が進んでいる。

 海洋生物ではカイメンは1500年以上生きている種がいる。おいしいウニも200歳を超えていたり、395歳のニシオンデンザメもいる。成長が遅いと長生きする傾向にある。

 我々に身近な存在としては貝が長寿の生物として知られているのだ。最近はラーメンのダシとしても使われることで名前が広まっているホンビノス貝。この仲間であるアイスランド貝の中に400〜500年も生きている個体が発見された。

 日本の食卓でもなじみのある生物だが、ひょっとしたら長生きした貝を食べているかもしれない。

 そんな貝の怪物のひとつに「蜃」がいる。蜃気楼でおなじみの文字で「しん」と読むが、漫画の「NARUTO」で「おおはまぐり」として出てきたので、どのような怪物か分かっている人もいるのではないだろうか。

 妖怪や霊獣の一種で、海上に気を吐いて楼閣を作り出す力を持っている。姿は巨大なハマグリという説と「龍」の一種だという説がある。ハマグリの姿であれば水管から潮を吐くように、霧にも似た幻を吐いている様子が想像できる。

 蜃気楼でおなじみと書いたが実は逆で、蜃が先にいて、蜃が気を吐いて作り出す楼閣という意味で蜃気楼という言葉ができたのだ。

 龍とハマグリが混同してしまった経緯には諸説あるが、そもそもヘビとキジが交わったものが蜃になるという伝説もある。

 中国や日本では長生きしたヘビが龍へと「成る」伝説があるが、昔の人たちも貝が長寿の生物であることが分かっていたのだろうか。それにしても龍や獅子や麒麟と並ぶ霊獣として貝を選ぶセンスはなかなか面白いものである。

【関連動画】World Oldest Living Creature at 507, Killed By Scientists Accidently

【227】地形を作る巨人「ダイダラボッチ」の名を冠する生物とは!?

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巨人ダイダラボッチ

「ダイダラボッチ」とは日本各地に伝説を残す巨人の名前である。ダイダラボッチという名は妖怪っぽいが、その伝承を知ると神様のような存在だったのではないかと思わされる。

 各地に根付いている伝承らしく、さまざまな呼び名が残っている。「でいだらぼっち」「だいらんぼう」「デイラボッチ」「タイタンボウ」「おおきいぼちゃぼちゃ」…。枚挙にいとまがない。

 民俗学者の柳田國男によると「大太郎法師(だいだろうほうし)」が語源で、一寸法師の逆を意味したのではないかとの説を述べている。

 ダイダラボッチは、その大きな体を使って山や湖などの地形を作るのだ。国造りの神々の逸話が支配層ではなく、民間伝承として残ったものがダイダラボッチなのではないかという説が主流だ。

 その偉業を見てみると日本の象徴である富士山を作ったのもダイダラボッチなのである。その際に多くの土を使ったために甲州は盆地になったと言われている。

 他にはダイダラボッチが転んで手をついた場所が浜名湖になったとか、八ヶ岳の頭を蹴飛ばしたから八ヶ岳は山頂がデコボコだとか、逸話も枚挙にいとまがない。日本の地形に影響を与えた巨人として、ダイダラボッチは各地で愛されているのだ。

 そのダイダラボッチ、実は名前を冠する生物が実在する。「ヨコエビ」だ。ヨコエビと聞いてもピンとこない方も多いかもしれないが、エビのような甲殻類の一種で体の側面が平たいため横になっていることが多く、ヨコエビという名前がついた。

 実際にはエビの仲間ではなく、種類が多く、ものすごい深海に生息していることや陸にもいることで有名だ。ヨコエビは魚の糞や堆積した落ち葉を分解して自らが魚の餌になるため、生態系にとって重要な存在なのだ。

 ヨコエビは1ミリ程度のものから海底では2〜3センチと大きなものもいる。ダイダラボッチと言われる種類は同種でも最大で、30センチ近くにもなる個体も確認されている。触覚の長さや色の白さと合わさって非常に気味が悪い。

 海外ではアリケラギガンティアと言われ、ダイダラボッチは和名として正式に認められたものだ。これは理由は分からないが1994年の提唱から根付いている。

 ちなみにヨコエビの怖い話では、オーストラリアで少年が海に足をつけて音楽を聴いていて、海から上がったら足が血だらけになっていた事件があった。

 少年の父親は現場の海に肉片を入れてみると、2ミリ程度の大きさのヨコエビが数千匹も食いついて血を吸っていたのだという。国を作ったダイダラボッチと違って恐ろしい話だ。

【関連動画】Huge Cloaked Alien Spotted In Taitung? 2012

【228】巨大で獰猛なナマケモノ「マピングアリ」

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巨人ダイダラボッチ

“ブラジルのビッグフット”の異名を持つ未確認生物「マピングアリ」。体長が1〜2メートル、大きいものでは5メートルもあると言われている、二足歩行もできる毛むくじゃらの哺乳類型の生物のようだ。

 南米で毛むくじゃらの生物といえば、類人猿型かクマのようなタイプかとも思われるが、このマピングアリはナマケモノのような見た目をしている。全身は赤茶色か黒の剛毛で覆われている。

 性格はいたって獰猛(どうもう)。ジャングルの中をうろついている可能性が高く、マピングアリを恐れる現地人は「うなり声が聞こえたら、うかつに近づくのは危険だ」と話しているとか。

 家畜を食らうために生息地の近くの村を襲うとの噂もあり、肉食だということが分かる。ナマケモノに似ているとすれば、あの長く鋭い爪を攻撃に使う可能性も考えられるから恐ろしい。巨大で性格が獰猛なナマケモノというのも容易には想像できないが…。

 マピングアリに関してこんな目撃証言がある。とある猟師が森の中の洞窟の近くを通りがかったところ、その中からうなり声が聞こえてきたのだ。猟師は洞窟の中をのぞいてみると、奥からマピングアリらしき動物が猟師の方に向かってきた。その時のマピングアリの特徴として、足の親指が横に飛び出ていたそうだ。

 他にもマピングアリには大きな特徴がある。それは瓶を押し付けたような奇妙な形の足跡を残すと言われているのだ。

 この特徴からマピングアリの正体が推測できる。今から164万〜1万年前の太古の昔の新生代第四紀更新世に南アメリカ大陸にはメガテリウムというナマケモノの仲間が生息していた。日本ではオオナマケモノ、大懶獣(だいらんじゅう)とも呼ばれる。

 メガテリウムはナマケモノとしては最大で、全長が6〜8メートルもあった。当然のように重さもあり、現在のナマケモノのように木の上で暮らすことはできない。これが地上での歩行能力を高めたのではないだろうか。

 しかし、メガテリウムは草食だという説が強い。南米では最近までメガテリウムの仲間である、約1万年前にパタゴニア周辺に生息していた「ミロドン」を飼っていた人がいたとも言われている。

 いったいマピングアリの正体は何なのだろうか。

【関連動画】Megatherium

【229】溶けて涙になる体のUMA「スクォンク」

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 未確認生物と一口に言っても、その概念は広く、既存の生物学の体系からは大きくはずれたような生態を持つもの、古くから伝わる妖怪や幻獣のようなもの、不思議な生態を持つものなどが多くいる。しかし、中には常識では考えられないような能力を持ちながら学名を持つものも存在する。

 今回紹介する「スクォンク」という未確認生物は個体が確認されておらず、標本なども残っていないが「Lacrimacorpus dissolvens」という学名を持つ。これはラテン語で「溶けて涙になる体」という意味を持つ。では、その名前がついた経緯を説明しよう。

 スクォンクの記述がある文献は1910年にウィリアム・トーマス・コックスが刊行した「木こりの森の恐ろしい動物たち、砂漠と山の獣たち」という本である。この本はいわゆる“フィアサムクリッター”、つまりアメリカというまだ開拓されていない、自然の多い大陸における妖怪や不思議な生物、ほら話などを中心に書かれた内容になっている。

 そんなフィアサムクリッターの一種がスクォンクで、アメリカのペンシルベニア州の森やウィスコンシン州の山間部、砂漠地帯に生息していると言われている哺乳類型のモンスターだ。

 外見は非常に醜いとの評判だ。体中がイボとアザとシワに覆われ、顔はイノシシをグロテスクにしたような形状だと伝わっている。凶暴そうな生物とも想像できる容姿だが、実際には臆病で憂いや悲しみをまとって見えるとも言われている。

 活動する時間帯は明け方や夕方のような薄明るい時間帯。自身の醜悪さを自覚し、他の生物に自分の姿を見られることを嫌っているため、このような時間帯に動くとの逸話もあるほどだ。

 さらにスクォンクは醜さを自覚し、悲しむあまり、常に涙を流している動物だとも言われているのだ。臆病で自虐的な生物とはなんとも悲しい限りである。スクォンクが通った場所には点々と涙の跡が残るため、猟師などは涙の跡をたどってスクォンクの居場所を見つけるらしい。

 しかし、スクォンクの個体は前述のように残されていない。それは驚いたり恐怖を感じると泣きすぎて自身の体を溶かしてしまうからである。

 スクォンクの声まねをして捕獲して袋に入れて持ち帰ったという証言も残っているのだが、袋を開けると中には水と泡しか入っていなかったという。これが「溶けて涙になる体」と名付けられたゆえんである。

 実際には自然界で耳にした奇妙な音の正体が分からず、そのすすり泣くような音の原因を妖怪のような生物として当てはめたもので、それが面白おかしく広まったのではないかという説もある。

【関連動画】亡くなった御主人のお墓の前で泣き崩れる犬

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