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Channel: オカルト評論家 山口敏太郎のUMA図鑑
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【160】10メートルを超えるワニ「アルカリレイクモンスター」

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アルカリレイクモンスター

 米国中西部に位置するネブラスカ州の州名はネーティブアメリカンであるオトー族の言葉に由来して「静水」を意味すると言われている。

 その静水が指すのはプラット川で、乾燥した地域を流れるこの川は他の川と比べると流量が少ないのが特徴的である。

「平らな水」というニュアンスの「ネブラスカ」は、フランス人の探検によって「平ら」を意味する「プラット」となったのである。

 このプラット川は水鳥が立ち寄る場所となっていることから分かる通り、オアシスのようなもので、西方への開拓に大きな価値があり、開拓者とネーティブアメリカンの交易でも重要なものとなった。

 このようにプラット川を中心に、いくつものネーティブアメリカンの部族が住んでいたのが、ネブラスカ州なのである。

 そして、州の北西部にあるアルカリ湖付近でネーティブアメリカンの伝承上の生物として記録されていたのが、「アルカリレイクモンスター」である。

 この怪物が伝承上の存在ではなく、未確認生物として知られるようになったのは1923年のことだった。

 きっかけは、その2年前の21年。体長12メートルほどで灰色がかった褐色の皮膚をした、目と鼻の間に角を持ったワニのような怪物が目撃され、翌22年に地元紙に掲載された。

 23年になると、J・A・ジョンソンという男性が湖のほとりでキャンプをしていたところ、同様の生物を2人の友人と目撃する。それを別の地元紙で紹介されて広まっていったとされている。その後も40人以上の目撃者がいたらしいのだ。

 クジラの潮のように水しぶきを上げながら水中に戻っていったという目撃談もあり、目をくらませて逃げるような性質も持っているのかもしれない。何しろ当時の目撃情報しかなく、その存在は今もって謎が多い。

 ネーティブアメリカンは古くからこの生物の存在を確認しているが、そこに尾ひれをつけて語ったものという見方が現在では主流である。

 伝承上の記述は現実にあったものを暗示するかのように書かれていることもあり、その調査は確かに必要なものである。しかし、アルカリレイクモンスターは近年、新たな発見などがないままである。

【関連動画】Water monster spotted in Nebraska kills visitors – Monster Info1-11

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【161】アフリカにいるはずのないクマ出現「ナンディ・ベア」の正体は?

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ナンディ・ベア

 昨今、この日本でも民家の近くに現れて住人を恐れさせている、いや、実際に被害者も出している猛獣といえばクマだろう。連日ニュースを騒がせているが、作物を荒らすだけでなく、雑食性なので人肉の味を覚えた場合、その個体は人間をエサと認識するため非常に厄介な存在となる。

 このクマであるが、力が強いだけでなく足が速いことでも有名で「時速60キロ程度」と言われている。そんな生物が日本のみならず、南北アメリカ大陸、ユーラシア大陸、インドネシア、そして北極にまで分布しているのだから恐ろしい。

 そしてお気づきだろうか。野生動物の宝庫であるアフリカ大陸にクマは生息していないのである。南極大陸、オーストラリア大陸と違って、ユーラシア大陸と隣接しているのにもかかわらず、だ。

 しかし、そんなアフリカ大陸に「ベア」の名を冠した未確認生物がいる。それが今回紹介する「ナンディ・ベア」である。東アフリカにあるケニア共和国、その南西部の高地であるナンディで、現地の住人には「チミセット」という名で恐れられていた生物だ。20世紀になり、英国の探検隊がクマのような生物と遭遇した際に原住民に尋ねたところ、チミセットという存在が明らかになり、地名にちなんで「ナンディ・ベア」と名付けられて、ヨーロッパに広まったのである。

 身体的特徴はクマのように長い鼻面で、直立すると3メートル近く、前肢に比べて後肢が短いハイエナのような体形、小さな耳が印象的だといわれている。

 ハイエナは大きくても1メートル程度、それがヒグマよりも大きな3メートルと言われているのだからかなり大きい。また、攻撃する際には後肢で立ち、前肢を使う、木にも登ると伝わっており、それゆえ西洋人がクマに近いものとして想像したと思われる。

 チミセットの他に「ゲテイト」という呼び名もあり、こちらは「脳食い」を意味するのだ。村を襲って人間を食べるという言い伝えがあり、原住民にとって、いかに恐ろしい存在だったかが分かる。

 巨大なハイエナなのか、かつて北アフリカに生息していたヒグマが南下したのか、容姿に共通点のある古生物・モロプスやドウクツグマの生き残りなのか、それともまったく新しい生物なのか、アフリカという大地にはまだ謎の生物が潜んでいる。

【関連動画】The Nandi Bear – The Brain-eater of Kenya

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【162】豪州で目撃!9メートルを超すオオトカゲ「ジャイアントモニター」

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 1975年にオーストラリア東南に位置するニューサウスウェールズ州で巨大なトカゲが目撃された。東側の海に面したシドニーのやや北に位置するワタガン山脈でのこと。2人の農夫が車で道を走っていると、巨大な大木が道をふさいでいるではないか。進路の邪魔になるので、2人は車から降りて大木をどかそうとした。すると“それ”が動き出した!

 なんと巨大なトカゲだったのだ。

 道から首が出ていたため、顔は確認できなかったという。あまりの大きさに、そのトカゲは「ジャイアントモニター」と名付けられたのである。

 同年12月、同じくニューサウスウェールズ州の中東部にある、ワインの生産地として有名なセスノックでもジャイアントモニターは目撃された。農家の納屋の近くに現れ、この時に全長が9メートルもあることが判明した。

 体高1メートルほどという大きさで、体重は900キロくらいありそうだと、目撃者は語った。9メートルの爬虫類といえば恐竜にも匹敵する大きさであり、首と頭だけで1・5メートルという話にもうなずける。

 さらに同年、同じセスノックで体長7メートルのトカゲが目撃された。

 それからしばらくは目撃されなかったのだが、1979年にはやはりワタガン山脈で、爬虫類学者のフランク・ゴードンという人物が体長9メートルのトカゲを目撃したことから、実在の可能性が高いものとして広まったのだ。

 現在、最も大きな爬虫類として有名なものはインドネシアに生息するコモドオオトカゲで、だいたい2〜3メートルである。

 オーストラリアではペレンティというオオトカゲが最大で、大きな個体で2メートルに及ぶ。これがコモドオオトカゲが発見されるまでは世界最大種の爬虫類であった。

 しかし、9メートルどころか7メートルにも及ばないため、見間違えた可能性は低いと思われる。

 では、ジャイアントモニターの正体はなんなのだろうか。

 一説によるとそれは、古生物のメガラニアが生存しているのではないかとささやかれている。およそ4万年前のオーストラリアに生きていたオオトカゲで、史上最大のトカゲだったとされている。全長は5〜7メートルで肉食。これなら見間違える可能性もある。

 また、絶滅したのは約1万年前。オーストラリアに人類が渡ってきた時期にも生存していたため、アボリジニの間で巨大な怪物として語り継がれてきたのではないだろうか。

 メガラニアが生息していたころのオーストラリアと今のオーストラリアは環境が大きく違うため、目撃された巨大なトカゲがメガラニアである可能性は低いとも言われている。

 しかし、1990年代にはパプアニューギニアでも似たような生物が目撃されているのだ。何かしらの巨大な爬虫類が生息している可能性は否定しきれない。

【関連動画】Man-Eating Reptile Hiding in Australia?

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【163】異形の極み「タギュア・タギュア・ラグーン」

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 18世紀に描かれたこのイラスト見て皆さんは何を思うだろうか。

 これは「未確認生物」ではなく、神話や伝説で語られる架空の生き物や妖怪のたぐいだろう——と印象を受ける人が多いように思える。

 しかし、さまざまな疑わしい要素はあれど、この「タギュア・タギュア・ラグーン」はれっきとした生物、UMAなのである。なぜかというと、タギュア・タギュア・ラグーンはまだ映像どころか写真も普及していない時代に捕獲されたという記録が残されているからだ。

 時は1784年、チリの中央盆地にある首都・サンティアゴ。この都市にある農場で事件は起きた。奇怪な見た目の生物が出現し、作物を荒らして農家に大きな被害を与えたうえに、付近の動物を食べ尽くしたと言われているのだ。

 見た目だけでなく行動も怪物。物語で討伐されるモンスターのようである。住民も何の対策もしないわけもなく、100人を超える男たちが銃を持って応戦し、生け捕りにしたのだ。大掛かりな戦いを予感させる人数だが、本当に生け捕りにしたのであれば、人間とコミュニケーションが可能な知能を持っていたのかもしれない。

 生け捕りにされたために記録が詳細であり、それゆえ未確認生物として認識されている部分もあるのだ。しかしその特徴というのが…。

 体長は18メートル、足の長さが1・2メートル、その足から生えたカギヅメは足よりも長いというのだ。そして、体長の半分を占める尾は2本に分かれている。腕は翼のようになっていて飛行能力が推測できる。顔は人間のようであるが耳が3・6メートルあり、口がその耳元まで裂けている。

 いや、「見た目だけでなく行動も怪物」と書いたが、こうやってまとめてみると、人間が恐ろしい物を集めたかのような見た目であり、やはり外見がモンスターでしかない。鳥類、爬虫類、哺乳類が合わさったようなデザインだ。

 1784年といえば、日本では江戸時代の天明。将軍は家治のころである。漢委奴國王印が現在の福岡県で発見されたのもこのころだ。英国では産業革命が始まったころ。そのような時代のあまりに奇天烈な記録が本当なのか、何かを取り違えて尾ひれがついて広まったのか、まったくの創作なのか、検証の必要性を感じる。

【関連動画】Catching A Giant Japanese Salamander By Hand – River Monsters

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【164】北欧のジャッカロープ「スクヴェイダー」

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スクヴェイダーの剥製

 筆者の経営する「山口敏太郎の妖怪博物館」にも、剥製が展示してある「ジャッカロープ」は有名なUMAである。日本語では「ツノウサギ」と訳されるように、頭部にシカのような角を持ったウサギのことである。また、鳥のキジのような尾や後肢を持つとも言われている。

 以前にも紹介したが、米国・ワイオミング州周辺で目撃されている。その正体は未発見の未確認生物であるとか、ウサギとシカの交雑種であるとか、絶滅した古代の生物だとか諸説ある動物なのだ。

 筆者が論理的な説だと感じるのは、ウサギ乳頭腫ウイルスに感染し、頭部から生えたイボが角状になってしまった、というものだ。

 そのジャッカロープの仲間で、スウェーデンに生息すると言われているのが、この「スクヴェイダー」だ。ワイオミング州は非常に気温の差が激しく全体的に乾燥した地域だが、スウェーデンはご存じのとおり北欧三国の一つで、大陸も違えば気候もかなり違う。そのためかジャッカロープとスクヴェイダーも似て非なるもの、という印象が強い。

 まず、スクヴェイダーは羽毛で覆われたウサギで、哺乳類と鳥類のハイブリッドとして知られている。羽毛を持っているが、翼を持っているわけではない。体の上半身に当たる部位と後肢が野うさぎ、それ意外がライチョウでできている。この動物は剥製になってスンツヴァル博物館に展示してあるのだ。

 剥製を作ったのはルドルフ・グランバーグ。剥製師である彼が1918年に作製したものを博物館で展示している。元はホーカンという男がスンツヴァルのレストランで語ったほら話で、1874年に彼がスクヴェイダー(という名前はまだついていなかったが)を仕留めたというのだ。

 ホーカンのおいが描いたスクヴェイダーのイラストを死の直前に博物館に寄贈したところ、同館長とルドルフの間で剥製を作ろうという話になった。ホーカンの絵を基に剥製を作ったところ、博物館の人気者になったと伝わっている。

 スクヴェイダーが実在するかどうかはホーカンにしか分からないのが現状ではあるが、博物館への道には「スクヴェイダー注意」の交通標識も立っており、スンツヴァルのシンボルとして愛されている。

【関連動画】Jackalope Herd

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【165】人間の脳と血を吸う「マムランボ」

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首長竜などの恐竜のイラスト

 UMA大陸でもあるアフリカ。その南アフリカで恐ろしい生物として原住民に恐れられているのが「マムランボ」だ。

 なぜ恐れられているのかというと、人間を襲い食らうからなのだが、特に皮を剥いで全身の血と脳みそを吸うと伝わっているところが大きいだろう。

 マムランボという架空の生物は川にすむ巨大なヘビとして知られている。体長が20メートルほどで頭が馬、体が青白く光ると言われている。

 古くから知られている存在なのだが、守り神のような側面を持つため、恐れられているといっても、畏怖の対象であるように感じる。美人に化けて男を誘惑して殺すとも言われている。

 このように現地で信じられてきた伝説上の架空の生物のように思えるが、近年になって実際の被害報告がある。

 1997年に南アフリカ南東部にある東ケープ州の川で被害者が出たと報道された。政府も7人が犠牲になったと発表し、マムランボを退治する組織も結成した。実際に後からジャーナリストが調べたところ、子供を含む9人の犠牲者がいることが分かった。

 地元の警察官はマムランボのしわざかどうかには疑問を呈しており、雨季で川が増水して水死した人ではないかと推測している。体の損傷も水死体に川ガニが群がったものと推測している。この可能性は非常に高そうだ。

 しかし、原住民の中には「自分は巨大なヘビを見た」と主張する者、「怪物を撃って殺した」と主張する被害者の父親などがいる。

 このような経緯から伝説上の生物というよりも未確認生物として捉えられている側面がある。

 実際のところ、巨大なワニやヘビがいる可能性は高く、それを見間違えたり、尾ヒレがついて広まったのかもしれない。

 また、首長竜タイプの恐竜の生き残りではないかとの説もある。その中でもエラスモサウルスが近いという指摘がある。

 まだまだ謎の多いアフリカ大陸であるが、未確認の動物が数多くいる可能性は高く、一つひとつのケースをきちんと分析する必要がある。

【関連動画】mokoena’s.snake.terano..3gp

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【166】邪悪で巨大なイヌ科動物「ワヒーラ」

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922年に描かれたダイアウルフの生態復元想像図

「ワヒーラ」とは、アラスカやカナダなどに伝わる、ネーティブアメリカンの伝承などに登場する架空の動物だ。外見は巨大な狼のようだと、体の高さは1メートルほどと言われ、そこから全長を想像すると、我々の知る狼よりもかなり大きいものと思われる。四足歩行で生活をしていて、その四肢はガッシリとしているそうだ。

 ネーティブアメリカンの伝説の上では、非常に恐れられた存在で、聖なる怪物というよりは人間にとって邪悪なものであるようだ。人を殺して頭部をもぎ取る怪物として伝わっており、前述のしっかりとした前肢を使ってもぎ取るのかと考えると確かに恐ろしい。また、ただ襲ってくるだけでなく、超常的な力を使ってくるといわれている。

 全身毛に覆われていて、その体毛は真っ白だと伝わっている。このような点が霊的な力があるように思わせる要素でもある。神聖(実際には邪悪だが)な存在のようなものとして畏怖の対象になっていたのだろう。

 ここまででは、人間がいかにも考えそうな、自然界の生物と自然界の恐怖を合わせたような怪物だが、実際の被害も出ているために未確認生物としても知られるようになった。

 カナダ北西部、地球最後の秘境とも言われるナハニ渓谷という場所がある。3万3000平方キロメートルにも及ぶナハニ国立公園の一部である。ネーティブアメリカンの部族の間では未知の悪魔がすんでいるとされ、非常に恐れられていた地なのだ。

 ところが19世紀にゴールドラッシュが始まると、米国からカナダまで採掘の手は広まり、このナハニ渓谷も対象となったのだ。そして1905年に事件は起きた。

 マクラウド兄弟がナハニ渓谷から大量の金を持ち帰ったのだが、その後、ナハニ渓谷で首なし死体として発見される。また、その5年後には探鉱者のマーティン・ジョルゲンソンも頭のない死体として発見された。

 その後も金の採掘にかかわらず頭部のない死体が発見されたり、ナハニ渓谷で失踪事件が起きたのだ。そう、人間の頭部をもぎ取る伝説上の怪獣と現実がリンクしてしまったのである。

 このワヒーラであるが、絶滅したオオカミの一種、ダイアウルフの生き残りなのではないかとも推測されている。ダイアウルフとは史上最大のイヌ科動物と言われている、約180万年前から約1万年前まで生息していたオオカミだ。

 ダイアウルフはハイエナのように腐肉を食す生物だと言われているが、生物の死体が見つからない場合には自ら狩りに行くこともあったらしい。エサが見当たらない時期に自分のすみかの付近に人間が転がり込んできたら、これは格好の的なのはお分かりいただけるだろう。

 もし、太古の生物が生きていたとしたら夢のある話であるが、昨今、日本で起きているクマの害のような対立する関係ではなく、互いに暮らしていける共存の関係を築けたら望ましいと思う。

【関連動画】Paranormal Logs Waheela

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【167】茨城東西浜に漂着した巨人(女)の正体

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ステラーカイギュウ

 今回紹介するUMAは、平安時代の日本で記録された奇妙な生物の死体に関するものだ。

「今昔物語集」巻三十一本朝第十七には不可解な話が掲載されている。現在の茨城県の海岸に、なんと巨人の遺体が漂着したという記録があるのだ。

 藤原信通朝臣という人物が常陸の守の任にあったときのこと。嵐の翌朝、東西浜に巨大な人間の遺体が漂着した。その身長たるや15メートルもあり、上半身を出して砂浜に埋まっている。首、右手、左足がなく、身なりや肌の感じから判断するに女と見受けられた。その腐った異臭は周囲に多大な被害を与えたという。

 UMA図鑑でも、謎の生物の死体が発見された事例は何度か報告している。アフリカで確認された、白いゾウのような外見を持つ「トランコ」は後日その死体と思われるものが漂着したし、謎の巨大な肉塊が漂着することをグロブスターの漂着と呼んだり、巨大な死体が打ち上げられた「ルスカ」の事例などもある。

 普通に考えて、巨大な人間の死体がそのまま漂着したとは考えにくいため、今回も何かしらの生物の死体が漂着し、その様子が人間のものに見えたと考えるのがいいだろう。

 筆者はこの遺体は当時はまだ生存していた絶滅動物「ステラーカイギュウ」ではないかと推測している。

 1741年、ドイツの博物学者がベーリング海で遭難し、ある島で食料と毛皮を得るために発見したステラーカイギュウを捕獲した。あまりにもノロマで肉もそこそこおいしかったため、当時推定でも2000頭はいたステラーカイギュウを、たったの27年で取り尽くしてしまった。現在でも目撃例はあるが絶滅したものと思われている。

 当然、今昔物語の時代にはまだ生存しており、ベーリング海から茨城の海岸に漂着してもおかしくはない。

 尾びれが切れていれば尻尾が足に見え、ヒレの片方が腕に見え、首ももげていたなら巨人に見えても不思議はない。肉質も女性に見えるかもしれないし、巨大なおなかは水を吸った人間の水死体にも見えるだろう。

 ちなみに妖怪「人魚」はジュゴン、妖怪「神社姫」はイッカクではないかと思っている。

 また、別の説では、近年になって存在が噂されている南極や北極の海に住むという謎の人型UMA「ニンゲン」だったのではないか、とするものもある。

 果たして、巨大な女性の死体の正体は何だったのか。残念ながら同様の報告はなされておらず、1000年も昔の海に漂着したものの正体を突き止めるのは難しいものになりそうだ。


【168】魔術師によって生を受けた人間の精神を食らうフクロウ「キキヤオン」

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シマフクロウ

 西アフリカ西岸に位置するガンビア・イスラム共和国。アフリカ大陸最小の国で、ガンビア川を取り囲むように国土が形成され、その周りはさらにセネガルに囲まれている。

 国土(1万1300平方キロメートル)のうち、1300平方キロメートルをガンビア川が占め、陸地の大部分がサバンナ地帯である。長い草と低い木をまじえた草原が広がり、乾季と雨季がある気候だ。生態系的には大型の草食動物が群れを形成して暮らしている。

 そんなガンビアで現地の人々に実在すると信じられ、恐れられているUMAがいる。名は「キキヤオン」。アフリカでは魔術や呪術がいまだに民間に浸透し、信仰されており、スポーツにおける呪術の禁止がたびたび話題になる。そして、このキキヤオンは魔術師によって生み出される生物だとされている。

 キキヤオンは顔がフクロウ、体は人間に近い形をしていて、大きさも人間ほどだそうだ。下半身の形状、足は人間のようだという。ただし、爪は鋭い鉤爪(かぎづめ)で、体中は緑がかった灰色の羽毛に覆われているといわれている。6・5メートルほどの翼を持っているとも伝えられる。さしずめアフリカの「オウルマン」と言ったところだろうか。

 このキキヤオンが恐れられているのは大きく鳴り響く低いうなり声を上げ、人間の精神を食べるといわれている点だ。人間よりも大きな猛禽類に襲われたらひとたまりもないと思うが、精神を食らうというのは民間伝承によるもので、どのような状態を指すのか不明である。

 実際には現地での大きな猛禽類の目撃と、前述の民間伝承が交じり合って都市伝説的な未確認生物として広まったのではないかとされる。

 世界最大のフクロウは我が日本を含む東アジアに生息するシマフクロウで、全長63〜73センチだ。アフリカにはクロワシミミズクという種が生息しており、こちらは60〜65センチでアフリカで最大といわれている。

 クロワシミミズクの生息地はサバンナの低木が点在する場所、川沿いの森林、とガンビアの条件と重なるように思える。全体的にも灰色がかっているため、クロワシミミズクの見間違えではないだろうか。

【関連動画】Kikiyaon [cryptid case]

【169】東南アジアで目撃! 海にすむ巨大なムカデ「コンリット」

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コンリット

 ベトナムの海を中心に東南アジアで頻繁に目撃される「コンリット」という未確認生物をご存じだろうか? つづりは「Con Rit」。ベトナム語でズバリ「ムカデ」を意味する言葉である。海にすむ巨大なムカデのような未確認生物だ。

 1994年にユネスコ世界遺産に登録されたハロン湾は彫刻のような島々、雨や霧によって演出される空気、太陽の位置で変化する輝き。かつては海賊の隠れ家や軍事拠点として利用されてきたが、今は立派な観光資源である。

 そのハロン湾に1883年、コンリットの死体が打ち上げられた。普通に想像する大きなムカデといえばどのくらいだろうか。日本で最大のものが約20センチ、世界最大のものでは40センチを超えるそうだ。1メートルもあるムカデを想像するのも難しいところだろう。

 ところがこのコンリットの死体は18メートルもあったという。ヘビやウミヘビのようではなく、硬い殻で覆われた外骨格のようで、体の幅は90センチ、そして60センチごとに節になっていたと伝わっている。

 体全体は上側が茶色がかっており、下側が浅黄色、尻尾の方が緑色になっている。そして頭部はなかった。

 ただ、一般的なムカデとイメージが違うのは水中を移動するためか、足のようなものは目立ってなく、それぞれの体節に70センチほどの突起があったとも伝わっている。水をかくのではなく、体をくねらせて海中を移動していたことが想像できる。

 そもそもベトナム地方に伝わる民話などには竜のような存在として、コンリットが語り継がれているらしい。それがこのような形で発見されたため、現地の住人の間でも実在するのではないかという話になったのだ。

 古くから伝わる存在ではあるが、明確な記録には乏しいため、実在かフェイクかの判断はまだ難しいものである。しかし、実在するとしたら18メートルもあるムカデの可能性は低いのではないだろうか。古生物である巨大なウミサソリでも2〜3メートル、大きさが大げさに伝わってとしても形状がかなり違う。

 皮膚がよろいのように硬くなったクジラやサメというのも、既存の生物の延長線上で考えると可能性は低いだろう。やはり新種の生物であり、恐竜の生き残りや巨大な爬虫類の一種なのではないだろうか。

【動画】Cryptids and Monsters: Con Rit

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http://www.youtube.com/watch?v=AzCwhzIA9l4

【170】無数のヒレを持つ海洋生物「ムカデクジラ」

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「動物図説」に載っているムカデクジラらしき生物

 前回は東南アジアで目撃される海の巨大なムカデ「コンリット」について紹介した。今回はそのコンリットと切っても切り離せない存在である「ムカデクジラ」について語っていこう。

 未確認生物の未知性ゆえ、コンリットをムカデクジラに含むような記述もあるが、ムカデクジラは背や腹に多くのヒレを持つクジラのことを指す。英語では「Many—finned sea serpent」と呼ばれるそうだ。多数のヒレがムカデを想起させるのだろう。

 このような大きなフィン(ヒレ)のついた巨大な未確認生物は、古くから世界中で目撃情報がある。ヒレが多い海洋の大きな生物とのことで、指し示す範囲が大きいからか目撃例は多いのだ。

 最初の目撃は紀元前3世紀で、ギリシャの海岸で多数の足のようなものがついた大きな海洋生物が打ち上げられているのが発見されたそうだ。

 紀元前120年にも似たような事件が起き、こちらは14・6メートル以上の大きさだったという。

 2世紀には古代ギリシャにおいて、アイリアノスという著述家が「動物の特性について」という書物を記した。その中にある「スコロペンドラ」についての記述が、ヨーロッパに広まるムカデクジラの元になっているのだろう。

 海岸沿いの地域で、背と側面に多くのヒレがあり、ロブスターのような尾を持った怪物の目撃情報があった。

 ちなみにスコロペンドラという名前、水陸両生のムカデである「スコロペンドラ・カタラクタ」が今年の5月に新種として認められ、名付けられた。大きい個体は20センチほどだ。

 ムカデクジラの目撃情報は世界中であると前述したが、我が日本にも残っている。1709年に貝原益軒が編纂した「大和本草」では生物学や農学について記されているが、ムカデクジラのような生物が載っている。貝原は自ら足を運んで見たものについて検証してきたため、実在する可能性が高い。

 さらに、この「大和本草」のムカデクジラと「動物の特性について」のスコロペンドラを同じものではないかと結びつけたのは南方熊楠であった。

 1899年にはアルジェリアで英国の軍艦に乗った水兵たちが、数えきれないほどのヒレがついた体長45メートルもある怪物を目撃した。30分にわたって戦艦と同じ程度の速度で海中を泳いでいたと伝わっている。

 古代から現代まで世界各地で目撃されるムカデクジラたちが、同じ種類なのかははっきりしないが、多くのヒレがついたクジラ並みの大きさの未知の海洋生物がいる可能性は否定できないのが現状である。その場合は皮膚が硬化したクジラなのだろうか。海にはまだ多くの謎が潜んでいる。

【動画】Sea Monsters Documentary │ Full video │

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【171】淡水にすむ巨大なタコか?「オクラホマオクトパス」

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ミズダコ

 そのものズバリ、米国・オクラホマ州に出没するタコのような未確認生物のことである。「オクトパス」とはいうものの、タコだけでなくイカのようだという証言もあり、頭足類の総称みたいなニュアンスだと思っていただきたい。

 オクラホマといえば、日本ではフォークダンス、いわゆるオクラホマ・ミキサーが有名だが、テキサス州やニューメキシコ州に接した温暖な地域である。また、州は海に面していないが、日本と同じく温暖湿潤気候だ。

 このオクラホマ州に存在する主に3つの湖に出現すると考えられている。ウーロガー湖、サンダーバード湖、テンキラー湖だが、観光客が多い湖のため、夏になると当然のように泳いだりして遊ぶ人たちも多い。そのため行方不明者や溺死事故者を出す結果となる。

 その不幸な人たちの原因がオクラホマオクトパスではないかとささやかれている。“オクラホマオクトパスが遊泳している者を引きずり込んで殺してしまう”と言われているのだ。

 オクラホマオクトパスの大きさはだいたい馬くらいなのではないかと伝わっている。そんな大きさのタコであれば、人間などひとたまりもないだろう。

 大きさ以外の特徴では体表は赤茶色、本数は確認できていないが触手のようなものを何本も持っていると言われている。タコやイカのように肉食で、人間も捕らえて食べてしまう可能性もある。どの湖も決して事故が多いような荒れた地形ではないため、奇怪な生物の存在の裏付けを強めているのかもしれない。

 ただし、前述したようにオクラホマ州には海がなく、オクラホマオクトパスの出現場所は湖である。これが問題である。タコやイカのような頭足類は海では非常に強い生物だが淡水には生息していない。遊泳能力も運動能力も高く、周囲に合わせて形態を変化して潜み、知能も高い。だから海の生態系の頂点に座していた時期もあり、淡水域に逃げるような状況になったことがない。

 そこから考えるに、もし目撃情報が本当ならば巨大な頭足類が生息しているよりも、もっと不思議な未知の生物の可能性が高い。

 古くから邪悪なもののモチーフとして使われることの多い頭足類であるが、その理由は軟体性や触手によるところが大きい。新たな、邪悪な見た目の生物が発見されるのであればお目にかかりたいものだ。

【動画】Oklahoma Octopus

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【171】大型動物を栄養にする「食人木」

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1887年に描かれた食人木

 今回紹介するのは未確認生物ではあるが、UMAかというと、少し言葉が違ってくる。UMP(Unidentified Mysterious Plants)とでも言おうか、未確認の植物のお話である。

 その昔、実在が信じられていた植物に「食人木」というものが存在している。巨大な食虫植物を想像していただければ、イメージとしては分かりやすいだろうか。人間のみならず大型の獣を栄養にする植物のことで、生態系ピラミッドの概念を脅かす恐怖の存在だ。

 有名なものが「マダガスカルの木」。ご存じ、アフリカ大陸の南東部に浮かぶ独自の生態系を持った固有種の宝庫である。マダガスカルの木は別名で「タコの木」「デビルツリー」などと紹介されることも多い巨大な樹木である。

 食虫植物は獲物となる虫を引き寄せるために、独特のにおいを発する分泌物を出すが、食人木の蜜は人間にとって非常に魅力的なにおいに感じるという。虫や獣のみならず人間すらもおびき寄せてしまう力のあるにおいなのだ。非常に興味深いものである。

 そして、においに引き寄せられてやってきた人間が木に近づいたところで、食人木は人間に向かって枝やツルを伸ばす。枝は非常に柔らかく、生き物のように動いて人間をからめ捕ると、絞め殺して食虫植物のように取り込んで消化してしまう、と伝わっているのだ。その姿がタコのようであり、その残酷性が悪魔(デビル)のようだというネーミングは理解に難くない。

 1881年にドイツの探検家であるカール・リッヒェが、このような残酷な現場を目撃し、その凶暴性について記述しているというのだ。それが1924年になると、ミシガン州の元知事であるチェイス・オズボーンがマダガスカルについて記した文章によって広まったのだ。

 この話は雑誌に載った創作だったのだが、当時はまだマダガスカルをはじめとする遠く離れた地における動植物の生態が知られていなかったことから「本当にあるかもしれない」と思われて、人々に信じられるようになったようだ。食人木だけでなく、リッヒェや現地の部族の話も創作だと指摘されて終息した。

 現在では創作であると判明しているが、ラフレシアなどの非常にグロテスクな花の存在や、食虫植物の中にはカエルすら捕食してしまうものの存在が、本当にいるかもしれないと当時の人に考えさせるに至ったのではないだろうか。

【関連動画】食虫植物 捕食集
http://www.youtube.com/watch?v=8k2FylGpjpg

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【172】アイルランドの凶暴な水犬「ドアーチュ」

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鳥山石燕が描いた獺(カワウソ)

 英国の国土の中心的な島であるグレートブリテン島の西に浮かぶアイルランド島。夏は涼しく、冬はそれほど寒くないため、住みやすい国とも言われているアイルランド。この地の民話に伝わる「水犬」とも「カワウソの王」とも称されるUMAが「ドアーチュ」だ。

 この俗称からも分かる通り、カワウソと犬の中間のような容姿だとされているが、大きさは2メートルとも噂されている。カワウソがだいたい1メートルほどなことから考えてもかなり大きい。

 アイルランド東部のマスク湖は美しく、周囲に自然も残り、魚が生息するため釣り人も多く、観光地として栄えている。その魚を食い尽くす存在として知られているのがドアーチュだ。人間が襲われたという被害報告も残っているそうで、その凶暴性がうかがい知れる。

 水中や水上だけでなく水辺にいるものを襲う習性があるのではないかと言われていて、ペアで行動するらしい。仲間の復讐をするという報告もある。集団で行動する知能の高さを持ち、なおかつなわばり意識や仲間意識の高い生物であることが伝わっている。このあたりはオオカワウソが集団で行動する習性に近い。

 他に容姿の特徴としては大きさだけでなく、全体的には白く短い体毛に覆われ、足にはオレンジ色の大きい水かきを持っている。その泳ぐ速度は速く、凶暴な性格をより強いものにしている。

 17世紀より目撃例の多かったドアーチュだが、2003年に影のような姿を目撃されてからパッタリと情報が途絶えている。南米では大型のカワウソであるオオカワウソの生息数が激減している。アイルランドにはオコジョやユーラシアカワウソが生息しているが、このドアーチュも大きなカワウソの一種で、もう絶滅してしまった種なのだろうか。

【関連動画】Irish “Lake Monster” 2009

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【173】米ロサンゼルスで目撃された「95%透明人間」

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ウェルズの「透明人間」

 都市伝説的な存在として有名な怪人、怪物、海外の妖怪のような「透明人間」。誰もが一度は透明人間になって悪さをしたい欲望に駆られたことがあるのではないだろうか? エロの妄想設定としては非常に有効かつポピュラーで、時間を止める能力と二分する選択肢であろう。

 透明人間の定義は読んで字のごとく、体が透明で見えないものの、体そのものは実体があり攻撃されると傷ついたり、場合によっては死んだりする。もともとは小説の登場人物であり、架空のキャラクターだ。「SFの父」と呼ばれるH・G・ウェルズの作品が有名だ。

 簡単にあらすじを説明すると、科学者が自分の開発した薬品で透明人間となり、さまざまな事件を起こすことを通して、人間の内面を描き出すというものだ。相手には姿が見えないことから、人間が一人の時に何を思っているかという設定は、人間の暗黒面を描写するのに打ってつけだと筆者は思う。

 そのような創作上の存在である透明の怪物に襲われたと証言する人がまれにいる。山口敏太郎事務所に届いた奇妙な写真には、半透明の人間が写った物がある。一見すると普通の町並みの風景なのだが、通行人の男性の後ろにある道路の白線などが透けて見えるのだ。

 筆者がとある真言宗の僧侶に聞いた話では、高野山を歩いていると木々をかき分けて透明な存在が出てくることがあるらしい。これはプレデターのような怪人が徘徊していて、その正体は弘法大師なのではないかと噂されている。

 都内に住んでいる女性からは輪郭のみの透明人間に遭遇したという話も聞いた。麻布十番のホテルで昼間に睡眠を取っていたところ、自分の体の上を歩く存在がいて、目が覚めると輪郭しかない子供が歩き回っていたという。

 そして最新の情報としては、2015年4月に米国で新たな透明人間が目撃された。これはカリフォルニア州ロサンゼルスで起きたのだが、男性が「95%透明人間」を目撃したというのだ。米オカルトマニアの間で95%透明人間だと評判になった。“95%透明”という控えめな点が泣かせる。

 しかし「攻殻機動隊」などの漫画・アニメでは光学迷彩といって、光の屈折を利用して姿を消す技術が軍部で使用されている。実際に米軍は透明化スーツを開発しているという情報が2015年の5月に出回った。透明人間と言われるような存在も気になるが、人間が開発する「透明人間になれる」技術も恐ろしいものである。

【関連動画】IsThat A GHOST? ‘Invisible Man’ Climbs On Bike And Starts Pedalling In SPOOKY Footage

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【174】「ペンリス・ピューマ」は豪州のエイリアン・ビッグ・キャットか?

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黒ヒョウ

 オーストラリア最大の都市シドニーを擁するニューサウスウェールズ州は、工業が栄え、人口がもっとも多い州である。そのシドニーから西に進むと、世界遺産に登録されたグレーター・ブルー・マウンテンズ地域があり、そのブルー・マウンテンズ国立公園の手前にブルー・マウンテンズを眺めることのできるペンリスという平坦な町がある。

 そのペンリスには、ナショナルラグビーリーグ(オーストラリアとニュージーランドのラグビーチームのリーグ戦)の「ペンリス・パンサーズ」という黒いヒョウをマスコットにしたチームがある。ホームのスタジアムでの試合中に真っ黒な、かわいいネコが紛れ込んで話題になったこともあった。

 そんな黒いネコ科の動物に縁のあるペンリスだが、黒いネコ型の未確認生物の出現に、住民は頭を抱えているという。1980年代から報告が続き、その目撃情報の数は600件を超えるとも言われている。

 家畜のヒツジやシカが、ネコのような動物に引き裂かれて殺されるところを見た人がいた。その目撃談によると、体長は1〜1・6メートル、体高は70〜80センチで、ヒョウのような見た目をしているが、真っ黒な毛に覆われていたのだという。そして、尻尾は長い——。これらの特徴から「ペンリス・ピューマ」「ペンリスの黒ヒョウ」などと呼ばれたりしているらしい。

 ペンリス・ピューマは、都市伝説っぽい性質として、車を見ると姿を消してしまうというものがある。これは単純に怖がっていなくなるのか、フッと消えてしまうのか、判断が難しい。

 このペンリス・ピューマであるが、未確認生物愛好家の間では「エイリアン・ビッグ・キャット(ABC)」の一種ではないかとも噂されている。ABCは当コラムでも取り扱ったことがあるが、英国に現れる、ネコ科の動物のような見た目を持った未確認生物だ。

 ネコ科としては大きめで、家畜を襲う気質、フッと消えてしまう(ABCは一説によるとテレポート能力を持つとも言われている)などの共通点からだろう。こちらも目撃例が多く、実在の可能性が高いとも言われているのだ。

 そう、ペンリス・ピューマもまた実在の可能性をささやかれている。オーストラリアにはヒョウやピューマは生息していない。しかし、2008年に行われた国の調査では“ペンリス・ピューマと呼ばれている大型のネコ科の生物が生息する可能性がある”と報告された。

 ABCにも同じ可能性を指摘できるが、本来その土地に生息しないはずの動物であっても、人間が持ち込んだ動物が逃げ出して野生化して新たなコミュニティーを形成しているのかもしれない。

 ヒョウであった場合、黒ヒョウは突然変異のため、黒ヒョウのみが生まれ続けるのは難しいだろう。

【関連動画】Black cat runs onto field during Sharks Vs Panthers NRL clash

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【175】ポーランドで発見された半魚人「マーマン」

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半漁人「マーマン」

 2015年9月にポーランドで衝撃の動画が撮影された。白い化学防護服をまとった何人かの人が川岸に降りていくと、やがて戻ってきた人々が運んでいるのは、足が尾びれになった人間の姿であった。

 黒い魚のような下半身をしたその人物?は待機していた救急隊員とともに、医療用ストレッチャーらしきものに乗せられて移送されていったのである。

 この映像については、遠目から撮影されているため、やや不鮮明ではあるものの隊員らの対応も非常にリアルなことから真実味のある動画として注目された。

 この未確認生物は「マーマン」だと言われている。

 マーマンは伝説上の半魚人、人魚の一種でゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズでも有名だ。日本人にとって半魚人の英語名が「マーマン」だと言っても過言ではないだろう。

 上半身が人間のような形状で手と頭部があり、下半身が大きな魚のような尾びれで、全身が鱗で覆われているようなイメージである。

 他にも2006年7月には、米国・フロリダ州フォートデソート海岸に真っ白なマーマンが漂着した。体長は1・5メートルほどで小柄な人間といったところだろう。オークションで日本円にして約18万円で落札されたのだが、あまりにもよくできた形状であったため、フェイクだというのが一般的だ。

 冒頭のポーランドのマーマンに話を戻そう。実はこの映像は宣伝用に作られたフェイク動画である可能性が高いと言われている。撮影された場所であるワルシャワは人魚に関係が深く、漁師の夫婦が網にかかった人魚を助けた地であり、豊漁が続くようになって発展したという伝説がある。

 このワルスとサワという夫婦の名前からワルシャワという地名がついたとされているのだ。この動画もワルシャワの広報用、たとえば話題性による観光目的に作成されたと見ていいのではないだろうか。

【関連動画】Merman pulled out of a river in Poland

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【176】アイスランドの巨大サナダムシ?「ラーガルフリョゥトルムリン」

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「ノルウェー博物誌」に掲載されたシーサーペントのイラスト

「ラーガルフリョゥトルムリン」またの名を「ラーガルフリョゥト・ワーム」。発音も表記も面倒くさいこの名前だが、北欧のUMAということで、その難しさをご理解いただきたい。きっと遠く離れた国の人にとっては、日本の固有名詞だって発音や表記に面倒なものがあるだろう。

 さて、このラーガルフリョゥトルムリンだが、北大西洋に浮かぶ島国アイスランドの東にある観光都市エイイルススタジルの湖および川、ラーガルフリョゥトに出現するシーサーペント(海ではないためシーサーペントではないが)のような形状をしたUMAである。

 ちなみにアイスランドの言語はアイスランド語で、北ゲルマン語のひとつである古ノルド語から派生したもので中世からの変化が少なく、英語やフランス語などの影響が薄いため、習得していれば北欧神話や古典文学を読むことができると言われている。北欧神話が息づいている国であり、国民の言語に対する愛着も強い国だ。

 そんなお国柄で、1345年の目撃記録に始まって、今現在、21世紀でも目撃されているのがラーガルフリョゥトルムリンというUMAなのだ。日本でいうところのカッパのように広く親しまれている存在でもあり、観光にも利用されている。自然が豊かで神話が息づく地での目撃となれば夢が広がるものである。

 湖に出現する水竜のような存在なので、アイスランドのネッシー的な捉え方もされているが、形状はどちらかというと前述のシーサーペントのような大蛇に近い証言が多い。また、ミミズやサナダムシのようだという説もある。

 このサナダムシという説は19世紀に、童話作家でありアイスランド民話の収集家として知られるヨウン・アウルトナソンによるものだ。アウルトナソンが編さんした民話・伝承集の中では人々や動物を食べる存在として書かれていた。不幸を象徴する存在だとも伝わっているそうだ。

 近年になっても目撃談はあるが、1983年には電話ケーブルの業者が、湖で動く大きな存在を探知すると、数日後に湖底のケーブルが傷ついているのを発見した例もある。ねじれないように設計してあるはずのケーブルが不自然に巻き付いている箇所があったようで、怪物の仕業である可能性が高いというのだ。

 そして、2012年にはアイスランドの国営放送がラーガルフリョゥトルムリンの動画を発表したため、この生物について世界中で物議を醸している。観光客が目撃し、撮影したものなのだが、第三者による審査委員会は「フェイクではない」と判断した。

 しかし「本物の映像」ではあるのだが、その動く物体が生物なのかどうかは不明である。機械の可能性もあるが、自然現象によるものだという声も多く、今までの伝承についてもこの可能性が高いと指摘されている。そして、この映像は使用料が日本円にして6500円と、UMAビジネスにも利用されている。

 ラーガルフリョゥトは氷河地帯にあるため、ラーガルフリョゥトルムリンは長い歴史の中で何度も目撃されていても、簡単に見ることができない存在である。人間の立ち入ることが困難な領域であるがゆえに、未知の生物が潜んでいる可能性は高い。ラーガルフリョゥトルムリンは一体どちらなのだろうか。

【関連動画】The Iceland Worm Monster (Lagarfljots Worm) Caught on Camera[Original]

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【177】スコットランドの巨大な怪鳥「ブーブリー」

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オオウミガラス

 スコットランドに存在すると言われる巨大な水鳥「ブーブリー」。自然を崇拝し、自然の中から神や妖精を見いだしたケルト神話が息づくこのスコットランドは、大自然が広がり、世界で最も有名なUMAとも言えるネッシーが目撃された地でもある。

 ブーブリーもネッシーと同じく湖付近に生息すると言われている。スコットランドの西側にあるアーガイル地方、その湖で目撃されているらしい。ちなみにアーガイルはもちろん、トラッドなファッションで使用されるアーガイル柄の発祥の地でもある。

 ブーブリーは巨大な水鳥、怪鳥だと言われ、まるで水牛のようだとたとえられている。ケルトの伝承の中の精霊的な存在としての色合いが強く、存在するのかというと可能性は低いかもしれない。

 巨大なだけでなく凶暴な性質を持ち、羊や馬、牛といった家畜を捕って食うとされている。また家畜だけでなく人間も水の中に引きずり込んだとも、カワウソを好むとも伝わっている。湖や川を行き来する船で輸送される家畜を食べたりするそうだ。普段は魚類を食べているのだが、付近の農家を恐れさせている。

 その他の特徴として、鳴き声は耳障りで、けたたましく鳴き、足と首が長く、足には水かきがついている。馬の姿に変身して水上を駆けると言われているのも、この水かきによる歩行かもしれない。

 黒いクチバシは28センチほどあり、全長は90センチ程度だと言われている。大きな翼は飛行だけでなく水泳にも適したものとなっている。

 ただ、アイルランドを含む北大西洋と北極海に分布した、現在は絶滅してしまった「オオウミガラス」の誤認ではないかと推測されている。このオオウミガラスはペンギンという言葉の元祖となる、ペンギンのような見た目を持つ鳥類だ。大きさが80センチほどある。オオウミガラスそのものが絶滅してしまった今、確認のしようもないが、可能性は低くない。

【関連動画】Cloning the Great Auk

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【178】アイルランドの未確認生物「スラヒーンズ湖の怪物」

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コエロフィシスの想像図

 アイルランドの中西部、半島のように浮かぶアキル島では未確認生物の目撃が少なくない。本島とつなぐ橋を渡ってすぐ、アクヒルサウンドを少し西に進んだあたりにあるスラヒーンズ湖で爬虫類型の「スラヒーンズ湖の怪物」の目撃情報がある。その姿がコエロフィシスに似ているらしいため、「コエロフィシス」と言われてしまっている。

 コエロフィシスは2億1000万年前に北米に生息した肉食恐竜のことで、米国のニューメキシコ州で多くの化石が出土している。体長は3メートルほどで、恐竜としては小型で全体的に細かったため、体重も30キログラムほどだったと考えられている。

 コエロフィシスは小型の動物を捕らえて食べていたようだが、共食いの習性もあったのではないかと言われている。その理由は化石の腹部にコエロフィシスの幼体の化石が残っていたとの見解からだが、現在は別種のワニだったという説の方が支持されているのだ。死んだ肉をあさるスカベンジャー(腐肉食動物=死体を主食とする動物)だった可能性が高い。

 コエロフィシスは群れで行動し、狩りを行うタイプと推測され、長い後肢で軽快に動いていたとされる。歩幅は75センチほどで、歩くというよりは跳びはねる感じだったのだろうか。動きは素早く、森の中も平原も簡単に移動していたのかもしれない。

 そのようなコエロフィシスだが、絶滅したはずの恐竜が現代のアイルランドで目撃されたということで未確認生物として名が広まった。1968年にスラヒーンズ湖で目撃された事件が有名だ。2人の男性が車を運転中に道路で、体長2・5〜3メートルの生物と遭遇する。

 その生物の特徴は、体全体は暗い褐色、後肢での2足歩行、長い首、カンガルーのように跳びはねて移動したという。この後も多くの目撃情報があり、どれもコエロフィシスに似た容姿であった。

 スラヒーンズ湖の怪物と言われるゆえんは、スラヒーンズ湖から出てきたという証言があるからだが、コエロフィシスは陸生の恐竜であった。もし実在するとしたら、いったいどちらの説が正しいのだろうか。

【動画】Coelophysis Atacan a un Postosuchus

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