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Channel: オカルト評論家 山口敏太郎のUMA図鑑
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【250】奇跡の毛皮を持つ美しいトラ「ブルータイガー」

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青い毛並みが美しいブルータイガーは実在するのか?(写真はイメージ)

青い毛並みが美しいブルータイガーは実在するのか?(写真はイメージ)

 未確認生物の中には、我々が知っている生物ながら微妙に姿や身体的特徴が違っているというものがある。

 UMAはあくまで新種として認められていない生物も該当するので、昨年に新種として認められたオランウータンの一種なども該当する。

 このインドネシア・スマトラ島で見つかったオランウータンは、既知のオランウータンと違い「縮れた毛」に覆われている。大型類人猿の新種が発見されるのは新種発見の中でも珍しいケースにあたるため、一躍注目を集めた。新種として認定されるまでは、現地で細々と目撃証言があったにすぎない。非常に希少で絶滅が危惧される種であったが、地道な調査の結果、実在していたことが判明し、新種に認定されたのだ。

 このように、実在しているか判然としない亜種もまたUMAの範ちゅうに該当する。たとえば、ユーラシア大陸に生息しているのではないかとみられている「ブルータイガー」もその一つだ。

 ブルータイガーは文字どおり、青い毛並みのトラのこと。中国や朝鮮半島、ビルマ(現ミャンマー)などで目撃証言が存在することから、アモイトラやスマトラトラの亜種ではないかと推測されている。

 初めてこのトラの目撃証言が出たのは1910年9月、宣教師のハリー・コールドウェル氏が中国・福建省の森の中に入った時だった。非常に濃い青色の大きな物体が動いたように見えたため、何なのか確認しようと目を凝らしてみたところ、トラの毛皮の黄色い部分が全て美しい青色に染まっている個体がいるのが確認できたのだという。

 彼はたまたま猟銃を手に森に入っていたため、仕留めようとも思ったそうだが、距離が離れていたうえに、トラに気づいていない地元の子供が2人いた。子供を巻き込んではいけないと思って場所を移そうとしたところ、トラも何かを察知したのか、向きを変えて森の中に入って消えてしまったのだという。

 このような青いトラの目撃証言は朝鮮戦争時代の韓国国内や、ビルマなどでも報告されていたようだ。

 毛色が違うトラといえばホワイトタイガーがいるが、こちらはベンガルトラの白変種であり、わずかに茶色やクリーム色の体色が出てくるものも存在している。それでなくとも霊長類を除く現生哺乳類の大半は感知できる色が少ないため、体色も単色の濃淡に1色追加される程度など、我々から見ると地味な色合いになるのだ。

 もし、茶色い部分が青い個体がいたとしても、トラ同士では「別の個体がいる」と認識できないかもしれない。白変種でもない限り、自然界に別の色を持つ毛並みの個体が発生する可能性は極めて低いはずなのだが、真相は果たして?


【251】ついに死体が打ち上げられた!? 米ジョージア州の「アルタマハ・ハ」

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地元メディアに掲載された「アルタマハ・ハ」の写真をイラスト化したもの

 3月16日、米国・ジョージア州のウルフアイランド国立野生動物保護区の浜辺に謎の生物の死体が打ち上げられて話題になった。

 発見者は最初、アザラシの死体と思っていたのだが、近寄ってみると、まるでネス湖のネッシーのような外見だったので驚いたという。

 イラスト(地元メディアに掲載された写真を元に作成)が問題の生物の死体だ。生物は全体的に緑がかった灰色で、約1・2〜1・5メートルの長さがある一対のヒレがある。長い首の先には小さな歯が生えていたそうだ。

 果たして、この生物の正体は何なのか。

 魚やイルカの死体ではないかとする見方もあるが、姿が違いすぎるという意見も出ている。そこで出てきたのが、死体が発見されたウルフアイランド近海に生息すると言われているUMA「アルタマハ・ハ」ではないかとするものだ。

 アルタマハ川の河口や周辺の島などで昔から目撃されている未確認生物で、イルカのような尾を持ち、体を上下にくねらせながら飛び跳ねるように泳ぐとされている。体長は6メートル前後、イルカのようだが、体は細長く、想像図ではネッシー寄りに描かれることが多い。

 過去の目撃証言によれば、口の中には鋭い歯が並んでいる、背中にはコブが2つあったともされている。また、2010年には「アルタマハ・ハ」らしき謎の生物が川を泳いでいく様子が撮影されてもいる。

 目撃証言は昔からあり、1735年にスコットランドからの入植者が川で泳いでいる「アルタマハ・ハ」らしき生物を目撃している。

 米全土に知れ渡ったのは、1981年の目撃情報が新聞に掲載されたことによる。この時は釣りをしていた人々が、スピードボートのような速さで泳いでいく「2つの大きな物体」を目撃。ここから「アルタマハ・ハ」は「非常に長い体」ないしは「背中に大きなこぶがあるのでは」と考えられるようになった。この目撃情報が新聞に掲載された後、現地からは「自分も見た」という目撃情報が相次いだ。

 現在では「アルタマハ・ハ」はすっかり地元に定着し、今では「アルティ」という愛称で呼ばれたり、ジョージア州ダリエンのビジターセンターには「アルタマハ・ハ」のフルサイズのレプリカも作られているほど人気のモンスターとなっている。

 今回死体で発見された生物は、あまりに「アルタマハ・ハ」の姿のイメージ図と合致していたうえに、魚やイルカにしても姿が違いすぎるということで注目を集めた。しかも発見場所のウルフアイランドはアルタマハ川の河口にも近く、生息域も重なっている。

 果たして、この生物の正体は何なのだろうか。現地では今も正体を追っているという。

【関連動画】2010年のアルタマハ・ハを捉えた映像

【252】奄美大島に出現した恐竜のような怪物の正体は?

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奄美大島に伝わる「南島雑話」にあるアマダツ退治の様子を描いた?挿絵

 未確認生物の中には、はるか昔に生きていて今は絶滅している生物が生き残っていた、とするものが多い。ネス湖のネッシーも古代の海に生息していたプレシオサウルスではないかと昔から言われているし、カナダのオカナガン湖に生息するオゴポゴは絶滅した古代のクジラであるバシロサウルスではないかとする説も存在している。

 確かに絶滅したはずの恐竜や古代生物が実在していたとなれば大発見だ。そんな恐竜が江戸時代の日本に現れていた!?と思える文献が存在している。

 それがこちら、鹿児島県の奄美大島に伝わる「南島雑話」に登場するものだ。絵巻の中には長い顔に背中が黒く、腹部の赤い巨大生物が描かれている。大きな口には牙が並んで生えており、大きなカギ爪の生えた細い足に長く太い尾がある。

 まるで昔の恐竜の想像図をほうふつとさせる絵になっているが、果たしてこの生物は何なのだろうか。

 この「南島雑話」の記述によれば、この生物は島の方言で「アマダツ」、一般には「駝竜」と呼ばれているものだという。住用の内海という場所に存在していた浅瀬には、度々海からこのような大きな生物が這い上がってきて、草深いところで昼寝をしていたり潜んでいることが多かったという。あるとき、村の女性が馬の綱に木をくくりつけたもので捕らえることに成功し、男たちが総出で打ち殺したのだそうだ。

「南島雑話」にある挿絵はまさしくこの「アマダツ」退治の様子を描いたものだったのだろう。

 さて、アマダツは退治されたが、その後をどうするか村人の間で議論になったようだ。さばいて食べることになったようだが、村の老人が「万が一、毒にあたってしまってはいけないから、老い先短い我々が先に食べてみよう。毒がないことが分かったら若者たちも食べればいい」と提案し、煮て食べることにした。すると、海亀に似た味で非常においしいものだったため、皆で分けることにしたのだそうだ。

 結局、地元の人々に食べられてしまったアマダツだが、果たしてこの生物は何だったのだろうか。

 まるで恐竜そっくりの見た目をしたアマダツだが、もう一つの名前「駝竜」に正体のヒントがある。実は「駝竜」は現在でいう「イリエワニ」のことなのだ。さすがに昔であっても日本にワニが生息しているとは思えないが、中国のヨウスコウワニやイリエワニについては文献や口伝で存在を知っていたらしい。

 また、沖縄はじめ南の島にワニが泳ぎつくという事実は現代でも報告されており、2017年10月には同じ鹿児島県の加計呂麻島で小型のワニが発見されている。このワニは体長約60センチで、流木などに乗って東南アジア方面から流れてきたのではないかとされている。ワニはある程度の遊泳能力があるので、大陸から台湾を経由し、島伝いで渡ってきた可能性もある。

 当時の人々が戦い、描いた生物は日本に生息していなかった外来生物だったのかもしれない。

【253】130年前の捕獲を最後に存在が確認されていない美しい鳥「ミヤコショウビン」

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ミヤコショウビンの近縁種「アカハラショウビン」

 未確認生物といえば「ネッシー」や「ビッグフット」「チュパカブラ」など怪物的なものを想像する人がいるかもしれない。だが、未確認生物の定義はあくまで種として特定されていない、生物学的に存在が確認されていないものが該当する。この連載で過去に紹介したニュージーランド唯一の固有哺乳類「ワイトレケ」などもまた未確認生物の範疇(はんちゅう)に入る。

 そんな「生息が確かになっていない」意味での未確認生物は日本にも存在する。南の島に生息する小さくて美しい鳥「ミヤコショウビン」がそうだ。

 ミヤコショウビンは図鑑などにも掲載されているが、頭から腹にかけてが赤褐色、後頭部と背は暗緑色、翼上面と尾は藍色、足がだいだい色という非常に鮮やかな色遣いをしている。Halcyon miyakoensisという立派な学名も付けられているこの鳥が、なぜ未確認生物なのか。それは19世紀に標本が1体採取されて以降、存在が確認されていないからである。

 今から131年前の1887(明治20)年、植物学者であり民俗学者であった田代安定氏が沖縄県宮古島で調査中に珍しい鳥を捕獲、標本として保管し東京帝国大学(現在の東京大学)の動物学研究室に預けた。それから30年後、日本の鳥類研究学者である黒田長礼博士が田代氏に発見当時の様子を聞き、標本を調査。1919(大正8)年に新種の鳥「ミヤコショウビン」として認定されたのである。

 しかし、発見から50年たっても宮古島では他の個体が発見されることはなかった。標本1羽分しか確認されていないミヤコショウビンは、1937年に絶滅種と認定されてしまったのである。

 ミヤコショウビンについては様々な謎が存在している。まず、本当に別の種類の鳥だったのかどうか、という点だ。それというのも、ミヤコショウビンはグアムに生息しているアカハラショウビンと非常に似た姿となっている。唯一、足の色がミヤコショウビンはオレンジ色という点が違うため新種とされたのだが、もしかするとアカハラショウビンの変異個体などだった可能性もあるのだ。鳥好きの人物が外国から持ち込んだ可能性や、遠隔地からの迷い鳥であった可能性も捨てきれない。

 残された標本も現在では非常に傷みが激しいため、調査は非常に難しいものとなっているそうだが、DNAや分子生物学的解析を行うことで新たな事実が出てくる可能性もあるとされている。

 南の島を飛んでいた色鮮やかな鳥の謎が解明される日も近いのかもしれない。

【254】イヌイットの伝説に登場する恐ろしい人魚「クァルパリク」は実在した!?

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米国・アラスカ州に伝わる恐ろしい人魚「クァルパリク」のイメージ画

米国・アラスカ州に伝わる恐ろしい人魚「クァルパリク」のイメージ画

 未確認生物の中には、昔から現地に伝説が残っている妖怪と習性が似ているものがある。日本の妖怪である「カッパ」も現代でも目撃例が多いため、実は今でも存在しているのではないかとされている。

 海外でもメキシコの「フライング・ヒューマノイド」が現地の魔女伝説との類似性を指摘されていたり、米国でもフォークロアに登場する化け物だったはずの「ジャージー・デビル」やネーティブ・アメリカンの神話に登場する巨大な鳥「サンダーバード」はそれらしき生物がたびたび目撃されて話題となる。

 そんな〝伝説の中の怪物と思われていたはずの生物〟のしわざとしか思えない事件が現代でも報告されて話題になっている。

 米国・アラスカ州で2000年代から謎の行方不明事件が多発しているというのだ。04年5月、同州南東部ジュノーの沖合へボートで釣りへ出ていた男性2人が恐ろしい体験をした。竿に大物の当たりが来たため引き上げようとしたのだが、逆に釣り人の方が海に引きずり込まれてしまった。その直後に巨大な尾が海面に現れ、ボートの縁を海中からつきだした手がつかんだという。その手には水かきと鋭い爪があったそうだ。

 それからアラスカでは数年おきに、海に漁や散策に出た人々が失踪するようになった。誰もが一緒に行動していた知人らと離れて1人になったり、死角に入ってから失踪していること。まるで何者かによって海に引きずり込まれたような証拠が現場に残されていたことなどが共通していた。

 さまざまな証拠と目撃証言から、現地の人々は「これは伝説の化け物クァルパリクのしわざに違いない」と考えて震え上がったそうだ。

「クァルパリク」は長い髪に緑色の肌、手に長い爪を生やした人魚のような怪物であり、常に水中に潜んでいて、水辺に近づく子供を引きずり込んでしまうとされていた。独特のハミングのような歌を歌うため、出現する時には歌声がしないかよく気をつけていれば逃れることもできると伝えられている。

 本来、クァルパリクはあくまでイヌイットの伝説に伝わる妖怪の一種でしかなかった。そのため、現地の人々は子供が言うことを聞かなかったり、1人で遊ぼうとすると「クァルパリクにさらわれてしまいますよ」などと言い聞かせたという。

 この伝説のクァルパリクの特徴と、失踪事件で目撃された怪物の特徴や物証が実に一致しているのだ。たとえば06年9月のケースでは、同州南部コディアック島を訪れたカップルが泳いでいる間に足をつかまれた。彼らは逃げることに成功したのだが、2人が目撃したのは海中から彼らの方を見ている背びれと長い尾のある人間のような生き物だったという。

 また、07年夏に同州南部キナイ半島の浜辺での失踪事件では、指の間に水かきのある足跡が砂の上に残されていたそうだ。

 果たして、彼らは何に引きずり込まれたのか。アラスカの冷たい海の中には、いまだ知られていない怪物が潜んでいるのかもしれない。

【255】監視カメラが捉えた「空飛ぶヘビ」の正体は

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トレイルカメラで撮影された謎の棒状生物

 米国・ニューメキシコ州在住のある男性が「空飛ぶヘビ」と名付けた謎の生物らしきものの姿を捉えた一連の写真を公開して話題になっている。

 現地で牧場を経営しているクレイ・シェフ氏は、4月17日に海外の未確認生物を中心に取り扱っているサイト「クリプトズーロジー・ニュース」に「自身の牧場に設置してあるトレイルカメラが、過去に奇妙なものを捉えていたのだが、正体が分からないだろうか」と問い合わせたところから始まっている。

 トレイルカメラは監視カメラの一つで、牧場に仕掛けられたものは動物などの動きを捉える狩猟用にも用いられている。彼は数日おきに、このカメラの映像をチェックし、どんな野生動物が牧場を訪れているか確認するのを習慣にしていたという。

 そして、2012年6月25日にカメラが捉えていた連続写真のうち一枚に、説明のつかない奇妙な生物が捉えられていたのだ。写真には、画面を斜めに横切るように大きな棒状の物体が写り込んでいる。

 それは一見、ヘビのように見えるが、目鼻などはなく、どこに頭があるのかも分からない。らせん状にねじれた棒のように見える外見で、そもそもどうやって飛行しているのか、本当に生物なのか不明な外見となっている。

 不思議なことに、この写真の前後数分間に撮影された写真には、謎の棒状生物は捉えられていないのだ。

 この生物については、1990年代から2000年代にかけて広く話題となった「フライングロッド」現象を連想させるとの指摘が出てきている。「スカイフィッシュ」とも呼ばれたもので、初めは非常に素早く飛行するため肉眼では捉えきれず、固定されたカメラで偶然撮影に成功するまでは、存在が確認できなかったのだと言われていた。

 だが、検証の結果、スカイフィッシュはカメラのシャッタースピードの関係で奇妙な姿に写ってしまった昆虫にすぎないと専門家が判断し、急速に収束した。

 今回、写真に捉えられたものもスカイフィッシュと同様の原理で撮影されているのではないかと考えられていた。しかし、同じ昆虫によるものとするには、従来のスカイフィッシュの事例からはかけ離れているし、前後の写真にはこのような棒状の影となる原因となったであろう生物などの姿が捉えられていない。

 果たして、この棒状の物体の正体は何だったのか。便宜的に「空飛ぶヘビ」と呼ばれているが、やはりスカイフィッシュのような未確認生物は実在していたのだろうか?

【256】まるで陸に上がったセイウチ!?角の生えた凶暴な「ディンゴネク」

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モノクロニウス(想像図)の生き残り説も出てきているディンゴネク

 いまだに人の手が入っていない自然の多いアフリカには、未知の生物が多いとされている。それは普通の動物だけではなく、未確認生物も同じだ。

 実際、アフリカには「モケーレ・ムベンベ」や「ナンディ・ベア」など、さまざまな未確認生物が生息しているとみられる。あまりにも多くの未確認生物に関する証言があるため、いずれアフリカのどこかで本当に未確認生物が発見されるのではないかと期待してしまうほどだ。

 そんなアフリカの未確認生物の特徴には、いずれも「現代では既に絶滅してしまっている」恐竜などの古代生物に酷似しているものが多いという点がある。

 今回紹介する「ディンゴネク」もその一つだ。

 ディンゴネクはアフリカのコンゴやガボン、カメルーンなど西アフリカ地方の主にジャングルに昔から生息しているとされている。体長は3〜4メートルほど。全身は灰色、なめらかな皮膚で覆われているとも、センザンコウのようなウロコがあるとも言われている。

 首の短いゾウのような姿をしているそうで、その全体像はさながら陸に上がったセイウチのようだという。なにより特徴的なのは額から生えた一本の巨大な角で、尻尾はサソリに似ており、猛毒も持っているとされている。

 ディンゴネクは非常に気性が荒く、水辺でカバやワニと縄張り争いになった際は相手に襲いかかると言われている。そのため、現地の人々にも恐れられており、むやみに刺激したり、縄張りに近づかないように気をつけているのだそうだ。

 ディンゴネクの伝説は昔から存在したようだが、1900年代には「実際に目の当たりにした」という目撃証言が多数報告されている。ジャングルで巨大な足跡を発見、追跡したところ、サイに似た謎の生物と遭遇したという証言も存在している。

 果たして、このディンゴネクの正体は何なのか。姿や行動からアルマジロやゾウなどの誤認という説や、サーベルタイガーやモノクロニウスなどの角竜の生き残りではないかとする説も出てきている。

 だが、これらの生物は目撃されている地方に生息していなかったとされており、またディンゴネク自体の目撃証言も伝聞が主で非常に少ないため、判断はつきかねるものとなっている。

 アフリカには同じように角の生えたUMA「エメラ・ントゥカ」が生息しているとされている。このUMAも気性が荒く、また地域や部族によって「チペクウェ」や「アセカ・モケ」「ンガンバ・ナマエ」など多数の名前で呼ばれている。もしかすると、ディンゴネクもこれらの「角の生えたUMA」の異名の一つなのかもしれない。

【257】実はあの妖怪は未確認生物!?「あやかし」と「シー・サーペント」の類似点

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鳥山石燕の妖怪画集「今昔百鬼拾遺」に描かれている「あやかし」

 以前、この連載でアラスカの先住民族であるイヌイットの伝説に登場する怪物「アミクック」について紹介した。ぬるぬるとした肌を持つ巨大な生き物で、足やヒレの代わりに人間の腕に酷似したものが4本生えており、海だけでなく陸上にも上がって生物を捕まえて食べるという。この怪物の特徴が近年極地の海で生息しているのではないかと噂されているUMA「ニンゲン」に似ている可能性について述べた。

 世界各地にはさまざまな妖怪の伝説が残っているが、「河童」のようにいまだに目撃証言が存在しているものや、もしかすると現在未確認生物として噂されている生物と同じものなのではないか、と考えられる特徴を持つものも少なくない。

 そんな未確認生物との関連性が考えられる日本の妖怪には「あやかし」が挙げられる。

 あやかしは西日本から九州の海に出没する、巨大な海の妖怪だ。鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」には、波間からいくつも出てくる長い蛇のような体が船のへさきにまとわりついている様子が描かれている。とりたてて悪さをするわけではないのだが、とてつもなく体が長い。時折、船をまたぐようにして入ってくるのだが、全身が通り過ぎるまでに何日もかかるうえに体からは終始大量の油を出しているため、常に油をくみ出さないと、あやかしによる油の重みで船が沈んでしまうとされていた。なお、地域によっては「イクチ」とも呼ばれている。

 このあやかしは「全身があまりに長くてしっかりした姿を見た者がいないためにこの名前で呼ばれている」という説と「海で起こるさまざまな怪異の総称である」という説がある。

 確かに、他にも海に出る妖怪であやかしと呼ばれているものは多い。女の化け物が引き込もうとするものや、沖合に発生する怪火(かいか=原因不明の火)も同じくあやかしと呼ばれているため、後者の意味合いが強いのかもしれないが、ここでは〝巨大な海の妖怪〟としての側面にのみ焦点を当てる。

 さて、この巨大なあやかしだが、妖怪の割には思いのほか生態が伝わっている妖怪でもある。全身から油を滴らせているなどの特徴や、伝承の中には「多くの子供の個体も引き連れていた」というものも存在している。そこから考えると、あやかしもまたアミクックと同様に、巨大な海の未確認生物を可能な限り表現して、存在を伝えていたものだったのではないかと推測できるのだ。

 海にすむ巨大な未確認生物は複数存在しているが、「シー・サーペント」が一番メジャーだろう。この未確認生物はそのものズバリ、巨大なヘビのような姿をしており、時に船を襲ったり、クジラなどと激しく戦っている様子が目撃されたりもした。

 そこで現在では「ダイオウイカ等の誤認」や「絶滅してしまったが実際に伝承に登場するような巨大な生物がいたのではないか」「発見されていないだけで実際にシー・サーペントは存在するのではないか」などと言われている。

 日本の妖怪、あやかしの特徴もまた、シー・サーペントと重なる部分は少なくない。もしかしたら昔の日本の外洋にはシー・サーペントが多く生息していて、その目撃例を語り伝えたものが、あやかしだったのかもしれない。


【258】超巨大な台湾ハブと沖縄在来ハブの混血種「スーパーハブ」

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沖縄在来ハブ(写真)と台湾ハブとの混血種が沖縄にすむとされている「スーパーハブ」

 近年の未確認生物の中には、それまで自然界に存在していなかった交雑種〝ハイブリッド生物〟も含まれる。

 ハイブリッド生物という言葉は、生物学の世界で使われている言葉であり、俗に言う雑種という意味だ。このハイブリッド生物は、しばしば人間の手によって生み出されることもある。有名どころでは「イノブタ」がある。イノブタはイノシシとブタの雑種で、食べづらいイノシシの肉をブタと交配したことでおいしくすることができる。

 他にも、動物園やテーマパークで展示するために、ハイブリッド生物が生み出された場合がある。「レオポン」は父親がヒョウで、母親がライオンという組み合わせから生まれた。「タイゴン」は父親がトラで、母親がライオン。「ライガー」は父親がライオンで、母親がトラ。ただし、これらの交雑種はいずれも一代限りとなっており、繁殖は不可能となっている。

 いずれにせよハイブリッド生物はイノブタのように成功した場合では本来の種よりも有利な特徴を得ることもある。だが、それが非常に危険な生物へと生まれ変わってしまうケースも存在しているのだ。

 それが沖縄にすむとされている「スーパーハブ」だ。ハブが超巨大化した、台湾ハブと沖縄在来ハブの混血種とされるUMAである。

 以前、本欄は「ハブラ」を紹介した。ハブラはハブとコブラのハイブリッド生物で、普通のハブよりも毒性が強く大型であり、また血清も効かないという。沖縄では過去にマングースなどとの対決のために持ち込まれたタイコブラが逃げ出して野生化してしまい、それと在来のハブが交尾すると子供が生まれる可能性があるそうだ。

 ハ虫類の専門家いわくヘビは簡単に混血が生まれ、さらに毒が強化される可能性が高いのでかなり危険なのだという。スーパーハブも血清が効かず、毒性も倍増しているからかまれたら老人、子供は一撃でアウトなのだそうだ。

 UMAの文献において、UMAの正体としてこのハイブリッド生物という言葉を導入したのは筆者・山口敏太郎である。飼育下ではなく野生でも近い種類の生物が交配し、子供をつくった場合、見慣れない生物が生まれてしまい、UMAとされることが多いのではないかと筆者は考えている。

 しかし、他の未確認生物である「カッパ」や「ツチノコ」と違い、ハブラやスーパーハブは実際に生息している可能性が極めて高いという点が恐ろしい。夏になり、休暇に沖縄へ旅行する人も多いかもしれないが、ハブはもちろん、スーパーハブやハブラにも気をつける必要がありそうだ。

【259】アフリカ最大の湖にいる?「ルクワタ」

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ルクワタのものとしてしばしば紹介される「南アフリカ共和国のザンベジでカバがカヌーを襲った事件」の挿絵

 ケニア、ウガンダ、タンザニアの3国にまたがって存在するビクトリア湖はアフリカ最大の湖だ。面積は世界第3位、日本の琵琶湖の100倍もの表面積がある巨大なものとなっている。

 ナイル川の水源の一つでもあり、多くの固有種が生息している豊かな生態系を持つ湖でもあり、昔から多くの原住民がここに定住して古くから漁業や交易の場として活用してきた。

 ビクトリア湖は100万年以上前から存在している古代湖の一つで、多くの固有種が進化し生息しているとされている。近年では大型のナイルパーチが放流されて固有種の絶滅や生態系が絶滅の危機に瀕していると言われているが、今でもこの湖にしか生息していない生物も存在しているという。

 そんなビクトリア湖最大の生物かつ危険生物ではないかとされているのが「ルクワタ」だ。

 19世紀に白人の探検家らがビクトリア湖に到達し、現地の人々に調査を行ったところ、この生物の存在が明らかになった。ビクトリア湖の中には巨大な謎の生物がおり、時折姿を見せるのだという。

 大きさは約30メートル。イルカのような体と四角い頭を持ち、腹の部分は白いという説もある。

 このルクワタはさまざまな姿が報告されている。「カバに角を生やしたような姿」というものや「ネッシーをほうふつとさせる首長竜のような姿」「巨大なシー・サーペントのような蛇体」というものだ。そのため、正体については特定がしづらい状態となっている。

 ちなみに、この記事の画像はよくルクワタのものとして紹介されることが多いが、1866年に描かれた「南アフリカ共和国のザンベジでカバがカヌーを襲った事件」の挿絵である。あくまでイメージなので、実際のルクワタとは姿が違う可能性が高い。

 そもそもルクワタのはっきりした目撃証言は非常に少なく、大半が「水の中や遠くに巨大な影が見えた」というものなのだそうだ。そこから考えると、ルクワタは「湖の中にすむ正体不明の巨大生物」のざっくりとした名前なのではないかと考えられるそうだ。

 そこで、ビクトリア湖周辺に生息している巨大なニシキヘビや、湖の中にすんでいるナマズやナイルパーチが大きく育った個体を誤認したものがルクワタだったのではないかとする説が一般的である。

 また、ルクワタは地元の人々には湖にすむ精霊として信仰の対象にもなっているという。

 以前、この連載で紹介したパプアニューギニアの「ミゴー」も未確認生物と信仰対象の2つの側面があった。ルクワタもミゴーと同じく、地元の人々に現代まで語り継がれてきた未確認生物と言えるのかもしれない。

【260】若狭湾の謎の巨大生物死体漂着事件「ユッシー」

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 時折、海岸に謎の巨大生物の死体が漂着し、未確認生物のものではないかとして注目を集めることがある。そんな死体は大抵、波や潮に流されて姿を消してしまうのだが、今回紹介するものは違う。なんと一度発見され流されたはずの死体が戻ってきてしまい、再度発見されたという不思議な経緯をたどったものである。

 1979年3月、福井県三方郡三方町(現・三方上中郡若狭町)遊子(ゆうし)の漁師が大敷網漁(おおしきあみりょう)を行っていたところ、網の中に巨大な骨を発見。長さは約10メートルほどで、脊柱の先にドラム缶ぐらいの頭蓋骨らしき骨がついていたという。

 半分は象牙色の肉で覆われ、ヤツデのような形の胸びれらしき骨も残っていたそうだ。発見時には腐敗が進行していたため、漁に悪影響が出るとして沖合20キロのところに死体を捨てた。だが、それから2か月後、遊子海岸一帯に腐敗臭が漂い、脂や肉塊が浮かぶ事態が起きた。漁師らは船を出して湾内に浮かんでいた腐敗した肉片や脂を回収し、外海に捨てた。

 それでも騒動は終結しなかった。7月29日、遊子海岸の沖合いに存在する千島と呼ばれている岩礁でダイビングを行っていた人物が水深5メートルの海底に大蛇のような巨大な骨を発見。まさしく3月に漂着した生物の骨に間違いなかったのである。

 だが、地元の人でも不思議に思う点があった。死体は一度外海に捨てられている。潮の流れから考えて、湾内に死体が戻ってくることは考えられないというのだ。

 この怪物の死体騒動は当時、地元で騒動になり、読売新聞など各種メディアで取り上げられる騒動となった。なお、この怪物は当時のメディアではネッシーになぞらえて「ユッシー」の名前で呼んでいたようだ。

 果たして、この生物の正体は何だったのか。当時の報道では、動物学者に鑑定を依頼して正体はウバザメではないかという結論を得ている。

 確かにこの地域には、昔から大型のサメを指す「ワニ」が外海に出るという言い伝えがあった。地元の年配者によれば、外海で漁をしていると時々、大きなワニが群れでやって来て、漁船を囲んでぶつかってきたり、逃げる船を追いかけてきたりしたという。しかし、疑問も残る。ウバザメは温厚で動きも遅く、漁船に襲いかかったり船を追いかけるようなスピードは出せないとされているのだ。

 この近海にはサメとはまた別の怪物がすんでいたのだろうか。怪物の謎は完全に明らかになったとは言えないのである。

【関連動画】福井県若狭町の遊子海水浴場

【261】モンタナ州で発見されたのは新種のハイブリッド生物「コイウルフ」か?

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米国で発見された奇妙な動物は「コイウルフ」とみられている(ユーチューブから)

 今年の5月末、米国で奇妙な生物が発見・射殺されて話題になっている。

 モンタナ州のある農場付近で、毛むくじゃらの生物の目撃証言が相次いだ。土地所有者は地元のレンジャーに調査を依頼。レンジャーたちが周辺を警戒していたところ、謎の毛むくじゃらの生物が家畜に襲いかかろうとしているのを目撃。その場で射殺したのだという。

 レンジャーたちが仕留めた生物は異様なものだった。大きな牙、茶色の毛皮を持ち、イヌとするには非常に大きなもので、これまで確認されたことのない特徴を持つ生物だったのだ。

 この生物はモンタナ・フィッシュ野生動物公園の研究所に持ち込まれDNA検査が行われる予定だが、今のところ正体は分かっていないという。

 今回の生物について、ある生物の可能性が考えられるとしている。それが現在北米大陸で勢力を広げているというオオカミとコヨーテのハイブリッド生物「コイウルフ」だ。

 近縁の生物の中には混血が進んだ結果、両方の特徴を備えた新たな個体が誕生し、場合によっては種として確立するケースもある。有名なところではウマとロバの混血である「ラバ」などだろう。以前この連載でも取り上げた「ハブラ」「スーパーハブ」など、別種の毒ヘビが混血に成功してしまい、猛毒を持つようになってしまったケースもある。

 コイウルフは犬8%、オオカミ8%、コヨーテ84%の遺伝子構成で、北米大陸のカナダに生息していたハイイロオオカミが生息域を減らす中、広く生息しているコヨーテの血を取り入れることで子孫をもうけることに成功したものだとされている。

 コヨーテよりも大型で大きなアゴを持ち、声もオオカミとコヨーテの中間のような鳴き声だという。恐るべきはその環境適応能力で、果物や野菜などの残飯も食べることができ、これまでのオオカミのテリトリーを越えて都市部にまで生息域を広げている。

 大型の食肉生物に該当するが、夜行性で今のところは人間に危害を加えたりはしていないらしい。というのもオオカミもコヨーテも警戒心が強い生き物で、人間を自分より脅威的な存在であると認識しているため、被害は出てきていないのだという。しかし、このまま都市部への進出が広がっていくと、場合によってはペットや子供が襲われる可能性も出てきてしまうとされているので、注意が必要だろう。

 北米大陸で新たな種として根付くようになったコイウルフ。果たして共存は可能なのだろうか。

【関連動画】Huge Wolf-Like Monster Discovered ? DNA Testing Ordered

【262】英帆船が遭遇した長い体でクジラを絞め殺すシーサーペント

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海の怪物遭遇事件をイラストで報じる「東京平仮名絵入新聞」(上)と英メディア(下)

 明治9(1876)年1月29日付「東京平仮名絵入新聞」の「妖怪新聞」コーナーに、海外で起きた事件として非常に迫力のある絵(イラスト上)とともに「海の怪物」の目撃情報が紹介された。

 記事によると、1875年7月8日、イギリスの帆船パウライン号が英海軍省の積み荷をアフリカにある植民地のザンジバルへ届けるために航行中、3匹のクジラが浮上してきた。だが、そのうちの一頭の様子がどうもおかしい。ジョージ・ドレヴァル船長をはじめとする船員たちが状況を見守っていると、そのクジラの体に巨大なウミヘビが長い体を二重、三重に巻きつけて締めつけているのが分かった。

 海上から確認できるだけでも、頭と尻尾の長さはそれぞれ9メートルはあり、背中は赤とび色で腹は白かったという。

 しばらく巨大なウミヘビとクジラは格闘していたが、やがてウミヘビが海中にクジラを引きずり込むと、大きな木が折れるような音が2度、3度響いてきた。近くにいた2頭のクジラも助けようとしたのか、追いかけるように潜っていったが、そのまま姿を消した。

 船長や船員たちは「あの音は大ウミヘビがクジラに巻き付いて、そのまま背骨をへし折ってしまった音ではないか」と想像し合ったそうだ。

 その5日後の13日にも、パウライン号は同じ怪物とみられる大ウミヘビに遭遇している。このときは海上に12メートルほど蛇体(じゃたい)が出ており、翌14日は18メートルはあろうかという鎌首をもたげた状態で接近してきたそうだ。

 両目を見開き、大きな口を開けていたため、船員らもクジラのように攻撃されるのかと斧などの武器を手に持って待ち構えていたが、幸い大ウミヘビはそのまま波の中に姿を消したという。

 その怪物とクジラの格闘の様子は迫力のイラスト付きで紹介されていたため、当時の人々の目を楽しませたであろうことは間違いない。

 当然、この事例は現地でも新聞記事となって報道されたが、その際に掲載された絵(イラスト下)は衝(笑?)撃である。波の中、クジラにグルグルと巻きついているウミヘビの姿が描かれている。ポカンと大口を開けている様子はなんとも間の抜けたものである。

 怪物に反して遠方の船(パウライン号と思われる)がやたらリアルに描かれているのだが、この絵はパウライン号の船員で甲板から目撃したE・L・ペニー氏が描いたものだそうだ。船に比べてゆるいタッチの怪物で実に味のあるものとなっている。プロと素人の違いはあれど、国が違うとここまで描写が違うのかという面白いものになっている。

 さて、クジラすら絞め殺す怪物の正体=シーサーペント(海洋で目撃、あるいは体験される、細長く巨大な体を持つUMAの総称)は何だったのだろうか。フランスで2016年に発行された海上史誌掲載の論文によると、怪物の正体はブイとそれぞれをつなぐ丈夫なロープだったのではないかということだ。

 ここでは19世紀から20世紀初頭に報告された多くの海の怪物の目撃は、実際にはクジラ、ウミガメ、その他の海洋生物等の誤認が大半を占める可能性があるという仮説も併記されている。

 しかし四六時中、海で過ごしている船員たちが全員、海の生物と漁具を見誤ることなどあり得るのだろうか。それを踏まえたうえでも実に興味深い事件であるといえるだろう。

【263】オズボーン号が目撃した風変わりなシーサーペント

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「シーサーペントを目撃したオズボーン号」のイラスト

 昔から海には巨大なウミヘビの怪物「シーサーペント」が出現すると言われていた。姿はそのものずばり巨大なウミヘビのようなものが大半で、北欧や欧州などさまざまな地域に目撃例の記録が残っており、20世紀初頭まで報告例が存在していた。

 たびたび海岸に漂着する謎の巨大生物の死体「グロブスター」も、このシーサーペントの死骸の一部ではないかとされることもあり、目撃例が少なくなった近年でも実在の可能性が挙げられることがたびたびある。

 そんなシーサーペントの姿は前述のとおり巨大なウミヘビというものが大半なのだが、中には複数のヒレを持っているなど、普通のヘビとは違う外見をしているものも存在している。

 中でも特徴的なものは、19世紀に英国海軍の帆船オズボーン号が目撃したとされるものだ。目撃された際の描写をもとにしたスケッチが残っているのだが、そこには黒く丸い頭部らしきもの、大きな背中と一対のヒレが海面から飛び出ている様子が描かれている。もしかしたら海中に存在している部分はヘビのように長いのかもしれないが、スケッチから分かる姿はウミヘビというよりはウミガメに近い見た目であることが分かる。

 この謎の生物は1877年6月6日、オズボーン号がジブラルタル海峡付近を航行中に目撃したものだ。時刻は夕方、波は穏やかであったという。その生物は船から1・5キロほど離れたところを泳いでおり、丸い頭の大きさは約1・8メートル、首は短く1・2〜1・5メートル、肩幅は4・5メートルとかなり広く、そこからウミガメのものに似た長さ4・5メートルの大きなヒレが生えている様子が確認できたそうだ。

 また、海中に没しているところも含めると、体全体の大きさは15メートルほどもあるように見えた。ヒレはウミガメに近かったそうだが、全体的には巨大なアザラシに似ていたという。

 また、クジラのように潮を吹いたりするような行動は確認できなかった。この生物について、既知の生物のいずれとも違う姿をしていたと報告されている。

 果たして、この生物の正体は何なのだろうか。この生物に関する論文を書いたヘンリー・リー氏は並んで泳ぐサメや海生哺乳類がシーサーペントに見えた可能性について述べているが、古代の海に生息していた巨大なカメのアーケロンが生き残っていた可能性もないとは言えない。

 実際、日本近海には「海和尚」など、巨大なウミガメの姿をした妖怪が出ると考えられていた。また、生息していた中生代から環境が変化していたとはいえ、今よりはずっときれいな海にはアーケロンも適応し生息できていたのかもしれない。

 このスケッチはそんな古代のロマンをかきたてるものとなっている。

【264】10代の青年たちが食い殺された!?ペンサコーラ湾の「人食い生物」

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右は青年たちが巨大生物に襲われた事件を報じる「フェイト・マガジン」(1965年)。左は目撃者によるスケッチ。

 未確認生物に関する情報の中には、最近の書籍であまり紹介されなくなった話があったりする。今回紹介するのは1990年代ごろまでの書籍にたびたび掲載されたもので、子供たちの心に大きな衝撃を与えたのではないかと思われるエピソードだ。

 1962年3月24日、米国・フロリダ州ペンサコーラ湾で10代の青年たち5人が沖に沈んだ難破船に向かってダイビングをしていた。当初、この日は晴れていたが、夜になって霧が出てきてしまい、彼らが乗ってきていたボートでは岸に戻ることができなくなってしまった。

 それほど岸からは離れていないはずだったが、右も左も分からない。そんな濃い霧の中に何か巨大な生物が潜んでいるのが感じられた。生物が動くような水音がしたその瞬間、突然、暴風が生じて船がひっくり返ってしまい、彼らは海に投げ出されてしまった。慌てて彼らが岸の方へ泳いでいこうとすると、巨大な生物が姿を現し、彼らに襲いかかってきたのである。彼らは無我夢中で泳いだが、1人、また1人と襲われ、最終的には5人のうち4人が無残にも食い殺されてしまったのだという。

 生き残った青年の通報を受けて沿岸警備隊が周辺を捜索したところ、溺死した仲間1人の死体が回収されたが、残る仲間たちの死体は見つからなかった。

 目撃証言によれば、この生物は「首の長さが約3・6メートル、茶色がかった緑色でなめらかな皮膚をしていた。目は電球のように輝いており、明るい緑で楕円形の瞳孔をしていた。顔はウミガメに似ていたが、口からは鋭く長い牙が生えていた」。海の上に首を出していた様子はさながら「電柱のよう」で、暗い水の中だったが背びれのように見えるものがあったそうだ。

 未確認生物の攻撃を受けるという事例は少ないが、ないわけではない。だが、今回のように次々と襲われて食い殺されてしまうというケースは非常に珍しいものであるといえる。

 この話は1965年に発行された「フェイト・マガジン」に生き残った人物エドワード・ブライアン・マクレアリー氏によるスケッチとともに掲載され、衝撃をもって受け止められた。

 ちなみに日本の各種書籍では日時や名前が他の事件と混同して紹介されてしまい、混乱を生む原因となってもいるようだ。なお、今回の記事は前出の「フェイト・マガジン」の記事の描写を参考にしている。

 この話は子供向けのUMA図鑑やオカルト系の書籍にも掲載されていたため、当時の子供たちのトラウマになったであろうことは想像に難くない。だが、本当に怪物が人間を襲って食い殺すようなことがあり得るのだろうか。

 この事件に関する検証は現地でも行われており、怪物の姿は蒸気船かマストを立てた船などを濃霧のために見間違えたもので、怪物ではなく大型のサメに襲われてしまったのではないかとする説が出てきた。しかし、生物に関する描写があまりに詳細であることなどから、一概に誤認したとも言えず、玉虫色の結果となっている。

 なお、被害に遭ったマクレアリー氏は今も存命であるが、現在は事件に関する証言をしていない。


【265】全身にウロコを持つ謎の巨大生物「ヴェオ」

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東南アジアやアフリカに生息するセンザンコウ

 インドネシアのコモド島ではその昔、「ドラゴンが生息している」という噂がささやかれていた。この島には人間より大きなトカゲがいる、人を襲って食べてしまうらしい…というものだ。

 当然ながら、この生物の正体は世界最大級のトカゲであるコモドオオトカゲのことだった。

 基本的には臆病であり、飼育下では人間に慣れるそうだが、肉食であるため野生の個体が人間を襲ったり、かまれた人間が死んでしまうケースもあったので、一種の伝説じみた存在として受け止められていた時期もあったようだ。

 例えば、島ではコモドオオトカゲと人間は神によってともに造られた存在であるとする話が伝わっている。また、中国の船乗りがコモド島のドラゴンの話を伝え聞いて、本国で触れ回り、竜に近い妖怪の伝説の描写に一役買ったという話もある。さらに、発見当初はその巨体と、全身がウロコに覆われた厚い皮膚などから、本物のドラゴンのように火を吹くオオトカゲである、などの噂が出回ったりしたという。

 そんなインドネシアには、他にも「全身にウロコが生えた巨大な生物」が生息しているという伝説があった。

 その名前は「ヴェオ」。生息場所はコモド島のすぐ近くに存在するリンチャ島である。伝説によれば体長は2メートルはゆうにあり、全身を大きなウロコが覆っているという。夜行性であり、アリやシロアリを求めて夜の森をさまようとされていた。また、長く太い尻尾を持っており、尻尾を支えに後足で立つこともできるとされていた。

 さて、このヴェオの描写で思い出される動物がが実在する。それが東南アジアやアフリカに生息しているセンザンコウだ。全身に大きなウロコが並んで生えていて、このウロコは捕食者からの身を守る手段にもなる。食生も虫やシロアリなどを食べるとされているので、大きさ以外はヴェオと全く同じものなのだ。

 また、古代のインドネシア・ジャワ島には、かつて2メートルを超えるセンザンコウの祖先が生息していた痕跡が発見されているため、ヴェオはこの古代のセンザンコウが現代まで生き残っていたものなのではないかと見られている。

 一方でリンチャ島には現在は数が少なくなったものの、コモドオオトカゲも生息している。そのため、コモドオオトカゲが「全身にウロコのある謎の巨大生物」と誤認された可能性も少なくない。

 現在ではヴェオの目撃証言はかなり少なくなっているという。果たしてヴェオは今もリンチャ島にいるのだろうか。

【266】LiLiCoも興味津々!ヘビの体にネコの顔?スウェーデンの湖にすむ「ストーシー」

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巨大なヘビを封印したとされるルーン文字が刻まれた石

巨大なヘビを封印したとされるルーン文字が刻まれた石

 先日放送のTBS「世界ふしぎ発見!」に出演したタレントのLiLiCoが「自分が興味を持っているUMA」として一風変わった名前を出した。その名も「ストーシー」。なんでも「ヘビのように長い体をしていて、ネコのような顔をしている」湖にすむUMAだというのだ。湖にすむUMAは「ネッシー」を始めとして非常に多いが、「ネコのような顔をしている」というのは珍しい。果たして、どのような未確認生物なのか。

 ストーシーはスウェーデンのストールション湖に昔から生息していると言われており、地元の人には非常になじみのある未確認生物なのだという。

 この生物に関する伝説は実に約400年前から存在しており、父親がスウェーデン人のハーフであり、ストックホルムに住んでいたLiLiCoは幼いころからよく聞いていたのだろう。

 ストーシーに関してはこのような伝説が伝わっている。

「その昔、ヤタとカタというトロル(妖精)がストールション湖の側にすんでいた。彼らは大きな釜でいろいろなものを混ぜ、煮つめたり醸造して、さまざまな薬を作っていた。ある晩のこと、彼らがたくさんのものを混ぜ込んだ釜のそこから奇妙な声が聞こえた。それは泣き声やうめき声に変わり、やがて大きな音とともに釜から飛び出して湖の中に落ちていった。それは黒いヘビの体とネコのような頭をした怪物で、湖の中で非常に大きく育った。あまりにも手がつけられなくなったので、人間にルーン文字を伝えた賢人が魔法のルーンを刻んだ石を創り、湖の中の島に縛り付けた…」

 他にも同時期にアンドロアス・プランティンという人物が1685年に記した本には、同じく「巨大なヘビを封印したルーン文字を刻んだ石」の話が登場する。石は2つあり、片方はヘビの頭を、もう片方がヘビの尾を押さえていたのだが、ヘビが暴れたことによって一方が崩れてしまい、石が修復されるまで人々は湖を渡ることができなくなった、という伝説だ。

 これだけだと単なるおとぎ話のようにも思えるが、実際にストールション湖の岸にはルーン文字を刻んだ岩が現存しており、さらに近年に至るまで実際に奇妙な姿の生物が目撃されたり、カメラに収められたりしているのだ。

 ストーシーの大きさは約6〜8メートル程度。体はヘビに似ていて黒褐色で、顔は伝説の通りネコやイヌに似ているという。顔だけ見るとアシカやアザラシの見間違いではないかとも思われるが、大きさやヘビのような体と構造が全く違う。

 また、近年でも何度か写真や動画が撮影されており、特に2008年8月28日には「ストールション湖怪獣探査協会」が設置した水中ビデオカメラに、これまで観測されていた湖のどの生物とも違う巨大な生物の姿が捉えられて話題になった。動画には白くて細長い胴体やヒレのようなものも確認できたため、伝説の怪物が本当に湖の中に住んでいた!と当時は騒動になったのだという。

 果たしてストーシーの正体が何なのかは分かっていないが、その外見から古代の海棲哺乳類なのかもしれない。現在ストールション湖では怪獣探査協会が監視カメラを増設し、定期的に見回りをしてストーシーが実在するのか、その正体は何なのか調査を行っているという。

【関連動画】ストーシーと思われる生物が捉えられた動画 Storsjoodjuret

【267】南極の厚い氷の下に潜む未知の軟体生物「46—B」の正体

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「46-B」と呼ばれる未知の軟体生物(ユーチューブから)

 現代でも未知の領域が多い場所の一つに、南極が挙げられる。年間を通して気温が極めて低い厳しい凍土の環境と、大地を覆う厚い氷は人々を遠ざける。それでも少しずつ科学調査は進んでおり、さまざまな発見が報告されて注目を集めることもある。

 例えば、1974年には厚い氷の下に巨大な湖が広がっていることが発見され、南極が現在の凍土へと変わる前のはるか昔の環境が残っているのではないかと見られている。

 この湖は一番近くに基地を構えているロシアの調査団によって発見され、基地と同名のボストーク湖と名付けられた。厚い氷に覆われて日の光も差さない環境だが、そんな環境に適応した未知の生物がいる可能性も決して低くない、と言われてはいた。

 そんななか、近年、ボストーク湖で奇怪な生物の存在が報告されて話題になっている。それが「46—B」だ。体長は33メートル。幅14メートルの巨大なイカのような生物で、水中に毒素を放出し、最大150フィート(約46メートル)の距離から獲物を狙う。さらに触手で擬態を行うことが可能であり、触手の先を任意の生物と同じ形に変形でき、切断後も攻撃的で、しばらくは獲物を狙い続けるという。

 そんな驚がくの生物46—Bは2016年11月30日に行われたボストーク湖への有人探査の際に発見されたという。

 この時の探査に携わったアントン・パダルカ博士は「調査団らが46—Bに遭遇したのは数日かけて行われる予定だった有人探査の1日目だった」と語る。地上を覆う氷に人が通れるサイズの穴を開け、地下のボストーク湖まで掘り進め、そこにダイバーを潜水させるという探査だ。

 潜水しているダイバーらと基地本部の間で無線が通じなくなった。この時は誰も気がついていなかったが、強烈なまひ性の毒によってダイバーが攻撃を受けていたのだった。その後、46—Bは自分の触手をダイバーに似た形に変えて近寄り、混乱するダイバーらを捕まえて次々に襲ったという。ダイバーが触手を引きちぎり、地上の基地へと帰還したが、触手はまだ生きていた。ボストーク湖まで開けられた穴を這い上がって基地に侵入し、研究者の女性を絞め殺した。

 最終的に46—Bはタンクに封じ込められ、ロシアの当局によって押収された。この生物の発見と遭遇は公開されることはなかった。博士によれば、ロシア政府が秘密裏に46—Bを研究し、兵器化する計画を立てているからではないかという。博士はこの計画を知って国を逃れたが、ロシア政府はこれらの主張のすべてにおいて否定と黙秘を貫いている。

 にわかには信じがたい未確認生物に関する報告だが、果たしてこのような生物が存在しうるのだろうか。確かに既知の生物で巧みな擬態を見せるものは存在しており、暖かい海に生息しているミミックオクトパスは触手を駆使してウミヘビや複数の魚などに擬態する。

 だが、その擬態先はいずれもタコが見慣れている生物に限られている。恐らく初めて見たであろう人間らしき形に精巧に擬態させることは可能なのだろうか。

 また、ボストーク湖の探査は30年以上継続して行われているが、いまだに人が通ることができるサイズの穴が開けられてはいないという報告もあり、そもそも調査団の中に46—Bについての報告をした博士に該当する研究者が存在しないという話もある。

 そして何より、46—Bの描写があまりにも出来過ぎているという点もある。例えば、架空の「クトゥルフ神話」の中で、南極を舞台にした「狂気山脈」の中に登場する「古きもの」や姿を変える軟体動物「ショゴス」の要素が交じっているなど、事実や他のホラー作品を踏まえて作成した感が拭えない。

 よって、驚異の未確認生物46—Bの報告自体が単なるいたずらで作成された可能性も捨てきれないのだ。

【関連動画】Organism 46-B: THE ANTARCTIC DEATH SQUID

【268】新型の未確認生物出現!?写真家が撮影した「フライングマンタ」

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オレンジ色と緑色に光る謎の半透明生物

 米国・コロラド州で男性カメラマンが奇妙な物体の撮影に成功した。

 彼が自宅の庭で夜間撮影を試みたところ、街灯の光を受けてオレンジ色と緑色に光る謎の半透明の生物が浮かんでいる様子を撮影してしまったのである。体には模様なのだろうか、表面には奇妙な斑点があり、まるでアメーバや魚のエイのようなシルエットとなっている。飛んでいるエイということで「フライングマンタ」とでも呼ぶべきものだろうか。

 1回だけならば偶然の可能性もあるが、カメラマンはその後も同様の生物らしき姿を写真に収めることに成功している。どうもこの生物は彼の家の庭に夜になると現れるようで、普段は肉眼では見えないのだが、シャッターを切ってみると出現するのだそうだ。

 このような生物の報告例や目撃例は今までにないため、この連載でも紹介している「スペース・クリッター」や新種の未確認生物ではないかとするUMA研究家も存在している。

 この写真や撮影される環境を見て気が付く人もいるのではないだろうか。そう、この〝生物〟はおそらく庭に設置されたライトによって生じた、ただのレンズゴーストにしかすぎない可能性が限りなく高いのだ。特にレンズが濡れていたり、大きな水滴が付着していた場合、このようなレンズゴーストが写ってしまう確率が上がるのだという。曲がりなりにも撮影者はプロのカメラマンなのだが、あまりに珍しい色と形だったために未確認生物と早合点してしまったのではないだろうか。

 なお、日本のオカルト関係の書籍では、この写真を未確認生物として堂々と紹介しているものもあるため、注意が必要である。

 ちなみにUMAやUFOの写真や動画というものは〝リサイクル〟されることも少なくなく、何年か前に「衝撃の写真!」などという触れ込みで新種のUMAや新型UFOとして世に出ていたものが数年たって忘れられた後、再度同じような触れ込みで登場することがある。

 このフライングマンタの写真もそうで、初出として一番正確なものは、2011年3月25日深夜に米国・テネシー州で撮影されたものなのだが、紹介されるたびに撮影された場所や日時が変わってしまうというものになっている。UMAを捉えた写真としては非常に珍しいタイプのものなので、ネットに上がるたびに細かいところが変わっていってしまったものではないかと考えられている。

【269】「火の鳥」は実在するのか? 燃えながら飛ぶ鳥の姿が米国で撮影される!

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オレンジ色に光輝く鳥をカメラがとらえた(ユーチューブから)

 雄大な翼を持ち、神々しい外見をした聖なる鳥の伝説は世界各地に残っている。有名なところでは、さまざまなファンタジー系の創作の世界にも登場する「フェニックス」などだろう。

 フェニックスは赤や金などさまざまな色に光る羽を持ち、死期を悟ると自ら炎の中に飛び込んで体を焼く。しかし、燃え残った灰の中から再び新しく生まれ変わって出てくるとされ、実質的に不老不死であると考えられていた。そのため、死と再生のシンボルになったり、神聖な生き物と見なされることも多かった。

 このような神々しい鳥の神獣の伝説は世界各地にあり、中国の「鳳凰」や「朱雀」、ロシアでも火のように輝く鳥「火の鳥」などがある。

 これらの鳥たちはあくまで伝説上の存在でしかないはずなのだが、このたび米国で〝まるで火の鳥が実在した〟ともとれるような不思議な写真が撮影された。

 画像は米国の有名な国立公園であるイエローストーンの近くにあるグランドティトン国立公園のジェニーレイク近くで、国立公園内に設置されたライブウェブカメラがとらえていたもの。

 画像を拡大すると大きなワシやタカに見える鳥が飛行していく様子が写っているのが確認できるが、普通の鳥とは違い翼や背中が明るいオレンジ色に光り輝いているのだ。揺らめいた炎をまとっているかのようにも見えるその様子は、まるで神話に出てくる火の鳥やフェニックスをほうふつとさせるものだ。

 米国にもネーティブアメリカンの神話に登場する、雷をまとって現れる巨大な猛禽「サンダーバード」の伝説が残っており、現代でもそれらしき巨大な鳥が目撃される。ただし、サンダーバードの正体は絶滅した古代の鳥類アルゲンタヴィスではないかとする説も存在している。

 この鳥もそんなサンダーバードか、はたまた火の鳥のような別の未確認生物なのだろうか。火の鳥だとすると、各地の伝説ではその出現は大抵、吉兆とされるのだが、この鳥も何かを知らせるために姿を現したのだろうか?

 実はイエローストーン国立公園は3月から火山活動が活発化しており、小規模な噴火や間欠泉の噴出が確認されていた。また、現在はグランドティトン国立公園でも火山活動に基づく亀裂が生じ、拡大しているという。さらに、北米大陸でも記録的な猛暑で山火事が各地で発生しているという報告もある。

 ならば、この鳥は噴火や山火事に巻き込まれて燃えながら飛行している鳥だったのだろうか? だが、鳥が燃えながら飛行できるような事例は存在していないし、そもそも不可能だろうと考えられている。

 果たして、この鳥の正体は何なのか。新たな未確認生物なのか、単なる偶然なのか。真相の解明が待たれるところである。

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